監査法人の未来を担うエースたち
EY新日本有限責任監査法人
第3事業部 マネージャー中村 友美
監査法人の第一線で「エース」級の成果をあげる会計人を紹介する当連載。第4回に登場するのはEY新日本有限責任監査法人の中村友美氏だ。前職ではメーカーの経理部を経験。その後、EYが2016年に導入した「監査トレーニー」制度に応募し、実務をしながら資格試験に挑戦、見事合格を果たした。
中村氏が公認会計士の存在を知ったのは中学生の時だ。家族で通うカフェの店員が会計士試験の受験生だった。
「話好きの父が、カフェの店員さんたちと仲よくなったんです。そのうちの一人が公認会計士試験の受験生。バイト終わりに勉強していて、会計士の仕事のことなどを教えてもらいました。その人の人間性にも好感を持ったのですが、もともと私は貯蓄が趣味で、家計簿をつけるのも好きという性格。お金にまつわる仕事という点に惹かれたのだと思います」
しかし、試験合格までには紆余曲折がある。大学在学中の合格を目指して1年次から予備校に通ったが、「勉強以外のことが楽しくて」アルバイト漬けの日々を送ってしまう。
「エスカレーター式で進学したので大学受験も未経験でした。広い会計試験の範囲をどう勉強したらいいかもわからなかったです。『予習復習が大事』だと言われてもピンとこなくて。要するに勉強をナメていたんだと思います。授業は全部出ていましたが、それ以外は楽しいバイトばかり。短答式試験も合格できませんでした」
大学卒業後は電池・電子部品メーカーに就職し、財務経理部主計課に配属となった。会計事務所への就職も検討したが「実務面から会計を学んだほうが自分にはプラスになる」と考えての選択だった。並行して受験勉強を続けたが、予備校には通わずテキストを読む程度。「まだ本気度が足りなかった時期だったと思います」と中村氏は当時を振り返る。
一方、就職先の実務では早くから貴重な経験を積むことができた。連結決算や中期経営計画の作成、開示書類の作成業務、監査対応業務などを行った。
「子会社十数社分のデータを全部エクセルで処理していた会社だったんです。会計システムを使うとブラックボックスになる部分も見わたせて、会計知識が身につきました。これはのちの受験に際して大きなアドバンテージになったと思います。また『経理側の気持ちがわかった』ことは、現在の監査実務にも生きています。例えば、クライアント企業の経理の方に何かしらの作業をお願いする時も、その負担がどれだけ大変なのか想像がつくというか。話をしていても〝仲間〟と思ってもらえているのを感じます」
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