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「真のグローバルエクセレントカンパニーになるために経理から経営を支える」
日本たばこ産業株式会社 経理部

経理・財務最前線
日本たばこ産業株式会社 経理部
たばこや食品など、多角的な事業を展開し、130超の国と地域で製品を提供する日本たばこ産業株式会社(JT)。なかでもたばこ事業は、販売数量で世界第3位の規模を誇り、グローバル市場での競争力強化に向けた変革を加速させている。2022年には国内外のたばこ事業を統合し、「One Team」としてグローバル体制を構築した。
「経営判断を支えるデータとインサイトを提供し、戦略の意思決定をサポート。決算を回すだけではなく、経営と一体となって動く〝戦略的な経理機能〟が求められています」と語るのは、経理部門を統括する西崎朱美氏。経理部は企業価値の最大化を支えるパートナーとして存在感を高めている。
不確実性の高いビジネス環境では、スピードと柔軟性を兼ね備えた経理体制の構築が不可欠だ。経理部は、基幹システムのグローバル統合や制度・管理会計の高度化を通じて、グローバル全体の経営を支える〝ファイナンスの要〟としての機能を果たしてきた。
本社経理部には34名、グループ会社のJTビジネスコムを含めて80名超の体制を整え、連結決算、経営管理(FP&A)、企画(M&Aや新会計基準対応など)、総括人事(計数系人財マネジメント等)の4チームが有機的に連携。JTの経理業務の特徴について、西崎氏は「グローバルな事業展開ならではの複雑性とダイナミズム」を挙げた。そして、「保守的で堅実な会社という印象を持たれる方も多いと思いますが、事業としても、経理としても、守りにとどまらず、積極的に〝攻め〟を行ってきました」と続ける。
事業では、1999年に米国RJRナビスコ社の海外たばこ事業を約1兆円で、07年には英国ギャラハー社を約2兆円で買収し、グローバル展開を本格化。経理部門も12年にIFRSをいち早く導入しており、14年には決算期をグループ全体で12月に統一した。そして24年には、基幹システムのグローバル統合を実現している。
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経理部長西崎 朱美
1997年、早稲田大学大学院商学研究科修了後、日本たばこ産業株式会社(JT)入社。経理部、IR広報部、同社のたばこ事業の国際展開を担う子会社 JT International SA(ジュネーブ)出向などを経て、2022年3月より現職。