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最新号

Accountant's magazine vol.80

-アカウンタンツマガジン-
2026年01月01日発行

会計士の肖像

「「どうあるべきか」を考える。それこそが監査業務の魅力であることをもっと知ってほしい」

EY新日本有限責任監査法人
パートナー成田 礼子

会計士の肖像

「会計士を目指す」と決めたのは高校生の時。一直線に進む

成田礼子の会計プロフェッションとしてのキャリアは35年以上に及ぶ。大学4年生の時に公認会計士第二次試験に合格し、太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)でキャリアをスタートさせてから一本道を歩んできた。主軸とする会計監査においては、クライアントをして〝天職〟だと言わしめ、また、日本公認会計士協会東京会や学会などでの活動を通じては、数多くの著書や論文を取りまとめるなど、その力量と功績には定評がある。重ねてきた経験と弛まぬ研鑽が、成田の仕事人生を豊かなものにしている。

教育熱心な家庭環境だったので、小学生の頃からいろんな学びの機会を与えられてきました。塾はもちろんのこと、英会話教室にも通っていましたし、習い事としてはエレクトーンやピアノ、習字や水泳も。忙しい小学生です(笑)。とはいえ、強制ではなく、私から「行きたい」と言い出したものがほとんどですから、ある程度できるようになって気が済むと、「もういいや」ってやめるという……。その点では、子供の頃から意志ははっきりしていて、物事は自分で決めていたように思います。

小・中学校は地元の中野区立の学校に通っていたのですが、成績はけっこうよかったんですよ。そして、小4から中3までの6年間、ずっと学級委員長を務めていました。いつも〝頼まれる〟パターンで。思えば、現在の学会や日本公認会計士協会の役職も、どなたかに頼まれて就いているものが多いですから、そこは子供の頃から変わっていませんね。

実は、兄が勉強好きで、一貫して成績がとてもよかったものですから、親にしてみれば、私も「できて当たり前」だったわけです。時々、比べられて困ったこともありますが、私自身、兄に倣っていたようなところがあり、ことに中学時代は、部活もせず、塾に通いながらずっと勉強していた感じです。

そのかいあって、高校はお茶の水女子大学附属に進学することができました。入学してからは部活もやって、楽しかったですね。友達に誘われて入った大自然科学部で、私は化学班の部員として石鹸や香水をつくったりして遊んでいました。香料や化粧品に興味があった〝お年頃〟だったのでしょう(笑)。

小学校の卒業アルバムには、将来の夢として「医師か学者」と書いたそうだが、成田が職業イメージを明確に定めたのは高校2年生の時。進路を考えるにあたり、両親と話すなかで出てきたのが「公認会計士を目指す」という道だった。

薬剤師だった母は、自らの経験から「女性も手に職をつけたほうがいい」と常々言っていました。手に職というと、医師、薬剤師、弁護士あたりが挙がりますよね。そこに公認会計士が加わったのは、この頃、父が勤務先の会社で監査役を務めていたからです。だから私も、公認会計士という職業自体は知っていました。

将来何になるか。家族と話をしていた時に、医師と薬剤師は命にかかわる仕事だから「やめたほうがいい」となり、弁護士はいつも紛争のなかに身を置くことになるから、これも「やめたほうがいい」と。つまり、消去法で残ったのが公認会計士だったのです。入り口は消去法でしたが、わからないものですよね。この仕事に、こんなにやりがいを感じるようになるとは、思ってもいませんでした。

そういうわけで、高校2年生の時には「会計士になる」と決めていたのですが、私、志望していた大学受験に失敗しまして……。浪人するか否か、少し立ち止まった時期があったんです。この時、母に言われたのです。浪人すると、次の受験で燃え尽きてしまって、「もう会計士は目指せないでしょう」って。確かに気力が失せるかもしれないと思い、結果的には、成城大学の経済学部に進学することにしました。そして、すぐに会計士試験に向けての準備を始めようと。

そのうえで、もう一つ。母からは「大学在学中に必ず受かること」という厳しい条件を課せられたんですよ。一般的なサラリーマン家庭ですからね、結局のところ、浪人も留年もさせたくなかったのだと思います。

さらにもう一つ〝厳しい話〟がありまして。志望してはいなかった大学に行くと決めて、それを席が近かった同級生に伝えたら、「だったら首席で卒業するくらいのことをしないと、後になって人生後悔するよ」と言われ、とても驚きました。人生後悔するって……半ば脅しじゃないですか(笑)。「えっ?」と思ったけれど、おかげで奮起したというか、大学を首席で卒業するという目標もできたのです。

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Profile

EY新日本有限責任監査法人 パートナー 成田 礼子

EY新日本有限責任監査法人パートナー成田 礼子

1967年11月30日
東京都港区生まれ
1989年9月
公認会計士
第二次試験合格
1990年2月
太田昭和監査法人
(現EY新日本有限責任監査法人)入所
1990年3月
成城大学経済学部
経済学科卒業
1993年3月
公認会計士登録
2005年5月
同法人社員(パートナー)
2019年10月
総務省統計委員会臨時委員(現任)
2022年10月
金融庁企業会計
審議会内部統制部会
臨時委員(~2025年2月)
2024年1月
学校法人成城学園監事(現任)

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