公認会計士「研修出向制度」体験者リポート
株式会社リコー コーポレート統括本部
グローバルビジネスサポートセンター コーポレートコントロール部 連結決算G久間 裕之
大学卒業後、一般企業に入られていますね。
久間メーカーで3年間経理をやりました。経理に配属されたのはたまたまですが、例えば工場の人たちと、帳簿と在庫の差異をなくすためにはどんな商品管理をすべきなのか、などと話し合って改善を図っていくといった仕事に、やりがいを感じていました。で、そのうち「他社ではどうやっているのか」ということに、すごく興味を覚えるようになったのです。会計士資格の取得を思い立ったのは、監査でいろんな企業を見てみたいという思いから。不安はありましたけど、ここであきらめたらいつか後悔すると思い退職を決断。試験勉強に集中しました。
監査法人ではどんな仕事を?
久間最初の4年間は、大手メーカーと物流企業の2社を中心とした監査に携わりました。ちょうどJ-SOXが導入されるタイミングで、監査をしながら、そのためのアドバイス的なこともやりました。
私にとって大きな転機になったのが、5年目から総合商社のIFRS導入のアドバイザリー業務に就いたことです。IFRSの導入段階では、経営的な提案をできる余地がかなりあるんですね。そこで、いろんな提案を行うわけですが、最終的に決めるのはあくまで会社。実はその商社には、この制度を使った人を含め、新日本から4人の会計士が出向していたんですよ。彼らは“決める側”でした(笑)。
それが、この制度に手を挙げたきっかけですか?
久間アドバイザリーの仕事には、監査とは違う面白さがありました。同時にその業務を進めるうち、企業の中に入ってやるのもいい経験になるのでは、と強く思うようになったのです。
出向に当たっては、アドバイザリー業務の知識が生かせるよう、「IFRS導入に取り組んでいる企業に」という希望を出しました。今後、IFRS導入の流れが加速するのは間違いないから、今のうちに強みにしておきたい、と考えたのです。2014年3月期から、有価証券報告書をIFRSで開示することを決めていた当社は、その希望にぴったりでした。
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株式会社リコー コーポレート統括本部 グローバルビジネスサポートセンター コーポレートコントロール部 連結決算G久間 裕之
株式会社リコーコーポレート統括本部 グローバルビジネスサポートセンター コーポレートコントロール部 部長
この制度を利用して当社に来てもらったのは久間君で2人目だ。前任者は、2011年の初めに社内にできたIFRS導入のための専任組織に加わり、会計方針をはじめとする土台の部分の構築に尽力してもらった。久間君には実際の導入のステージで、特に高い専門性が要求される退職給付会計を中心に取り組んでもらったが、期待以上の活躍をみせてくれた。
彼の優れている点の1つは、説明が非常に丁寧で、わかりやすいところ。私自身、彼の説明を受けて初めて理解できたことがいくつもある。即戦力として期待するのは、彼のようにビジネスの現場をわかり、そこに馴染める会計士だ。グローバルに活躍できる会計のプロも、ますますニーズが高まるだろう。興味のある人は、こうした制度も利用して、企業経理を経験してみるのもいいのではないか。