事務所探訪
監査法人アヴァンティア
所員の平均年齢33歳というフレッシュな陣容で業務に臨むアヴァンティア。中堅上場企業を中心に監査業務を展開しており、設立から5年にして、国内20位規模の監査法人に成長した。小笠原直代表が掲げるキーワードは“適正規模”である。
「公認会計士のヒューマンスケールで最適な監査法人の規模は、所員70〜80名ぐらいがベストだと思っています。ゆえに、規模拡大を目指さず、仕事の質で勝負しながら自然な成長を志向しています。各人が職業専門家として、自らの専門的な判断をお客さまへきっちり提供できることを最優先してきました」
そんなポリシーを持ち、最新の経済動向を踏まえた監査、情報提供サービス、IFRS導入に向けたアドバイザリー、財務アドバイザリーを行う。監査業務の品質管理は、経営の中核となるパートナー社員が責任を持って行い、意思決定の速さ、メンバー社員への企業意思の見通しのよさを実現している。
「パートナー6名が合議を重ね、統一的な見解を出します。時には深夜、休日でも集まってディスカッションし、結論を導く。このスピード感、品質管理体制に共感してくださるお客さまと強固な信頼関係を結び、高水準のサービスが実現・提供できていると思っています。また、パートナーによる審査プロセスを、メンバー全員がオブザーブできる仕組みも。若い社員でも重要な会計判断の場を体感してもらえるように、との狙いです」
さらに、外部評価機関による従業員満足度・顧客満足度の調査も定期的に実施し、常に経営改善に取り組んでいる。
「評価から、所員とお客さまの満足度・不満足度には相関関係があることがわかります。所員が満足して業務に臨めば、お客さまにも満足していただける。私たちパートナーにも、改善すべき課題を可視化できるいい機会。これも“適正規模”の監査法人のメリットだと思います」
監査業務の品質管理、不断の経営改善に注力する一方、近年はグローバルな展開も活発だ。目覚ましい経済成長が進む中国に関する会計・税務や労務問題に関するサービス提供、そして海外とのネットワーク形成を意欲的に行ってきた。
「天津に日本人スタッフを駐在させ、中国における日本企業の法人設立の支援、法人および法人内個人の税務申告の支援、現地での資金調達支援などを実施しています。現在はコンサルティングを展開して、ゆくゆくは現地に監査法人アヴァンティア・チャイナを設立するのが今後の目標ですね」
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監査法人アヴァンティア小笠原 直
小笠原氏は第一勧業銀行(現みずほコーポレート銀行)に入行後、太陽監査法人(現太陽ASG有限責任監査法人)入所。代表社員を経て2008年アヴァンティアを設立。現場での業務に務めるかたわら、独立行政法人の監事や評価委員などの公的業務にも従事。元公認会計士修了考査試験委員。著書に『監査法人の原点』(幻冬舎)など
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