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「第二期 第6回基調講演 女性専門職業人が判断を下す時の課題」
参議院議員・公認会計士・税理士
竹谷 とし子
藤沼塾レポート
KKRジャパン会長 JPX元CEO
斉藤 惇
対象となる企業が、必ずしも新たな時代に対応しきれていない状況の下、では監査はどうあるべきなのか? 単なる過去の実績の帳簿検証にとどまらず、将来の収益動向だとか経営の方向性、さらには予測されるリスクを正確に把握して、企業側に伝達する役割を担うこと――というのが私の答えだ。 いってみれば、従来の静的な監査から、より企業と会話しつつ十分な説明を行い、必要に応じて「言うことは言う」動的な監査への転換が求められているのである。
それを実現するためには、企業とともに、監査法人もまた変わらなくてはならない。企業の事業内容は複雑化し、国際化している。それに伴い、監査法人の組織も肥大化する傾向にある。 そうしたなかで社会から求められる機能を発揮するうえで、法人自体のさらなる経営の独立性や透明性の確保は、避けて通れない。
カギを握るのは、やはり一般企業同様、ガバナンスだ。株式会社における取締役会に該当する社員評議会の能力が、本格的に試されることになるだろう。 私は、今後評議会員の選考方法などについて、検討が進むだろうとみる。さらには、社員評議会に外部の有識者が参加して意見表明などを行うことにより、 法人経営の透明性を担保するといった手法が、取り入れられていくのではないだろうか。
日本経済は、この間、かつての成長の余韻の中で生きてきた。しかし、その余韻も消えようとしている。成功体験も破壊して前に進まなかったら、 本当に沈没である。建設的経営分析ができないという弱点を克服するために、「動的監査」のデータやそこで交わされる議論は、他にない武器になるはずだ。 監査人、会計士のみなさんも、ぜひそうした使命を自覚し、変革の一翼を担ってほしい。
KKRジャパン会長 JPX元CEO斉藤 惇
さいとう・あつし/1963年、慶應義塾大学商学部卒業。野村證券株式会社副社長、住友ライフ・インベストメント株式会社最高経営責任者、株式会社 産業再生機構社長、株式会社東京証券取引所代表取締役社長、株式会社日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOなどを歴任。 2015年、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)日本法人会長に就任。16年、旭日大綬章を受章。