
青山学院大学大学院
会計プロフェッション研究科教授・博士八田 進二
ところで、「女性進出」の度合いは、業目によってかなりの違いがある。例えば、薬剤師の66.5%(2012年)は女性だ。では、米国では女性が半分近くを占める公認会計士はどうか?残念ながら、我が国の女性比率は、14.4%(2014年)にとどまる。
長くこの業界にかかわってきた者から見て、会計の世界、中でも税務や企業内会計士などの業務は、明らかに女性向きである。事務処理能力に長け、判断力なども男性に引けを取らないだけではなく、女性は押しなべて清廉で誠実だ。法規制を超えた倫理観がますます重視される方向にある状況下で、それは大きな強みではないか。実は会計は、「女性活躍」の目標に最も先駆的に対応できる分野の一つなのである。
折しも今般、日本公認会計士協会会長に、初の女性会長である関根愛子氏が就任した。述べてきたような課題についても、女性ならではの視点から、新風を吹き込んでもらうことを大いに期待している。
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・博士八田 進二
慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(プロフェッショナル会計学・青山学院大学)。2005年より現職。現在、日本内部統制研究学会会長、金融庁企業会計審議会委員、金融庁「会計監査の在り方に関する懇談会」メンバーを兼務し、職業倫理、内部統制、ガバナンスなどの研究分野で活躍。