現場で働く会計士の声

Accountant's magazineとは

back
number

Accountant's magazine vol.51

-アカウンタンツマガジン-
2018年12月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

「ほかに譲ることのできない崇高な役割。公認会計士の特権であり使命である」

大原大学院大学 会計研究科 教授
青山学院大学 名誉教授 博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

では、「専門的な判断を下す」とはどういうことか?私は、①自ら有する専門的知識を踏まえ、②判断の基礎となる基準に準拠し、③判断の根拠となる客観的な証拠を入手して、④自身の意見ないし主張を社会に公表するとともに、⑤その結果については、最終的に全面的な責任を持つという覚悟のもと、⑥必要とされる説明責任を負うことを宣言する――行為だと定義する。

そうした判断を下すための会計監査については、「批判的機能」と「指導的機能」があるとされている。前者は、財務諸表の適否などを公正妥当な会計基準に照らして批判する根源的な機能であり、後者は、会計上の欠陥を補正し、適正な財務諸表を作成するよう、会社に対して必要な助言・勧告を行う機能である。これらの機能を的確に遂行することで、監査人に対する信頼を高めることができる。

ところで、第二期「藤沼塾」のテーマをProfessional judgementとした直接のきっかけは、2015年に起きた東芝の「不正会計事件」にある。東芝の決算に関しては、会社が行ってきた会計判断と、前任監査法人および後任監査法人の監査判断、さらに会社の監査委員会の判断において、それぞれに異なった“4つの判断”が存在したままになっている。そのため「いったい“専門家の判断”とは何なのか?」という根源的な疑問を、改めて惹起させられたからである。

“東芝問題”は、いまだ終わっていない。監査人の「意見不表明」をはじめ、株主や社会全体にとってわかりづらい事態が放置され、「監査がブラックボックス化している」との報道も盛んに行われた。会計、監査の世界にいる我々自身が、その説明責任のあり方などについて改めて検討し、信頼回復に向け努力しなくてはならない。

「責任を持つ覚悟」とは、自らの見識に従って責任ある判断を下すことであり、それこそ、プロにとって最高の喜びでもある。公認会計士はほかに譲ることのできない崇高な社会的役割を担っていることを自覚し、日々、研鑽を積んでほしい。

Profile

大原大学院大学 会計研究科 教授 青山学院大学 名誉教授  博士(プロフェッショナル会計学) 八田 進二

大原大学院大学 会計研究科 教授青山学院大学 名誉教授 博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。博士(プロフェッショナル会計学・青山学院大学)。青山学院大学経営学部教授、同大学院会計プロフェッション研究科教授を経て、名誉教授に。2018年4月、大原大学院大学会計研究科教授。日本監査研究学会会長、日本内部統制研究学会会長、金融庁企業会計審議会委員等を歴任し、職業倫理、内部統制、ガバナンスなどの研究分野で活躍。

最新の「Accountant’s Opinion」

Accountant's magazine
バックナンバー

Accountants_magazineバックナンバー 学生インターン募集中 PARTNERS

掲載企業抜粋(50音順)

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行

ジャスネットの強み

【閲覧無料】会計プロフェッションのヒューマンドキュメント誌「アカウンタンツマガジン」

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社プライバシーマーク ジャスネットコミュニケーションズ株式会社は、「プライバシーマーク」使用許諾事業者として認定されています。


ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 職業紹介優良事業者 ジャスネットコミュニケーションズ株式会社は、職業紹介優良事業者として認定されています。


↑ PAGE TOP

© JUSNET Communications Co.,LTD All rights reserved.

新規登録