新天地から
株式会社野村総合研究所
経営革新コンサルティング部主任コンサルタント猪鼻 聡
猪鼻氏に転機が訪れたのは、入所4年目だった。同じ監査チームに国際協力銀行への出向経験を持つ会計士がいた。そんな仕事もあるのかと興味を持ち、自ら出向を願い出た。
「与えられた仕事は、ODAを中心とした海外プロジェクトの構築でした。会社や組織という枠を超え、立場も年齢も異なる専門家が結集。多種多様な意見やアイデアを持ち寄り、壮大なプロジェクトの実現を目指す。たとえば、円借款による港湾プロジェクトを行うなら、そこにどんな課題や問題点があるのかを、外交、経済、建設、貿易、会計といった、各ジャンルのプロがそれぞれの視点、全く異なる観点で追究していく。毎日が刺激的で楽しくて仕方がありませんでした」
プロジェクト始動に際し、円借款の受け入れ企業の経営や組織について会計面からコンサルティングすることもしばしば。スムーズなプロジェクト遂行のために、自らフィリピン、タイ、シリア、ネパール、トルコなどへ出向き、現地調査を行うこともあった。
「時には、予想外の困難に見舞われることもありましたが、私の会計知識や監査法人での経験が必要とされている。仕事を通じて、様々な国や社会の役に立っているんだ、という大きなやりがいがありました」
そしてこの過程で気づいたことがあった。それはODAのプロジェクトのみならず、日本の行政機関における公会計強化の必要性だった。
株式会社野村総合研究所経営革新コンサルティング部主任コンサルタント猪鼻 聡