監査法人の未来を担うエースたち
有限責任監査法人トーマツ
監査・保証事業本部 IPO監査専門チーム(東京)草場 麻美子
アパレル企業を担当するという目標を早くに実現した草場氏。現在はアパレル企業への関与を続けながら、IPO監査という次なる目標に向かう。
「上場企業の監査と違い、IPO監査のクライアントは、会計処理も含めてこれから組織を整えていく段階にあります。そのため〝できたものをチェックする〟のではなく、『これどうするんですか?』からご相談が始まることも多い。質問に対し、より精度の高い回答を求められるのがIPO監査だと思います。経営者との距離の近さも特徴です。彼らが世の中の動きをどう見ているのか、どんな社会課題を解決しようとしているのか、同じ目線で理解して会話ができないといけない。経営者の熱い思いに刺激を受けながら、監査以外の知識やスキルも日々学んでいるところです」
IPO監査にはどんなやりがいを感じているのだろう。
「自分の専門性を高めてクライアントに価値提供したい気持ちが私の芯にはあります。もちろん上場企業の監査もそのための業務の一つです。ただ監査には、批判的機能と指導的機能があるといわれます。上場企業の監査は、会社がつくった財務諸表を批判的な視点からチェックするもの。一方で、IPO監査は指導的な側面が強くなります。上場企業の監査よりIPO監査のほうが、私が仕事をするうえで大切にしたいことに通じている感触があります」
23年にはIPO監査専門のチームに異動した。これからの数年はIPO監査を究めるために費やされる。
「自分が担当した企業の上場に早く立ち会ってみたいですね。数年間苦楽をともにした企業が上場した時の喜びはひとしおだと先輩から聞いています。実は目標としているパートナーがいるんです。IPO監査専門チームのパートナーなのですが、どんな相談にもクイックに最適解を出せる知識の広さが本当にすごい。ただ、一緒に仕事をすればするほど知識量以外の部分でも『同じことはできない』と思い知らされます。それでもせめて、パートナーの右腕として業務をサポートできるぐらいには成長したいですね」
アパレル企業監査とIPO監査という2つの軸で専門性を高め続ける草場氏。最後に、かつての自身と同様、事業会社を経て会計士を目指す若手に対し、アドバイスを求めた。
「私がそうだったように、年齢的に遅いチャレンジであることを心配する人もいると思います。でも振り返ると、私は年齢のせいで損をした覚えがまったくありません。むしろ珍しい経歴であるほど必ず面白がってくれる人がいる業界だと知りました。監査はチームで進める仕事です。様々なバックグラウンドの会計士がいることが監査法人の強みになるからだと思います。トーマツにいる会計士も前職がトラック運転手、鮮魚店経営者と多彩です。どんな経歴も自分の強みになります。積極的にアピールしてください」
有限責任監査法人トーマツ監査・保証事業本部 IPO監査専門チーム(東京)草場 麻美子