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Accountant's magazine vol.62

-アカウンタンツマガジン-
2021年07月01日発行

会計士の肖像

「「公正と誠実」を本分とする会計プロフェッションの存在価値は決して変わらない。そこにこそ、誇りがある」

仰星監査法人
理事長南 成人

持ち前の行動力と創造力を発揮し、組織を成長へと導く

新しい環境で、南は早々に多忙を極めた。共同設立者である安田氏の筋から、大手ディーラーグループの相続税・資産税にかかわる大きな仕事が舞い込み、続いて商法監査(当時)も行うようになったことから、実質2人ではとても手が回らない状態だった。この時期、唯一だった監査先を巡っては、忘れられない出来事がある。

実は、1社しかなかった監査先で会計不祥事があったのです。当時、クライアントの業績は悪化しており、それを隠蔽する意図があったのは明らかで、修正を求めても聞き入れてもらえなかった。唯一のクライアントだとはいえ、迎合などできないから、当然のごとく不適法意見(当時)を表明することにしました。

今でも忘れられないのは、監査報告書を提出した会議でのこと。ある役職者から「うちの会社を潰すのか!」と怒鳴られたんです。僕も若かったから頭に血が上って、「隠蔽はますます事態を悪化させるだけです」と机を叩き、会議室から飛び出した。その場は、同席していた安田さんが事態を収拾してくれて、報告書はもちろんそのまま通しました。僕は常々、「独立性なくして監査なし」と言っていますが、原点にあるのはこの一件です。ちなみに、そのクライアントとは険悪になったかというと、そうではなく、むしろ強い信頼関係を結ぶことができました。

そしてこの時期、ある大手ディーラーグループ各社の監査をすることになり、もう“どっぷり”という感じでしたね。監査を続けながら、組織や情報システムの改革などにも携わり、つまりはコンサルティングサービスを含めた仕事へと広がっていったのです。

仕事が増えて大変でしたから、リクルーティングは積極的に行ってきました。「うちに来ないか」と声をかけて、入ってくれたのが朝日新和で同期だった中川隆之氏、現在の東京事務所長です。基本的には彼と安田さんとの“三人四脚”で走ってきたようなものです。特に中川さんとは、妻といるより長い時をともに過ごしてきた(笑)。加えて、経験者以外を入れるなど考えられないような小規模の時代から、新人も採用してきました。先述したように、こういう時に生きるのがTACとのご縁で、その都度、僕らが望む独立心旺盛な人材を迎えています。振り返ると、僕は本当に人に恵まれてきましたね。

99年、東京赤坂は大阪を本拠としていた北斗監査法人と合併、成長に弾みをつけた。次いで、2006年に監査法人芹沢会計事務所と合併し、このタイミングで「仰星監査法人」へと名称変更。企業を導く道標「確かなる視座」になるという決意を込めた名称だ。以降も明澄、明和といった監査法人と合併を重ね、現在は300名超の陣容を整える準大手監査法人として存在感を発揮、右肩上がりの成長を続けている。

北斗と合併する以前は、上場会社の監査やIPO支援はやっていなかったんですね。会社法監査、任意監査、そしてコンサルをメインに、税務なども含めた“トータル”を扱っていたから、むしろ通常の監査法人としての成長は意識していなかったのです。だから、東京進出を狙う北斗から「一緒に」と打診があった時も、最初は断っていたんですよ。規模としては北斗のほうが倍くらい大きく、それこそ上場会社監査やIPO支援に実績を持つ監査法人で、うちとしては路線が違うようにも感じていたから。ただ、ここには朝日新和時代の同期が3人(髙田篤氏、寺本悟氏、新田泰生氏)いたものだから、「東京赤坂には南がいる」と何度となくラブコールがかかったわけです。

そのなか、先方代表の田淵正信氏と安田さんが面談する段となり、ここで意気投合。気持ちや考えがぴったり合うことがわかり、合併することにしたのです。これもご縁ですよね。合併発表を機に「IPOをしたいので監査を」といった依頼が増え、北斗からはそのノウハウや監査品質管理など、多くを教わりました。以降、顕著に成長してきたので、この合併が起点になったのは確かです。

次の合併先である芹沢会計事務所は、公認会計士制度ができた翌年に創業したという“老舗”。当時から一部上場会社のクライアントをたくさん抱えていて、今、うちがサービスを提供している名だたる被監査会社の多くは、芹沢時代からの顧客です。僕らのクライアントにはベンチャー系企業が多かったから、合併によってクライアント構成のバランスが非常によくなり、さらに人員の年齢構成についてもいいバランスとなった。その後の合併も含めて、互いを補完し合うというか、それぞれの強みをうまくマッチさせてきた結果が、今につながっているのです。

Profile

仰星監査法人 理事長 南 成人

仰星監査法人理事長南 成人

1963年1月15日
大阪府池田市生まれ
1985年3月
立命館大学
経済学部卒業
1986年8月
監査法人
朝日新和会計社
(現有限責任
あずさ監査法人)入所
TAC株式会社
公認会計士講座講師
1986年10月
公認会計士
第二次試験合格
1990年3月
公認会計士登録
1993年9月
東京赤坂監査法人
(現仰星監査法人)設立
2004年8月
日本公認会計士協会での
活動開始
(監査基準委員会等) 
2017年7月 
仰星監査法人 理事長
2019年7月
日本公認会計士協会
常務理事

その他役職
・ 一般財団法人会計研修機構 理事
・ 株式会社ファンペップ 監査役

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