The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
Retty株式会社
CFO/コーポレート部門担当執行役員土谷 祐三郎
任務を果たし、ACAに戻った土谷氏に三たび転機が訪れたのは16年のこと。知り合いだったRettyの前CFOから、「当社に来てほしい」と誘いを受けたのだ。
「ACAの仕事は楽しかったし、転職する気はなかったのですが、武田(和也社長)に会って話を聞くうち、徐々に心を動かされて。縁があるのか、武田も『日本生まれの食のサービスを世界で展開したい』と夢を語るのです。投資ファンドでも結局企業にはアウトサイダー的にかかわったわけですが、中に入ってメンバーの一員として仕事するのも面白そう。そこが決め手になりました」
求められたのは、IPOに向けた管理体制の強化と経営戦略などの組織への落とし込みである。就任して1年半、現状は「山登りでいえば、5合目あたり」だと言う。
「入社時に80人ほどだった社員は、100人超に。よくいう〝100人の壁〞みたいなものを感じつつあるステージにいます。従来は、武田の言葉が組織の隅々まで届きやすかった。これからは、それをどうやって伝えていくのか知恵を絞る必要がある。500人、1000人の体制になってもいい会社であり続けるために必要な仕組みを今のうちにつくらなければなりません。やりたいことをやるために、その土壌づくりに懸命に勤しむ。そんな感じでしょうか」
ところで、今回の転職に迷っていた時期、土谷氏は何人かの就職エージェントに意見を聞いた。結果は、揃って「投資ファンドに残ったほうがいい」。そのことも、入社を決めた理由だというのだが。
「会計士は約4万人。その頂点に立つのは至難の業でしょう。大事なのは、そこに掛け算をして付加価値を高めることだと思うのです。〝英会話〞では正直強みにはならない。でもさらに〝戦略コンサル〞を掛けると、とたんに300人ほどの希少価値になる。そうやって、人が挑戦しようとしないニッチを志向していく。僕自身、『日本をよくする』という夢に向けた掛け算は、まだ続きます」
Retty株式会社CFO/コーポレート部門担当執行役員土谷 祐三郎