The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社global bridge HOLDINGS
取締役 管理部長市村 浩子
同社は、首都圏を中心に保育施設と介護施設を合わせて44施設(17年末現在)展開する。市村氏は、PCに「介護」「マネジメント」と打ち込んで、自らその新天地を探し出した。
「祖父母が長くデイサービスに通っていました。ところが、たまに行くと現場が明らかに疲弊しているのです。そういう実体験もあって、以前から『介護のマネジメントにとって、何かいいソリューションはないのかな』という問題意識を持っていたんですよ」
面接では現CEOの貞松成氏と、4時間近くも話し込んだのだという。
「介護と保育の世代間交流などの話もされて、自分の問題意識にとても近いと感じ、その場で入社を決めました」
まず任されたのは、施設開発である。〝自分ごと〞として、事業の現場を知ることに異存はなかった。
「社会福祉事業に興味があるおじいちゃんのところに通って、『お持ちの土地をどのように使うと地元に貢献できるか』と話をしたり、認可保育所の応募を渋る行政に交渉に行ったり。ダメもとで区議会議長さんに電話したこともあります。まだ小さいし無名の存在だったので、泥臭くとも、できることは何でもやりました」
努力は結実し、徐々に施設は増えた。
「地主の方と気持ちを一つにしながら、何晩も徹夜してつくった認可の提案書を通す。そういった数々のステップを経て、小さな施設ができた時の達成感は、ひとしお。初めて『自分たちでつくっているんだ』という実感を覚えた気がしました」
そんな市村氏がCFOに就任したのは、15年秋のことだ。
「事業開発や運営のやりがいを大いに感じていたところに、上場の話が出てきて。『そういえば、うちには会計士がいたじゃないか』と(笑)」
昨年10月、ホールディングスは、東証のTOKYO PRO Marketに上場を果たす。とはいえ、CFOの手腕が問われるのは、むしろこれからだろう。
「ここに入社して、人が集まって何かを成し遂げていくことのすごさ、素晴らしさを知りました。同時に、管理部門で働いた経験のない私にとって、そこに籍を置く人たちのモチベーションを理解するのは簡単なことではありません。いろいろな人と話をしながら、みんながやりがいを持ってその可能性を発揮できる環境をつくっていくのが、私の役目だと思っています。社会貢献という目標を果たしていくためにも、数字は大切。でも、その数字は人の気持ちの上に成り立っているものなんですね。それも、私がこの仕事で学んだ大切なことの一つです」
株式会社global bridge HOLDINGS取締役 管理部長市村 浩子