The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社シーマ
専務取締役宮崎 一成
シーマは、「銀座ダイヤモンドシライシ」「エクセルコダイヤモンド」という2つのブランドのブライダルジュエリー販売を主力事業としている。従来担当してきた業種との“畑違い”に戸惑うことはなかったのだろうか。
「『何でお前がブライダルなんだ?』と知り合いによく聞かれました(笑)。でも私の今やっている仕事は、どんな業界、会社組織でも必要とされるはずのもの。ブライダル業界だからということを、あまり意識したことはありませんね」
そうした、CFOとして自らに課せられた役回りを、宮崎氏は“何でも屋”と表現する。
「社長をサポートし、管理部門も営業も全部を視野に入れる。特に何か問題が起こったような場合には、僕の出番(笑)。『ああしなさい、こうしなさい』の前に、自分で解決することを考えますね」
同社は全国に58の店舗を展開する。若い店長も多く、女性比率も高い。
「ノルマに負けそうになったり、人間関係に悩んだり。そんな時には現場に足を運んだり、電話をかけて励まします。私は社員のメンター(助言者・相談者)だと思っています。そして彼らにこう言います。『圧倒的な努力をしてあきらめなかった人を、神様は絶対に見放さないよ』と。もうひとつ、私自身がそうなんだけど、仕事は楽しんでやるべきだとも話します。高いハードルでも嫌だと思って見上げるより、楽しいと感じて立ち向かうほうがいいじゃないですか」
そんな専務に、社長である白石幸栄氏は、「何よりも人を引きつけまとめられる、その人間性が素晴らしい。そういう人が公認会計士の資格を持っているのだから、鬼に金棒です。これからもその能力をベースに、僕の足りない部分をフォローしていってもらいたい」と期待を寄せる。
一般企業のCFOとなった宮崎氏は、会計士資格の“意義”をこう語る。
「日本公認会計士協会は“Justice for Fairness”という会計士としての志を掲げていますよね。『公正を求める心』。資格を取り、会計士として働いている私の背骨には、この精神が脈々と流れているのです。判断に迷った時には、どっちが公正かというところから考えるようにする。勉強して知識も忍耐力も身についたけれど、私にとって一番大きな宝は、この精神を血肉にできたことです」
最後に若き会計士へのメッセージを聞こう。
「民間企業には、公認会計士の活躍できる場がたくさんあります。会社関係の法律に明るいし、数字にも強い。監査法人が何を指摘したいのかよくわかるから、そのパイプ役にはうってつけ。やる気さえあれば、経理部門以外でも重宝されるはずです。もし将来に迷っている人がいたら、もっと目を外に向けるべきだと思います。『どこ(どんな会社)でやるかではなく、何(役割)をやるか』を大事にしてほしいですね」
株式会社シーマ専務取締役宮崎 一成
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