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Accountant's magazine vol.14

-アカウンタンツマガジン-
2012年10月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

第14回「会社トップに「経理・財務」をわかった気にさせる、実力派CFO」

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)
顧問金児 昭

私が出会った、優れたCFO(最高経理・財務責任者)を紹介するシリーズ企画の3回目。今回は、我が国トップの製薬企業である武田薬品工業の経営管理部長の高原宏氏にご登場願うことにする。

私は今まで数多くの経理部門の責任者とお会いし、貴重なお話を聞いてきたが、高原氏の次の言葉は、とりわけ印象深く心に残っている。
「私たちの大事な仕事は、会長や社長に経理・財務のことを“わかったように”思っていただくことです」

もちろん、会社のトップを見下して言っているわけではない。ただでさえ、経営者は重い荷物を背負っている。その方々に、難しい会計の世界を1から10まで理解してほしいといっても、無理な相談だ。そうではなくて、「重要ポイントを正しく理解してもらい、経営に生かしてもらうのが経理・財務の努めである」というのが、そのココロだ。なるほど、CFOがこういう考え方を持っているから、この会社はうまくいっているのだなと、私は感動さえ覚えた。

私もその畑にいたから理解できるのだが、経理・財務部門には「我々を重用しない社長はだめだ」と、口に出さないまでも心に思っている人が少なくない。「銀行と折衝する我々なくして、経営は成り立たない」といった、変なプライドを持つ人間もいるのだ。しかし、利益を稼ぎ出しているのは、メーカーだったら販売・製造・研究の現場である。経理・財務は、あくまでもそのバックアップをしている部門なのだ。高原氏の言葉は、その本質を過不足なく表現している。

言うだけでなく実行しているところも、尊敬に値するところだ。当然のことながら、「重要ポイントを理解してもらう」ためには、相応の説明能力が要求される。幹部を目指す若手社員には、財務会計、管理会計、資金会計、税務会計の4つの領域をすべてマスターしてほしいとハッパをかけているそうだ。これも経験者として言わせてもらえば、そのハードルはかなり高い。だが率先垂範、「経理・財務は一生勉強」を実践しているのである。

ところで、同社は2006年、大阪国税局から移転価格税制に基づく更正を求められるという、大事件に遭ってしまった。同社が半分を出資していた海外子会社との製品供給取引に関して、米国市場から得られる利益が親会社・子会社間の取引において過小に配分されていたと判断され、571億円の追徴税納付を求められたのである。

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Profile

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁) 顧問 金児 昭

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)顧問金児 昭

1936年生まれ。東京大学農学部卒業後、信越化学工業に入社。以来38年間、経理・財務部門の実務一筋。前金融監督庁(現金融庁)顧問や公認会計士試験委員などを歴任。現・日本CFO(経理・財務責任者)協会最高顧問。著書は2012年8月現在で、共著・編著・監修を含めて136冊。社交ダンス教師の資格も持つ。

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