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Accountant's magazine vol.10

-アカウンタンツマガジン-
2012年02月01日発行

会計士の肖像

「国内外の変化に目を向ければ、資格を生かせる仕事は無限大。夢と勇気を持って、新しい道を探し求めてほしい」

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)
代表取締役社長 公認会計士和田 成史

揺るぎない経営理念のもと、世界を視野に確かな歩を進める

TOPシリーズのヒットによって、オービックビジネスコンサルタント(以下OBC)の名は広く認知され、事業は順調に推移、80年代半ばには社員数も三桁に届く勢いとなった。しかしこの頃、和田は大きな壁にぶち当たっていた。例えば、開発部門と営業部門の意識の乖離、人材それぞれの業務に対する価値観の相違……。組織としての成長が追いついていなかったのである。爪に穴が空くほどストレスを抱えた和田だったが、しかし、それは経営者としての再スタートでもあった。

人材の大半が中途採用だったこともあり、多くは、個々のスキルやキャリアアップを目指しているわけです。それぞれ持っている文化が違うし、当然価値観も違う。つまりは、単なる集団の域を超えていなかった。これ以上は無理、会社の限界がくると体が感じていました。苦しいですが、でも、この限界を認識することは大切で、そこから人間は、乗り越えるにはどうすればいいかを必死に考えるようになります。

そして、解決策を探し求めて出会ったのが、当事者意識研修で著名な武島一鶴先生でした。組織改革についての助言を受けながら取り組んだのは、OBCの経営理念、コアコンピタンス、人材採用・教育といった企業としての柱づくりです。そこで構築した経営理念が「オープン、フェア、グローバル」。ここに立ち、僕が経営者として明確なビジョンを打ち出し、全社員に向けて走っていく。4年間ほどは、採用と教育を中心とした組織づくりに全力投球でした。開発においても、それまで縦割りだった体制をレイヤー型に転換し、OBCのものづくりの本質は何なのか、顧客満足度とは何なのか、きっちり共有したのです。これらは永遠の課題なので、継続していますが、この時期の苦しみは、僕自身、経営者としての“目覚め”でもありました。

その後もITバブルとその崩壊、リーマンショックと、壁は訪れてきます。しかし、経営理念の3点に立ち、何が本質かを腹に落ちるまで考えてビジョンを導き出せば、必ずすべては解決できるんです。そして乗り越え、成長し、変化していく。まさに、組織は生き物ですよね。社会で生き続けるということは、「変化する」能力がすごく重要だと思うのです。

今春、OBCは職業会計人のための「奉行Jシリーズ」を出荷する。インターネットを介して、会計事務所と顧問先が連携して使える小規模法人向けのソフトである。新時代に向けての、またひとつの新しい提案だ。さらに、グローバルの面においても、中国では「新中大」「上海博科」といったソフトウエア開発会社に出資、ベトナムの「グローバルサイバーソフト」とも長期視点に立った連携を図っている。長足の進歩にある世界ながら、いたずらに急がず、OBCはOBCらしく、確かな歩幅で成長・変化を遂げている。

我々のコアコンピタンスのひとつに、「中堅・中小企業にフォーカスする」というものがありますが、それは、中堅・中小企業が間違いなく日本経済を支えているからです。例えば、iPhoneの部品の70%は日本製でしょう。世界最先端のものづくりを、いたるところで支えているのです。日本の「すり合わせの技術」とデジタルとの融合、ここに日本のものづくりの未来があると思うんですよ。基礎技術はアメリカだけれど、日本は応用技術。換言すれば、いかに顧客の志向に立ったものづくりをするか、強さはそこです。だからこそ我々は、自分たちの領域で支援を続けていきたいのです。

徹底したお客さま志向でつくり続けてきた奉行シリーズも、ある意味同じです。いずれ、世界に貢献できる日がくるんじゃないか――。実は、そこに思いを込めて、日本の伝統文化を象徴する歌舞伎を取り入れ、ネーミングにもしたのです。これを世界に伝え広げていくことは、OBCのミッションだと考えています。

僕がソフト開発を始めた頃は、「苦労してせっかく会計士の資格取ったのに何やってんの?」とよく言われたものです(笑)。イコール監査業務の時代でしたからね、説明しても理解してもらえない。でも、早くからコンサルティングの領域や海外に着眼し、夢と勇気を持って井戸を掘ってきた先達はけっこういるんですよ。今、これだけ世界の変化が進んでいるのです。会計士としての資格を生かしてできる仕事は、無限大のようにあるはずです。企業経営、国際業務、あるいはこれからの市町村が日本の会計をどうオペレーティングしていくか、といった観点もある。若い人たちにはぜひ、新しい道を探し求めてほしいですね。どんどんドアをノックして。そこには、一人ひとりを待っている世界が必ずある、僕はそう確信しています。

※本文中敬称略

Profile

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC) 代表取締役社長 公認会計士 和田 成史

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)代表取締役社長 公認会計士和田 成史

1952年8月30日
東京都品川区生まれ
1975年3月
立教大学経済学部卒業
1976年9月
公認会計士第二次試験合格
1976年10月
大原簿記学校会計士課勤務
1980年3月
公認会計士登録
1976年6月
税理士登録
1976年12月
株式会社ビック・システム・コンサルタント・
グループ設立
1981年1月
株式会社オービックビジネスコンサルタント
に商号変更
1999年10月
日本証券業協会に株式を店頭登録
2004年3月
東証一部上場

[主な役職]
(社)コンピュータソフトウェア協会(CSAJ) 会長
経済産業省 産業構造審議会ソフトウエア小委員会 委員
(社)日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA) 理事
ITコーディネータ・パートナーズ(ITCP) 副会長
(社)コンピュータ教育振興協会(ACSP) 代表理事
(社)日中協会 評議員
(財)日本・ベトナム文化交流協会 理事

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