地方会計士協会の取り組み
日本公認会計士協会 近畿会
会長小川 泰彦
第三の重点施策は、中堅・若手が活躍できるようにすることです。中でも急務を要するのは未就職問題への取り組みです。今後、全国で年間2000名の公認会計士試験合格者が見込まれる一方で、監査法人に入所できるのは1300名程度と予測できます。つまり、業務補助や実務従事の先を監査法人だけに頼っていては、毎年700名の試験合格者が資格登録の要件を満たせなくなってしまうという構造的な問題に直面します。
そこで、近畿会では今年1月に、全国に先駆け企業セミナーを実施。上場企業や資本金5億円以上の企業など27社に、企業内会計士の採用促進を訴えました。同時に、合格者に対しては5日間のビジネスマナーをはじめとする新人研修を実施。近畿実務補習所でも、実務補習の日程を土曜日に集中させるなどして研修制度を見直したところ、実務補習生332名のうち34名が一般企業への就職が決まりました(個人事務所は21名、監査法人は180名、2010年6月調査)。
とはいえ、この時点で54名(大学在学生を除く)が未就職の状態です。この状況を打開するためには、今後同じ壁に直面するだろう受験生への意識改革も欠かせません。彼らにとってはいまだに監査法人への道が主流で、民間企業で働くという認識が薄いのです。そこで近畿会では今年6月に大手専門学校が短答式試験受験者などに向けて、キャリア形成についてのガイダンスを行った際、近畿実務補習所運営委員長と就活に苦労した去年秋の試験合格者などを講師として派遣。実務補習所や就活の体験談を話してもらったり、アドバイスしてもらいました。このタイミングなら、大学3年生の試験合格者にとっての就職活動は有利に働くはず。毎年この時期での実施を計画しています。
このように公認会計士の活躍の場を広げるとともに、取り組むべきは企業内会計士の組織化です。前述のとおり、公認会計士の使命は財務情報に信頼性を付与すること。その信頼性の向上につながる施策には、監査法人や税理士法人で働く公認会計士はもちろん、企業内会計士にも積極的に取り組んでいただきたいのです。
また、公認会計士が監査業務と税務の両方を担うのは世界の潮流であり、国民経済の健全な発展に資するもの。税務に従事する会員はもとより、監査に従事する中堅・若手会員に向けても、税務に精通するための研修の充実を図っています。
近畿会はこうした3つの重点施策を掲げ、積極的な活動を推進していますが、それらを実現するには私たち執行部員だけでなく、会員一人ひとりの主体的な取り組みも欠かせません。今後もその重要性を会員に訴え、自分たちに課した責務を果たしていきたいと思います。
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