The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社M&A総合研究所
取締役 管理本部長荻野 光
22年6月28日、M&A総研は東証グロース市場に上場を果たし、株価と時価総額も予想を超える数字を出している。これは、M&A仲介事業が成長しているからにほかならない。M&A事業の成長ドライバーは案件を担当するM&Aアドバイザーの人数となる。
「M&A業界から経験者を取ろうと思うと人が足りません。しかし、当社は未経験者でもすぐに戦力化できる体制を整えています。売り手と買い手のマッチングにAIを活用するなど、徹底的なDXで業務効率化を図っているのがその一例。当社の場合、契約からクロージングまでの期間は平均6・6カ月。これは業界平均の3分の2ほどです。M&A仲介業界はいまだ昭和的な〝汗と根性〟の営業スタイルが一般的であり、効率化が進んでいない部分も多い。我々は業界トップの座も目指せると思っています」
上場以降、荻野氏は「IR関連の業務が増えている」と言う。
「株価は企業にとって目に見える評価です。よい決算発表ができれば、またIRミーティングで投資家にしっかり訴求できれば株価は上がる。決算発表にしても伝え方次第で反応が大きく変わります。日頃のアクションが株価を左右する、その手応えが面白いですね。時価総額の向上ばかりが目標ではありませんが、時価総額が上がるほど、海外の巨大な機関投資家にアプローチしやすくなるのは事実。まず目指すのは時価総額1兆円です」
IPOの成功により、荻野氏のキャリアは新たなフェーズに入っている。荻野氏はこれからのキャリアをどう見据えているのか。
「上場企業のCFOという仕事は非常にやりがいがあります。上場以来、時価総額の向上とともに見える景色や考えることが変わってきた。これは決して自分の力だけではないので、非常に恵まれた環境で仕事ができていると感じています」
最後に、CFOを目指す若き会計士へのメッセージを求めた。
「本当に様々な能力が鍛えられるので、最初のキャリアが監査法人でよかったと思うことは多いです。そのことに気づいたのは外に出てからでしたが、若い方々には『この仕事でここが鍛えられている』と考えながら日々の業務に臨んでほしいです。例えば、インチャージであれば、『これはプロジェクトマネジメントのスキルを鍛えているんだ』と考えながら働くこと。がむしゃらに目の前の仕事をするだけではなく、この仕事をすることでビジネスパーソンとしてどういう能力が身につくのかを常に考える。そうすることで、あなたの成長は加速していくと思います」
株式会社M&A総合研究所取締役 管理本部長荻野 光