The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
Kudan株式会社
取締役CFO中山 紘平
コンサル部署で得た自信を携えて、中山氏はドイツ三菱商事への出向ポジションに応募した。デュッセルドルフに約2年滞在し、現地CFO補佐として事業売却、M&A支援、労働法・リストラ対応、内部統制改善、経理相談など、多様な業務を経験。これが中山氏にとって大きな転機となる。
「三菱商事とドイツEYという日本・グローバルのトップ企業で仕事ができたことが、大きな自信になりました。三菱商事という日本を代表する企業と仕事ができ、評価してもらえたこともそうですが、グローバルのEYのレベルの高さを知れたのもよかった。『あまり仕事をしない』と言われるドイツ人ですが、確かに18、19時までしか働かない代わり猛烈に仕事が早く、日本よりも高い単価を得ている。バックグラウンドもただの会計士ではありません。各業界のトップ企業や大学院を経てEYに入所したスペシャリスト揃い。そういう人たちとの仕事で成果を上げられたのは、大きな手応えです。その後のキャリアも見えてきました。一つは『CFOを目指す』。それまでCFOは自分にとって雲の上の存在だったのですが、ドイツ三菱商事のCFOの姿を見ながら、組織を機能させるための大事なポジションだと感じました。もう一つはAIやサイバーセキュリティといった最先端のビジネスへの興味です。伝統的な“モノ”を扱う商社ビジネスを経験できたので、さらなる成長のため、次はその真逆にいこうと」
その言葉のとおり、ドイツから帰国するとサイバーセキュリティ分野のスタートアップに転職した中山氏。これまでに培った経験と自信のおかげか、すぐに次のチャレンジとなる転職先は見つかった。転職後は、上場に向けて経理プロセスを整備するなど、ファイナンス責任者として活躍した。
「この会社では、ビジネスを自分事としてやる面白さを経験しました。アドレナリンが出て、毎日遅くまで残業しても全然苦になりませんでした。ただ、『会社を成功させたい』という願いは叶わなかったんです。上場前のスタートアップが成功することの難しさを学びました。自分の全エネルギーを注いでいた会社を辞めなくてはならなくなった時、本当に頭を抱えました。今後はどこで、どんなふうに働いていけばいいのか……と」
Kudan株式会社取締役CFO中山 紘平