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Accountant's magazineとは

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Accountant's magazine vol.66

-アカウンタンツマガジン-
2022年07月01日発行

会計士の肖像

「視野を広げ、「これがやりたい」を基点に、仕事を選ぶべき。公認会計士の専門性を生かせる活躍の場は数多くあるのだから」

株式会社アットストリーム 代表取締役
アットストリームパートナーズ合同会社 理事長・代表パートナー大工舎 宏

常に本質を追う組織で「生涯、一コンサル」を貫きたい

実際、製造業のコンサルが得意、会計士で経営管理の仕組みづくりに長けている、システム領域に詳しい、生産管理に強い、といったそれぞれ異なるバックボーンを持つ6人が、それぞれの分野で仕事をつくるところからスタートしたアットストリームは、20年間で約45名のコンサルタントを擁する組織に成長した。「会計」「生産」「顧客接点」「IT」「人・組織」の強みを持つプロフェッショナルが揃い、多様な人材が融合して顧客の様々なニーズに対応することが可能となった。

「身の丈に合った仕事をしていこう」というのも、創業時の出来事で身をもってというか、金をもって痛感させられたことです(笑)。人員に関していえば、毎年2、3人の純増で、人材が成長するスピードに、会社の成長スピードを合わせていく、というイメージ。

青臭いようですが、お客さまの事業や業務を改善していくという本質から外れた案件は、無理して追わないというのも、我々のポリシーです。20年の間には、いろいろありました。例えば、上場企業の09年3月期決算から適用されたJ-SOX。「いくらでも仕事がある」といろいろなところから声をかけていただきましたが、当社はあえて“ブーム”には手を出しませんでした。

儲かるのがわかっているのにやらないというのは、典型的な機会損失かもしれません。ただ、あの時若手の会計士を何人か採用して仕事を取っていたら、“宴”の後、他の多くのファーム同様、リストラクチャリングしていたはず。それでは、人にも会社にも、残るものがないと思うのです。うちが提供できる価値は、「多くの人間が出せます」というものとは違います。例えば、漠然とした課題意識はあるものの、何をすべきなのか整理できていない“フェーズ0”の段階から、我々は相談に乗ります。手間はかかるし、それなりの経験者を投入する必要がありますから、決して収益性の高い仕事ではありません。でも、そうやって顧客に寄り添って、「アットストリームさんがいて助かった」と言われる存在でありたい。つまるところ、コンサルティングの仕事が心底好きなんですよ。そういう人間たちの集団がアットストリームなのです。

13年7月、大工舎は同社の代表取締役に就任する。18年には、将来の事業承継も見越した組織再編を実行。事業をプロジェクト型コンサルティングに最適化したアットストリームコンサルティングと、アドバイザリー型コンサルに対応するアットストリームパートナーズに分社化したうえで、両社をホールディングカンパニーのアットストリームが束ねるかたちとした。ところで、本人は、今でもホールディングスの代表と、パートナーズに所属するプレーヤーを兼務している。

大手のファームなら、上は管理に専念というピラミッド型が普通ですし、利益極大化には、そのほうが効率的でしょう。でも、当社の場合は、トップ層であってもプロジェクトに入って、実際に顧客と話をします。そうすることで、コンサルの質を担保するとともに、人を育てていく。そういう組織だからこそ、プロダクション重視を実現できるというのが、私の実感です。

ただ、こちらにいくら熱意があっても、お客さまに評価されなければ意味がない。監査法人のように安定的なクライアントがいるわけではなく、常に仕事を獲得していくのは、それなりに大変です。ですから、あらゆる機会を生かして、身の丈に合ったかたちで自分たちをアピールする。そこに知恵とエネルギーを使っています。

年1回、「プロセスイノベーションセミナー」を開いて、名だたる企業に取り組み事例を講演してもらうのですが、演者はみな当社のお客さま。一緒に進めた成功事例を語ってもらえるのですから、最高のPRです。新型コロナ前は、終了後に2次会、3次会に繰り出して、「やっぱりアットさんに頼むわ」という関係を築いていました(笑)。提案書だけでなく、ヒューマニティを売り込むのも、立派な営業なのです。

いずれ、会社をいいかたちで後進に渡したい。そして、その後も「生涯、一コンサル」として貢献していきたいですね。コンサルとしては、まだまだ味が出ると思いますし(笑)。

若い会計士にも、どんどんこの世界に入ってきてほしいんですよ。でも、コンサルは大変そう、難しそう、ブラックじゃないの?(笑)と敬遠される。

今は監査に粛々と携わって上を目指すか、会計士ホルダーとして大手事業会社に転職するかが、人気の“2択”だとか。その生き方を否定はしませんが、「安定するから」という理由は、気になります。もっと視野を広げて、「やりたいこと基点」で考えてみたらどうでしょう。大いに苦労して手にした資格です。会計士には、専門性を生かして活躍できる世界がたくさんあることに気づいてほしいですよね。

Profile

株式会社アットストリーム 代表取締役  アットストリームパートナーズ合同会社 理事長・代表パートナー 大工舎 宏

株式会社アットストリーム 代表取締役 アットストリームパートナーズ合同会社 理事長・代表パートナー大工舎 宏

1968年7月15日
大阪市生野区生まれ
1990年10月
公認会計士第二次試験合格
1991年3月
京都大学法学部卒業
1991年4月
アーサーアンダーセン
大阪オフィス入社
1994年3月
公認会計士登録
2001年7月
アットストリーム
コンサルティング 株式会社
(現株式会社アットストリーム)を
共同設立 取締役就任
2013年7月
株式会社アットストリーム
代表取締役就任
2018年7月
アットストリームパートナーズ
合同会社を共同設立
代表パートナー就任
2022年7月
アットストリームパートナーズ
合同会社理事長・
代表パートナー 就任

◎その他の現職
大研医器株式会社 社外取締役
甲南大学経営学部 非常勤講師

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