The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社Speee
取締役 経営管理本部長西田 正孝
西田氏は、Speee以前にベンチャーを2社経験している。1社目は上場直前期にあった人材紹介会社。西田氏はCFOの下で上場準備にあたった。
「並行して、経理の業務フローの改善をガンガンやりました。私が退職する頃には経理部門の残業時間がほぼゼロに。目に見える効果がありました」
しかし、リーマンショックを受け、あえなく上場を断念。そのタイミングで西田氏も会社を去った。次に転職したのは、金融系ベンチャーだ。ポジションは財務担当の役員。「次こそは」と意気揚々と入社を決意したが、またも思惑は外れた。
経営層の思いに現場が追いついておらず組織がバラバラの状態。そうこうしているうちにリーマンショックの余波を受けるかたちで新規投資の無期限停止。1カ後には社長も退任する事態となり、「ここでは、熱意を持って働き続けられない」と思い、転職の道を選んだ。苦渋の決断だった。
リーマンショック直後とあって転職活動はままならなかった。M&Aファームなど専門性の高い領域を狙ったが、一次面接を通った後に募集中のポジションがなくなることも。「2社続けて失敗したので」とベンチャーへの転職は考えていなかったという。にもかかわらず、Speeeにジョインすることが決まったのだから、巡り合わせというほかない。友人に紹介されたエージェントを通じてもらった複数のオファーにSpeeeが紛れていた。ベンチャーに行く気はないと伝えていたが、いい会社だからと説得された。
「エージェントを紹介してくれた友人への義理もあり、とりあえず面接を受けることにしたんですよ。そしたら、これはすごいなと」
一次面接の担当は、当時23歳だった現代表取締役、大塚英樹氏。当時の代表取締役で現取締役の久田哲史氏も、24歳。西田氏は、彼らの若さ、優秀さ、目標の高さにあっけにとられた。
「『ベンチャーで2回失敗しているので、本当に大丈夫なのか確認したい』と久田に話をしたら、『今こんな感じです』と、その場ですぐに会計ソフトの画面を見せてくれたのには驚きました。その後、非常勤監査役の会計の人に会い、役員全員の飲み会にも誘ってもらいましたが、そのたびに『いいな』と。最初は行く気もなかったのに。それでも『いいな』と思うのは、本当にいい会社だからだろうと直感的に思ったのです」
本音を言えば、その時Speeeが手がける事業が伸びるかどうか、査定するのは難しいと西田氏は感じていた。だが事業の査定はできなくても、経営チームの査定はできる気がした。
「彼らの若さ、優秀さ、目標の高さを見ていると、この会社は伸びると確信できた。当時すでに、久田、大塚のほかエンジニアのトップなど要職が揃っていましたし。そしてCFOだけがいない。僕が入れば“ピース”が埋まる感覚がありました。自分がSpeeeで働くイメージが湧いたのです」
株式会社Speee取締役 経営管理本部長西田 正孝
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