The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社チェンジ
取締役兼執行役員CFO山田 裕
「たくさんの経営者から様々な相談を受けて、会社の経営に貢献できる」会計事務所の仕事には、大きなやりがいを感じていたが、2007年、思わぬオファーが舞い込む。相手は高校の同級生、神保氏だった。「さらなる業容拡大に向けて管理部門を立ち上げたい。手伝ってほしい」と誘われたのだ。
「実は、チェンジには創業当初から、会計・税務のアウトソースを委託されていました。ですから、決算の打ち合わせで、ちょくちょく顔を出していたのですが、とにかく信じられないくらい頭の切れる人間が、たくさんいるのです。そういう人材を束ねている神保はすごいし、そんな彼が来いと言ってくれているのだから、思いきってチャレンジしてみようとお世話になることを決めました。今の僕があるのは、誘ってくれた神保のおかげです」
こうして山田氏は、人材育成とテクノロジーで、働く人々の生産性を飛躍的に向上させるチェンジに入社する。
当時、同社は順調に業容を拡大させていたのだが、入社翌年の08年、リーマンショックに襲われ、事業環境が一変してしまう。それから、雌伏して時が至るのを待ち、13年の暮れ、本格的にIPOを目指すことになった。
「本気で日本を“チェンジ”するなら、上場することで、より多くの人々に自分たちのサービスを届けたい。それが上場に向けたスタートラインでした」
上場プロジェクトの命を受けたとはいえ、もちろん経験があるわけではない。その時、山田氏が自らに言い聞かせたのは、「一人では何もできない」という“真理”だった。
「目的を達するためには、社内のスタッフはもちろん、証券会社も監査法人も弁護士もIPOコンサルタントにも本気になってもらう必要がある。それなくしてスムーズに進むほど、上場準備は甘いものじゃない。彼らは同じように上場を目指す会社をたくさん抱えています。そんな中で、『ここは上場させたい』と心底思ってもらわなければ、成功はおぼつかない、と」
そのために、大事にしたのは、“感謝の心”だと話す。
「自社のために難しい仕事をしてくれている人たちに、こちらも本気で感謝する。その気持ちが伝われば、もう“一人ではない”のです」
奮闘の甲斐あり、同社は16年9月に東証マザーズに上場を果たす。18年9月には、東証一部に指定替えとなった。
株式会社チェンジ取締役兼執行役員CFO山田 裕