The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社キューブ
取締役CFO小澤 拓
しかし、知人のつてでアパレルの企画、製造、販売を行うキューブの松村智明社長の面接を受けた小澤氏は、その方針を転換することになる。
「当社はゴルフアパレル『マーク&ロナ』をはじめとするブランドを展開しているのですが、トップ自らクリエイティブディレクターとして、それらを監修しているんですよ。クリエイションに長けていて、なおかつビジネスにこれだけハイレベルに落とし込める人は、そうはいない。この人だったら、自分が即バリューが出せるCFOとして支えていけば、面白いことが起きるのではないかと直感しました」
とはいえ、すでに15億円超の年商がありながら、「ルールはほぼない」状況。昨年10月にCFOとして迎えられて以降、「過去最高にやることが多く、難易度も高い」仕事をこなしてきた。
「ブランド発信に向けた組織・仕組みの構築が、現状課せられた使命です。人材採用も含めて今、トータル達成率30%というところでしょうか。組織やルールをつくったり変えたりする時に、上から『やれ』といっても、うまくはいきません。どうやって現場に納得してもらい事を進めていくのかというのが、一番骨の折れるところですね」
続けて「IPOは大事ですが、あくまでも通過点であり手段」だと話す。
「当社は、国内でもっとブランドを知ってもらうと同時に、アジアや北米などの海外に本格的に発信していく、という目標を掲げています。社長をサポートしながらそのステージを進んでいく仕事に、非常にやりがいを感じます。やり切った時に自分が何を考えているのかも、今から楽しみなんですよ」
振り返れば、人生の分岐点はいくつかあった。
「会計士になっていなければ今のポジションにはいないでしょうから、あの時目指してよかった。ここまでのキャリアで思うのは、会計士にとって、単なる数字ではなくビジネスを理解することが、いかに重要かということ。監査法人で上を目指すにせよ、外に出るにせよ、それを意識するかしないかで決定的な差になると、僕は感じます」
株式会社キューブ 取締役CFO小澤 拓