会計業界の起業人
税理士法人 髙野総合会計事務所
総括代表・公認会計士・税理士髙野 角司
25歳で会社を退職した髙野氏は、27歳で二次試験に合格。大学時代の恩師から紹介された会計士事務所を経て、監査法人池田昇一事務所(現新日本監査法人)の札幌事務所に入所した。
「そこでは、日通事件の特別監査に従事。札幌事務所が司令塔となり、全国の大手監査法人から100名以上の公認会計士を動員したため、彼らを通じて日本の監査状況を知り得ることができた。さらに東京事務所に転勤後は、会社更生法の適用を受け、戦後最大といわれた興人の倒産事件の特別監査にも関与。1500億円超という巨額な負債を抱えた原因調査や粉飾決算による役員の法律上の責任究明に伴う金額査定などについて、弁護士の先生方と議論を重ね再生に従事しました」
数年後、髙野氏は久保利英明弁護士との共著『会社更生最前線』を出版。当時、難解とされていた会社更生法の更生会社案件をドラマチックに執筆した専門書としてベストセラーとなった。
「会社が倒産したり、再生のための大規模なリストラが行われるとなれば、新聞やテレビで報道される。それを見た従業員の配偶者や子供の気持ちを考えたら、正直、きつい仕事です。ある企業の経理部長は、長年にわたって粉飾決算を強いられ、その顔面は心労でゆがんでいました。会社が法的整理を決断し、私たちがその再生業務に関与する時に最初にすること。それは、債権者の協力を得ることで、会社は再生できる可能性があるということを彼らにしっかりと説明し、勇気付けることなのです」
先の経理部長は、経営の実態がオープンにされたことで、心身共に健康な体に回復したという。
「それから間もなく、弁護士の姉夫婦が独立して東銀座に事務所を持つことになりまして。そこに、私の机と電話を置いてもらったのが個人事務所の始まり。当時は、監査法人も暗黙の了解をしてくれる良き時代でしたからね。監査法人のパートナーと個人事務所の両方の仕事をこなしていたのですが、徹夜と出張続きで、入院生活を余儀なくされてしまった。その後、健康は完全に取り戻したのですが、60歳を迎えて、さすがに二足のわらじはキツイかなと、監査法人を退職。東銀座のオフィスを現在の銀座に移し、事務所の代表業務に専念することにしました」
これからは、再生関連業務を受任する際など、何の制約も受けずに、弁護士や各方面からの依頼を受けられるようにしたい。そして、監査法人や金融機関の系列に属さない独立系事務所として、企業や個人の幅広いニーズに応えていこうと決めたという。
「そのためにも、どんな相手からも信頼される組織でなくてはならない。人として守らなければいけない信義もある。そこで誠実な仕事をやっていけば、信用や信頼は自然とついてくるはず」
その理念は、髙野総合グループとして成長し続ける今も変わらない。
税理士法人 髙野総合会計事務所総括代表・公認会計士・税理士髙野 角司
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