The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
データセクション株式会社取締役CFO
経営管理部部長望月 俊男
最初の大仕事は、東証マザーズ市場へのIPOである。いきなりやりたかった仕事の機会を得たのだが、当初3年後に照準を合わせていたその期限は、突然、大幅に前倒しされる。
「入った年の12月に同業他社が上場して、高い株価がついたんですね。当社に投資していたベンチャーキャピタルがそれを見て、『遡及でやろう』ということになったのです。監査法人との監査契約もまだという状態ですから、傍から見れば無茶な話。でも、社長に『望月、どう?』と聞かれて、『無理です』という選択肢はありません。すぐに覚悟を決めました」
年明けの正月三が日を休んだ後は、文字どおり不眠不休の毎日となる。
「“指し手”さえ大きく間違わなければ絶対に上がれる、という確信はありましたから、とにかく課題を取捨選択して、毎日ひたすら作業を進めました。忙しさ自体は、監査法人時代に十分経験していましたから、そんなに苦にはなりませんでしたよ」
奮闘が続く中、13年6月には、取締役CFOに就任。そして14年12月、見事上場を果たすのである。本格的な準備に入ってから1年弱という、“最短コース”のIPOだった。
監査法人から転身し、とりあえずの目標は成し遂げた。ただし、「まだ一つのプロジェクトを成功させたくらいの気持ち」だと望月氏は言う。
「CFOになって以降、経理以外の総務、人事、IRなども担当するようになりました。仕事の幅は広がり、とてもやりがいを感じます。ただ、本当に大事なのは、ここから自分自身がどれだけ成長して次のステップに行けるのかということ。会社としても、あえていえばまだマザーズに上場したばかりです。東証1部上場、時価総額1000億円達成というさらなるターゲットもクリアしながら、どんどん高みを目指していきたい」
紆余曲折も経て現在に至る望月氏だが、「自分の能力を試すことができるチャンスは、監査法人にいるよりも、外に出たほうがはるかに多い」と話す。「いろんな成功例が、これからたくさん出てくるはず。自分自身、そんな目標の一つになるんだという決意で、頑張っていきたいと思っているんですよ」
データセクション株式会社取締役CFO
経営管理部部長望月 俊男