The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社アスカネット
常務取締役 CFO功野 顕也
そこでもIPOを目指す企業を担当できたのは、功野氏にとって幸運だった。現在、個人写真集制作を主力とするアスカネットの担当になったのは転職後半年ほど経ってから。ある意味“運命の出会い”となった福田幸雄社長の第一印象は、「普通のオーナー経営者とはひと味違う」というものだった。
「こっちは20代。たいてい『経営も知らん若造が』というのが見え隠れするものなんですよ。でも社長はそれをおくびにも出さず、対等に議論してくれる。すごい人だ、と思いましたね」
当時、同社は設立してまだ3期目。
「社長がこれから何をしたいのか、から話を始め、そのイメージを基に組織デザインや将来の事業計画、IPOに必要な施策などを自分なりに勉強して提案し、それに対してまた率直な意見をいただく。けっこう丁々発止の議論になったりもしましたよ」
そうしたやり取りが続くなか、広島に帰って1年半後の99年3月、功野氏は監査法人を退職。「社長のパーソナリティを含む社風に惹かれた」同社の一員となり、IPOを目指す道を選ぶ。
「監査法人の担当は、あくまで目標を達成して万歳する人たちの横で拍手を送る立場。自分もあの輪の中に入り、当事者として涙を流したい、という気持ちがどんどん大きくなって。むろん事業が失敗する可能性もゼロではありませんでした。でもそうなったらなったで、そんな経験を“付加価値”にして法人に戻ればいい、と考えました。我ながら楽観的ですよねえ(笑)」
ちなみに福田社長からは、「ぜひともうちに」という、明確な“引き”はなかったのだそう。
「当然、一緒にやってくれるよね、というムードがじわじわ醸し出されて、気がつくと入社をOKしていた、という感じ。で、入社翌日には実印を渡された。びっくりしたけど、これだけ信頼されているんだ、と改めて気を引き締めました」
株式会社アスカネット常務取締役 CFO功野 顕也
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