The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
ミュージックセキュリティーズ株式会社
取締役管理部長讃岐 邦正
こうした経緯の末に就いた専門学校講師の職、実は“腰掛け”のつもりなどでは、まったくなかった。
「受験勉強をしていると、先生がカッコよく見えるんですよ。チャンスがあれば教えてみたいという気持ちは、もともとありました。やってみると、真剣そのものの生徒から反応がビンビン返ってきて、やりがいを感じましたね」
正式に兼業が認められていたのも、大きな魅力だった。独立して仕事をするためには格好の環境なのである。かくして講師業の傍ら、“いろんなこと”に乗り出していく。
TACに入って2年目、まず講師の先輩が設立したコンサルタント会社に、仲間数人とともに参加した。だが「若さもあって関係がギクシャクし」、2年ほどで離れることに。
その後、当時脚光を浴びつつあった不動産の証券化に特化した会計事務所から声がかかる。この時、証券化ビジネスを垣間見たことが、今につながる糧となった。
そうこうするうちに、讃岐氏に最大の転機が訪れた。友人に誘われ、ベンチャー企業の代表たちがプレゼンテーションを行うある集まりに顔を出した彼は、そこで発表者の側にいた同社の小松真実社長と出会ったのである。2004年のことだった。
「懇親会の席で名刺交換すると、後日連絡がありました。さっそく会社を訪ねると、少人数ながら若い従業員が一生懸命仕事をしていて熱気にあふれていました。こういう小規模で、これから伸びていきそうな会社からはいろんなことが学べそうだと興味がわいて、お手伝いすることにしました」
最初はボランティアに近かったが、またしても講師との“二足の草鞋”。いや、実はすぐに“三足の草鞋”に。04年末、都内で古着屋を開いていたのだ。
「どうしても社長になりたくて(笑)。簿記の授業でモデルになるような単純な商品売買業なんですけど、やってみたら土日も休めないし、儲からないし。妻から離婚をほのめかされて、1年半で撤退しました」
ミュージックセキュリティーズ株式会社取締役管理部長讃岐 邦正
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