公認会計士「研修出向制度」体験者リポート
エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ株式会社
グループ財務会計部門四社税務担当工藤 保浩
実際に税務の仕事に携わって、どうでしたか?
工藤当社はNTTグループの経理や人事・給与などの間接業務を担当するシェアードサービス会社で、私はグループ4社(NTT持株会社、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ)の税務決算業務をやらせていただいています。着任しての第一印象は、「なんて数字がデカいんだろう」ということ。一つひとつが何千億円の単位で、驚きました。
にもかかわらず、実際に業務を行っている方々は、税金費用を把握するための申告調整対象等について、それこそ1円単位までとことん調べられるわけです。企業風土も大きいと思うのですが、「重要性に乏しいものは簡便な会計処理も容認できる」という世界しか知らなかった私にとって、新鮮な驚きでした。
巨大企業の現場の苦労も実感できたわけですね。
工藤チェックする時は一瞬でも、それをつくり上げるまでには相当の時間と労力を要しているのだということがよくわかりました。まだ1年経ったばかりで見えない部分も多々ありますが、監査でチェックしてきた申告書の税額算定までのフローを体験できたのは、すごくいい勉強になったと実感しています。
あと、監査との違いを痛感したのは、税額算定をする側にいると、「数字を取りに」いかなければならないということです。監査はもらった書類を調べればいいのですが、ここでは社外の知らない人のところにも足を運んで情報収集をしないと、仕事にならない。受身ではなく、アグレッシブな問題解決能力が少しは身についたかなと思えるところも、出向してよかったと感じている点です。
今後の課題、目標を。
工藤税務のなかでも国際税務いわゆるタックスヘイブン対策税制について、主担当のかたちでやっています。1年目は手探りのところもありましたので、2年目の今年はより円滑に回していけるようにしたいというのが、当面の目標です。
この出向で、かじった程度とはいえ、実際の企業活動というものを経験することができました。外から注視する立場に加え、企業の中から見る視点を得られたのは大きかったと感じています。将来的には、この経験を生かして、より深く本質的なところから判断が下せる会計士、何よりも会社に喜んでもらえる会計士になりたいと、決意を新たにしています。
最後に、後進へのメッセージを。
工藤「出向してどうですか?」と後輩や同僚に聞かれることが多く、迷っている人がたくさんいるのだと感じています。キャリアプランを考えた時、3年間という出向期間に躊躇する気持ちもわかりますが、会社を知ることは長い目で見ればプラスになるはず。興味を感じる人は、積極的にチャレンジしてみるべきだと思います。
エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ株式会社グループ財務会計部門四社税務担当工藤 保浩
エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ株式会社取締役アカウンティング事業部長 内部監査士
NTTグループは、2010年に南アフリカのIT大手ディメンション・データを買収し、グローバル化を加速させた。IFRSや国際税制の大きな流れへの対応も、強く意識されてきた。そうした状況を踏まえ、会計、税務の専門家のスキル、ノウハウがぜひともほしいと考えていたところに、新日本有限責任監査法人から出向制度の提案があり、採用させていただくことにした。
一昨年、連結決算の部門に1人入ってもらっており、工藤さんは2人目だ。会計士というと「先生」のイメージがあり、最初は溶け込んでもらえるか不安もあったのだが、両人とも仲間意識を持って働いてくれており、期待どおりの戦力になっているだけでなく、周囲のいい刺激にもなっている。
3年という出向期間は、本人たちにとっても我々にとってもベストなのではないか。退社後のパフォーマンスのダウンは痛いが、そこは残った人間が力をつけてカバーする。その繰り返しで、組織としての実力を蓄えたい。継続的に採用したいと考えている。