The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社デジタルハーツ
専務取締役 管理本部管掌中野 剛
ずっと経営コンサルタントになって経営者を支援したいという思いが強かった。しかし、零細な個人事業の経験しかない。もう少し規模が大きく、経営の手応えがつかめる会社に経理や財務の責任者として入社し、経験を積みつつトップを支えようと考えた。事業会社で会計士補の力を生かすには、上場サポートの仕事が最適。そして、自分なりに上場する企業に必要な要素は、成長性、事業の“新奇性”、それに社会性の3つであると割り出した。
「上場を目指す、ある企業にいったん入社したのですが、予想とは違っていた。3つの要素に加え、トップの熱意や人間性が重要だと痛感しました。そしてもう一度意中の会社を探すため、複数の人材紹介会社に依頼しました」
二十数社に足を運んだが、どこにもそのような会社はなく、経営者もいなかった。一度、中野氏の心は折れかけた。そして、ある人材紹介会社から打診された高待遇の外資系金融機関への入社を決める。半ば人生をあきらめたような気分で……。ところが、このことを知ったヘッドハンターから、一本の連絡が入った。その担当者は、次のように言った。
「中野さんにぴったりの会社が見つかった。先方の社長には、内定が出ている人だと言ってあるが、それでも会ってみたいと言っている。冷やかしでもいいから、一度会ってみてくれないか」
その会社が、デジタルハーツ。創業者である宮澤栄一氏と面会し、事業や上場への思いなどを質した中野氏は、宮澤氏に“惚れて”しまった。
「上場に値する3要件を満たしているうえに、宮澤の誠実さと上場への熱意に感銘を受けました。上場を目指すのは、資金調達以上に、会社を成長させ雇用を生み出し、従業員を幸せにするためなのだと。自分の直感も含め、この人物なら自分の職業人生を賭してもいいと確信できたのです」
一方の宮澤氏も、実は優秀なCFOを探して二十数人と面接していた。そして、中野氏が社長室のドアを開けた瞬間、「この人だ!」と思ったという。中野氏は、この話を後になって聞かされた。まさに運命的な出会い――。
株式会社デジタルハーツ専務取締役 管理本部管掌中野 剛
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