熱き会計人の転機
株式会社ケップル
代表取締役CEO神先 孝裕
2015年にスタートアップ、投資家の支援事業を展開する株式会社ケップルを創業されました。どんな事業を?
神先投資家とそのチームがオンラインで日々の投資活動の状況を一元管理できる「FUNDBOARD」というプロダクトの開発が最初です。現在は、投資家向けのファンド運営支援、事業会社のオープンイノベーション活動支援、スタートアップへの資金提供(投資)といった3つの事業を中心に展開しています。スタートアップ、投資家の両方を支援することで、スタートアップエコシステム全体の発展に貢献しています。
18年にはアフリカのスタートアップを支援するグループ会社、ケップルアフリカベンチャーズを立ち上げました。私たちのミッションは「Create New Indus-tries 世界に新たな産業を」であり、海外展開は創業時から決めていたことでした。しかし、外国人が現地で事業を起こすのは大変です。ならば現地企業に資金や投資家ネットワークを提供すればいいと考えました。
「なぜアフリカ?」と聞かれることも多いです。その答えは、解決すべき社会問題が多く、スタートアップによる解決が期待できるから。その意味では、ケップルアフリカベンチャーズは当社のミッションにとってむしろ“ど真ん中”。ちなみに、20年には、アフリカでもっともアクティブなVCランキングの1位を獲得しています。
一例を挙げましょう。私たちが支援しているアフリカのスタートアップは、これまで銀行口座を持てなかった人が口座を持って、スマートフォンでお金のやり取りができるインフラを構築しています。スタートアップが、自国の人々の不満と不便を解消した好例です。
これからの事業展開は?
神先日本の成長力が減退している今、日本はもっと世界の成長マーケットにアクセスする必要があると感じています。例えばアフリカの企業に日本から投資をし、そのリターンをいただく。当社が世界のスタートアップと日本の投資家のブリッジ役になれたらと考えています。
経営者になるという夢を叶えた今、何を思いますか?
神先やっと楽しくなってきたなと(笑)。サッカーを諦めてこの会社をつくるまでの10年間、正直、人生を懸ける何かを見失っていた気がします。でもその間に、会計士としてのスキル、経験、信頼を積み重ねてきたことが経営者としての大きな財産となっていることは間違いない。大勝負はこれからです。
若き会計士にアドバイスを。
神先会計士になれただけでもチャレンジングなことです。人生を懸けたいものが見つかったなら、守りに入らないで、素直に挑戦してほしいと思います。
株式会社ケップル代表取締役CEO神先 孝裕
株式会社ケップル
神先は“この指とまれ”が非常にうまいですね。人がまだ見いだしていない未来を描き、その実現のために仲間を巻き込んでいく手腕にかけては天才的だと思います。また公認会計士というと普通、他者がつくった数字を扱う仕事と考えられがちですが、神先の場合は自分で数字をつくることに強い関心があります。それも、効率よく数字をつくることより、まだ誰もやっていない事業で社会に影響を与えることに懸けている。やりたいことがはっきりした、ビジョナリーな経営者ですね。神先と同じく公認会計士という枠組みに縛られず、ビジネスを通じて何か大きなことを成し遂げたいという強い思いを持たれた方にとっては、稀有でエキサイティングな経験が得られる非常に面白い会社です。