The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
デジタルアーツ株式会社取締役
管理部部長赤澤 栄信
縁があったのは、ネットセキュリティに携わるデジタルアーツ。東証1部への指定替えを果たしたばかりだった。「財務諸表を見ると、本業に専念した堅実な経営を貫いていることがわかりました。事業の将来性も十分。ここで頑張ってみようとすぐに決断しました」
14年7月に管理部長として入社、15年6月に取締役に昇格した。経理、財務、税務のほか法務、IRも管轄する。
ひとまず「CFOに」という目標を達した赤澤氏だが、「まだスタート地点に立ったばかり。目指すものはまだずっと先にあります」と話す。
「僕の仕事は、この会社の企業価値を高めることに尽きると思っています。そのためにも、まずトップが会社をどう持っていきたいのかを正確に把握して、その道筋を具体的な数字に落とし込んだり、有用な投資のための旗振りをしたり。そうしたかたちで成長に貢献していきたいですね」
あるべきリーダーシップについて尋ねると、「今あるリソースを最大限に生かすこと」が答えだった。
「メンバーに対しては、基本的に“任せる”スタンスをとっているんですよ。締め付けがきつすぎると、何でもかんでも『どうしましょうか』とお伺いを立てられることになってしまうでしょう。それでは僕も楽しくない。できるだけ自由に仕事のできる環境を整えつつ、本当に判断に迷う局面だけ頼りにしてもらえるような仕組みができれば、仕事はうまく回ると思っています」
そのためにも「とにかくいろんな話をして、自分という人間をわかってもらうこと。かつ相手の話を注意深く、よく聞くこと」を心がけているそうだ。「大事なのは正しい情報を得る、事実をつまびらかにすることです。それができれば、おのずと『どうすればいいか』の答えは出るものなんですよ」
目下の課題は、「拠点づくりを始めた海外とも、そうしたコミュニケーションを構築すること」である。
「現地採用が基本なので、話の相手はネイティブばかり。スカイプなどで対話すると、自分の英語力の未熟さを痛感させられるのです。もっと円滑にやり取りできるようになれば、グローバルな成長をより加速させられるはず」
オンライン英会話なども活用して、猛特訓の日々だという。
CFOを夢見る若き会計人も多いだろう。最後にメッセージを聞いた。
「難関の試験を突破し、毎日厳しい仕事をやり遂げていることに、まずは自信を持ってほしい。高い目標を掲げると、『無理だろう』『今のままでいいではないか』など“雑音”も入ってくるもの。あえてそれには耳をふさぎ、自分の信じる道に進んでもらいたいんですよ。頑張っていれば、周囲の目は一晩で変わることもあるのですから」
デジタルアーツ株式会社取締役
管理部部長赤澤 栄信