会計業界の起業人
税理士法人 髙野総合会計事務所
総括代表・公認会計士・税理士髙野 角司
事務所開設から35年という節目を迎えた髙野角司氏は、昨年、髙野総合会計事務所を税理士法人へと組織変更。同時に、髙野総合グループとして、髙野総合コンサルティング㈱と監査法人TSKを設立し、東京・銀座に250坪の事務所を確保。50名の公認会計士・税理士・アシスタントらと共に、さらなる進化を目指すことにした。
「監査法人にいた時から、大型の企業再生や組織再編といった案件に数多く携わりましたからね。国税庁や法律事務所、金融機関との接点も多かった。そこで、これまで培った経験や人脈をより広いフィールドで発揮して、複雑化・高度化する時代のニーズに応えていこうと考えたのです」
そこで求められるのは、経営・財務のコンサルティング業務を含めた包括的な問題解決能力。同事務所は、大手税理士法人や監査法人、コンサルタント法人などには類のない、元国税局長や元税務署長、資料調査課といった課税・審理部門出身者、検察庁OBなどで構成される顧問団のアドバイスを受けながら、税務課題を含む多様な再生案件を手掛ける。
「いかなる局面にあっても、顧客の立場に立ち、最善を尽くしたい。公認会計士になって以来、『信頼・信用・信義』を信条とし、顧客や社会に広く貢献できる会計プロフェッションとしてあり続けたいと考えていました」
出身地は、かつてニシン漁で栄えた北海道増毛町(ましけちょう)。実家は一時、ニシン漁の網元を生業とし、髙野氏は7人姉弟の3番目、長男として生まれ育った。
「当時は、4人の番頭の下に200人以上の従業員を抱え、父は本州方面にニシンや数の子などの加工品を手広く販売。それなりの財をなしました。ところが、私が小学生になった頃から不漁が続き、家業は倒産。家財道具はすべて差し押さえ処分されてしまった」
以来、父親からは「何でもいいから、自活できるライセンスを取れ。身に付けた知識や技術は一生モノの財産だ」と叩きこまれた。そんな教えに、いち早く答えたのが8歳上の姉だった。
「私が大学生の時に、姉が司法試験に合格しましてね。その後、化学メーカの営業として働いていた私に、あなたも公認会計士の資格でも取れば、と。大学は商学部だったし、金融系のゼミにも所属していましたから、頑張れば何とかなるかもしれないと会社を退職。公認会計士を目指すことにしました」
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税理士法人 髙野総合会計事務所総括代表・公認会計士・税理士髙野 角司
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