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Accountant's magazine vol.3

-アカウンタンツマガジン-
2010年12月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

第3回「試験制度の見直しを提言する」

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)
顧問金児 昭

ちょうど30歳の時、ある方の勧めで中央大学経理研究所高等経理科を受講し、丸3年、毎日会社帰りに通った。初めの2年間は講義の中身がチンプンカンプン。その講座が公認会計士試験の準備を目的としたものだったことさえ、ずっと後になって気付くありさまだった。しかし、こちらも経理・財務のプロを目指す卵である。一念発起して会計士試験にチャレンジした。結果は、3回受けてすべて不合格。四半世紀のちの1994年、57歳にして公認会計士試験の試験委員となり、任期の3年を終えた時、私は「試験に落ちっぱなしの試験委員」として有名になった。

だから、というわけではもちろんないが、現在の公認会計士試験は問題山積である。わが国「会計士業界」の弱点、あえて言えば歪みのルーツは、この公認会計士試験制度そのものにあると、私は思っている。

ある時、並み居る監査法人の幹部の方々を前に、若い公認会計士がどうして一般企業に採用されにくいのかをテーマに講演したことがある。企業側から見た最大の理由を、私は次のように述べた。
「難関の公認会計士試験に合格した自分は、普通に採用されたほかの社員とはレベルが違う―。そういう意識を持った人間は、必ず会社の風土を壊すに違いないと、会社の採用担当者は考えます。会社にとって、敬遠したい人物なのです」と。

若い会計士が「自分は特別だ」と考えるのは、公認会計士試験が極めて「難関」であることの裏返し。だが、難関大学を卒業した人間が、すべからく仕事のできる人間か、世の中の役に立つ人物なのかの答えは、日本の官僚組織の「悪い部分」(良い部分もたくさんあるが)を眺めれば明らかだろう。「公認会計士試験に合格した=他人より仕事ができるお墨付きをいただいた」などという公式は成り立たない。そもそも、会計士試験が難しいのは「当然」で、「必要な」ことなのだろうか?これに対する私の答えも、「ノー」である。

論より証拠、たとえば米国の公認会計士試験は、日本よりもずっとやさしい。「難しめの運転免許」といったレベルと言えばいいだろうか。資格を手にした米国の会計士は、米国国内だけでなく、欧州でもアジアでも十分「通用」する。他方、難関を突破したはずの日本の会計士はどうか……これは読者の皆さんならご存知だろう。厳しい言い方だが、日本の会計士に、国際舞台での活躍の場は少ないのが実情だ。試験に出る「監査」だけを学んで、企業の現場の勉強がかなり不足しているからである。

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Profile

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁) 顧問 金児 昭

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)顧問金児 昭

1936年生まれ。東京大学農学部卒業後、信越化学工業に入社。以来38年間、経理・財務部門の実務一筋。前金融監督庁(現金融庁)顧問や公認会計士試験委員などを歴任。現・日本CFO(経理・財務責任者)協会最高顧問。著書は2010年1月現在で、共著・編著・監修を含めて120冊。社交ダンス教師の資格も持つ。

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