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Accountant's magazine vol.2

-アカウンタンツマガジン-
2010年10月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

第2回「日本と欧米の会計士の違い」

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)
顧問金児 昭

第1回でも述べたが、企業経営を100とした場合、その中で経理・財務が占めるウエートは“2”程度で、公認会計士が法規の遵守、監査に携わる「財務会計」はさらにその2割、100分の0.4ぐらいにすぎないというのが、私の持論である。ただし、誤解しないでいただきたい。私は、公認会計士が企業の中で力を発揮できる場は、全体の0.5%にも満たないと言いたくて、こんな数字を持ち出しているのではない。

公認会計士の仕事は、まず会計監査。日本では誰もが当たり前だと思うこの「常識」が、欧米では通用しない。欧米の公認会計士は、監査のほかに税務、M&A、経営コンサルタントという、合わせて4つの「仕事」を幅広く、自由に担当している。

いい職場を得るのは、“自由競争”だ。仕事をしたい企業に対し、会計士が自らを売り込む。企業の側はその人物の力量をにらんで、採用を決める。「会計士にお願いして監査をしていただく」というのとは正反対の“力関係”が、そこにはある。監査業務には、当然のことながら法的な縛りがかかるが、あとの3つは、仕事の“自由度”が格段に高いのが大きな違いだ。そのぶん、企業というものに対する、深い知識と理解も要求されることになる。そうやって、公認会計士の「企業人」としての能力が磨かれていくのである。

日本では、大企業でも公認会計士資格を持った社員は、数えるほどしかいないのが普通だ。一方、欧米の中堅以上と目される企業には、言葉は悪いがゴロゴロいる。それだけではなく、CFO(最高「経理・財務」責任者)や、トレジャラー(経理・財務部長)のほとんどが公認会計士だ。会計士が監査だけにこだわることなく、税務やM&Aやコンサルティング業に積極的に「進出」しているからこそ可能になった、“うらやましい”現実である。

そんな状況をつくるためには、日本の現行の資格試験制度の再考といった、社会的なシステム整備も必要だろう。受け入れる企業の意識改革も求められよう。しかし、まずは会計士の側が現状を変えるために“企業の利益向上業務のための勉強”へ一歩を踏み出すべきではないかと私は思う。

そうした意味で、今年春から注目すべき取り組みが始まっている。新日本有限責任監査法人が、2012年度までに自社の抱える公認会計士を、100人規模で企業に出向させる取り組みをスタートさせた。出向期間は3年間で、この4月の20人を皮切りに、順次送る計画となっている。

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Profile

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁) 顧問 金児 昭

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)顧問金児 昭

1936年生まれ。東京大学農学部卒業後、信越化学工業に入社。以来38年間、経理・財務部門の実務一筋。前金融監督庁(現金融庁)顧問や公認会計士試験委員などを歴任。現・日本CFO(経理・財務責任者)協会最高顧問。著書は2010年1月現在で、共著・編著・監修を含めて115冊。社交ダンス教師の資格も持つ。

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