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Accountant's magazine vol.64

-アカウンタンツマガジン-
2022年01月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

「ガバナンス強化に逆行する機関設計にもの申す!」

大原大学院大学 会計研究科 教授
青山学院大学 名誉教授 博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

我が国の株式会社の機関設計には、「監査役会設置会社」「指名委員会等設置会社」「監査等委員会設置会社」の3つがある。“ガバナンスの強化”を主眼に新たな仕組みが考案され、会社が選択的に導入してきた結果なのだが、その内実を見れば課題山積と言わざるを得ない。

監査役会設置会社では、多くの執行担当の取締役を取締役会が“監督”する。そのため執行と監視・監督が未分離な形態となることに加え、業務執行を担う取締役を“監査”する監査役も、株主の負託に応える役割を果たしていないとの批判が長年にわたり繰り返されてきた。

こうした批判を克服すべく、2002年の商法改正で、執行と監視・監督を分離することで米国型の実効性の高いガバナンスを備えた、と謳う指名委員会等設置会社が登場する。これには、取締役会内委員会として指名委員会、報酬委員会、監査委員会が設けられた。

ただ、3つの委員会が必置とされたことで、様々な意味で企業の負担が高まった(当時の米国では監査委員会のみ必置)。とりわけ、社外取締役が多数の指名委員会によって後継者選びが実行されるという状況は、多くの経営者にとって受け入れ難いものだった。その結果、この制度の採用は、導入後20年経った現在でも4000社弱ある上場企業のうち七十数社にとどまっている。

そうした現状を鑑みて、14年の会社法改正で設けられたのが、監査等委員会のみを必置とする監査等委員会設置会社である。ある意味、執行と監視・監督を分離した指名委員会等設置会社と、我が国伝統の監査役会設置会社のハイブリッドで、社外監査役を社外取締役に置き換えれば事足りるということから、企業の負担は大幅に軽減される。私は、「上場企業は、雪崩を打ってここに移行するだろう」と予言したのだが、案の定わずか5年ほどの間に、約1200社がこの機関設計を導入したのである。

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大原大学院大学 会計研究科 教授 青山学院大学 名誉教授  博士(プロフェッショナル会計学) 八田 進二

大原大学院大学 会計研究科 教授青山学院大学 名誉教授 博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。博士(プロフェッショナル会計学・青山学院大学)。青山学院大学経営学部教授、同大学院会計プロフェッション研究科教授を経て、名誉教授に。 2018年4月、大原大学院大学会計研究科教授。日本監査研究学会会長、日本内部統制研究学会会長、金融庁企業会計審議会委員等を歴任し、職業倫理、内部統制、ガバナンスなどの研究分野で活躍。

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