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Accountant's magazineとは

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Accountant's magazine vol.36

-アカウンタンツマガジン-
2016年06月01日発行

会計士の肖像

「「面白そうだ」との直感を信じ、様々な挑戦をし続けてきた。「好奇心+会計」のベースが引き寄せてくれた充実人生」

渡辺公認会計士事務所/税理士法人優和
渡辺 俊之

独立し税務に携わる。やがて共同事務所を設立

75年、前年に公認会計士第三次試験に合格し、監査法人内での役割もいよいよ重きを増そうかというタイミングで渡辺は退所し、個人事務所(渡辺俊之公認会計士事務所)を設立した。以来、自身が監査専業→監査・税務兼業→税務専業→監査に傾斜→再び税務・監査兼業――と個人史に記すような“事業遍歴”を重ねていくことになる。入所4年目、ちょうど30歳の決断の動機は、何だったのだろうか。

もともと飽きっぽい……というと語弊がありますね(笑)。基本的に“新し物好き”なんですよ、私は。何か面白い仕事ができそうになると、あまり迷うことなくそっちに行く。監査の仕事は楽しかったけれど、つまるところ他人の行為の検証で、あんまり創造性がないのかな、コンサルティングサービスなんていうのも面白そうだな、という気持ちも芽生えてきて。要するにそろそろ違うこともやってみたいと思ったのが、転身の一番の理由です。

とはいえ、食べていかなくてはなりませんからね。個人でもできる税務の仕事を始める一方、引き続き補助者の立場で監査法人の監査業務を手伝わせてもらいました。

次に転機が訪れたのは、39歳の時でした。私と同じように千代田事務所を辞めていた京都の先生から、「会計士の共同事務所をつくろう」と声がかかったんですよ。「若い人間を集めて、既存の監査法人とは違う何かをやらないか」と。面白そうじゃないですか(笑)。そこで、東京側の事務所の取りまとめを引き受けました。結局、東京、京都、大阪、名古屋のほか福岡、札幌などの会計士も加わって、総勢19事務所で「優和公認会計士共同事務所」を設立したのです。

このタイミングで法人の監査業務からは退き、新たな取り組みに完全にシフト。そして「今までの監査法人にない組織」構築に向けてアイデアを出し合い、研修なども始めました。

ところが、仕事というものは、往々にして予期せぬ方向に転がっていくものです。共同事務所をつくった80年代半ば、「一人医療法人制度」ができて、その設立ラッシュが訪れたり、事業承継対策が切実なテーマになったりと、税務関連の案件がどんどん増えたんですよ。気づいたら業務は税務オンリーになっていたのです。

独立して以降、税務でもいろんな経験をさせてもらいましたね。最初の十数年は、税務申告書も自分で作成していました。手書きだから朝の6時頃起きてやらないと間に合わない。ずいぶん苦労もしたけれど、後から考えると、それで税務を覚えたようなものです。上場企業の監査と違い、税務で向き合うのは、中小企業の経営者。中には、明日にも首を括っちゃうんじゃないかというような苦境の人もいて、文字どおり苦楽を共にする感覚です。彼らからは税金問題に限らず経営のあれこれについて、とにかく頼りにされる。親身になって頑張っていると、役に立っていることが実感できる。そこが、税務の仕事の一番のやりがいですね。

「このまま税務中心で行こうか」と考えていた渡辺だったが、ある時、「補助者ではなく責任者ならば、監査もいいな」と気持ちは動く。大きなきっかけは、95年から日本公認会計士協会の理事を務めたことだった。

最初は「とても時間は割けない」と断ったんですよ。ところが、その後、東京会の副会長になった繁田勝男先生に夜中まで説得され、結局OKしました。考えてみたら、協会の理事がどんなものなのかは、やってみなければわからない。ここでも「とにかく挑戦してみよう」の精神が勝ったわけです。

結果的に、その判断は“当たり”でした。ほぼ10年間、監査から遠ざかっていたけれど、理事になったとたん、最新情報が入ってくる。会計監査というものが、いかに経済社会の重要なインフラであるかを、再認識させられました。ブランクがなかったら、あんなに新鮮な気持ちになれたかどうか。

ともあれ、そうなると会計士としての血が騒ぐというか……。50歳という年齢を考えても、もう一度監査をやるなら今しかないと、またしても方向転換を決意したのです。

最初のクライアントは、労働組合でしたね。その後、公益法人、大学、金融機関など、徐々にお客さまの裾野が広がりました。ただし、自分だけですべてを抱えることはできません。学校法人の監査だったら誰、金融機関は彼というふうに、知己の会計士と組んで仕事をすることが多かったですね。うまくやれたのは、そういう仲間たちがたくさんいたおかげでもあります。

この連載に登場された歴代の先生方と違い、私は大きな事務所を率いる組織的な拡大志向はありませんが、誇れるものがあるとしたら、公益法人に関しては誰にも負けないという自信です。3分冊、3000ページのボリュームの実務本(加除式『一般・公益社団・財団法人の実務』新日本法規出版)の執筆・編集に中心的にかかわったり、政府系委員会の委員をさせていただいての人脈の広がりがあったり。そんな地歩が築けたのも、この頃取り組んだ仕事のおかげなんですよ。公益認定作業は本当にたくさんやらせていただきました。

Profile

渡辺公認会計士事務所/税理士法人優和 渡辺 俊之

渡辺公認会計士事務所/税理士法人優和渡辺 俊之

1944年11月30日
埼玉県行田市生まれ
1968年3月
早稲田大学第一商学部卒業
1970年10月
公認会計士第二次試験合格
1971年4月
監査法人千代田事務所(後の中央青山監査法人)入所
1974年8月
公認会計士登録
1975年4月
渡辺公認会計士事務所設立
1984年2月
優和公認会計士共同事務所(現優和会計人グループ)設立
2004年4月
税理士法人優和設立

[業界活動など]
日本公認会計士協会常務理事、自動車リサイクル法:資金管理業務諮問委員会・委員、前田建設工業株式会社・社外監査役、港区包括外部監査人、公益財団法人ニッセイ文化振興財団(日生劇場)監事、一般社団法人全国清涼飲料工業会監事、公認会計士稲門会会長ほか多数

[主な編著書]
『伸びる会社のズルいお金の使い方』(幻冬舎)、『加除式 一般・公益社団・財団法人の実務-法務・会計・税務-』(新日本法規出版)、『加除式不動産有効活用の実務と対策』(第一法規出版)、『Q&A公益法人の運営と会計・税務』(新日本法規出版)、『Q&A中間法人の設立・運営の実務』(新日本法規出版)ほか多数

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