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「アジア13市場17拠点に事業を拡大し、超急成長。アジアを代表する企業へ!」
AnyMind Japan株式会社
Finance
経理・財務最前線
双日株式会社主計部
主計部の直面する課題として櫛引氏が挙げるのが、IFRSの早期導入だ。
「当社の場合、462社ある連結対象会社のうち335社が海外の関係会社という構成です。いっそうグローバルな事業展開を目指していますから、当然ながらさらに海外の事業は増えてくる。日本以外はほとんど国際会計基準が採用されている以上、IFRSの議論は各国での事業推進には欠かせないものとなっています」
一昨年、それまで日常業務と兼任で進めていたIFRS導入準備の体制を改め、10人程度の専任スタッフによるプロジェクトチームが主計部内に立ち上げられた。うち1名は公認会計士資格を持つ。「このプロジェクトには、会計のプロのスキルが必要だと判断して、中途採用した」のである。
もちろん、先ほど述べた中期経営計画への貢献も、主計部の重要な任務になる。
「1800億円の投融資が実行に移されれば、今まで以上に多くの、そして重要な案件が上がってくるでしょう。それらに対して、経理面でのアドバイスがより的確にできる体制を、しっかり整えなければいけないと考えています」
ところで、総勢46名のうち16人が女性と、その比率が高いのも同主計部の特徴といえる。
「IFRSのチームリーダーも女性です。理論的、かつ実際の経理処理能力も非常に高く、組織全体で、そのパワーをぞんぶんに生かせる環境づくりに力を入れたい」と櫛引氏。
「欧米だけでなく、新興国、あるいはアフリカなどをターゲットとする案件が今後ますます増えてくると思います。必要とされる言語も、英語に限らない。商社のビジネスをフォローするためには、生で海外に触れ、学ぶことも大事になります」
スキルアップに向けた海外研修の充実、人材交流の活発化も、その念頭にあるようだ。
部長櫛引 雅亮
1983年、早稲田大学法学部卒業後、双日株式会社(当時は日商岩井)入社。経理部に配属される。6年半後、主計部に移り、非営業部門の経理、主計課で全社決算を経験し、92年より7年間アメリカに駐在する。99年に帰国し、主計部に着任。2007年より同部部長。