事務所探訪
監査法人アヴァンティア
中国関連の業務を強化すべく、現地での人材採用にも積極的。昨年は日本語学科を卒業した中国人大学生3名を採用。東京のオフィスで3年間勤務させる体制を取り、日中をブリッジする人材の育成を目指す。
「来日してわずか2カ月で簿記二級試験に合格したメンバーもいます。中国人スタッフの勉学意欲には驚かされるばかりです。現地で雇用する従来型の採用体制ではなく、日本の監査業務に触れながら成長してくれたら、日中を結ぶ有力なパートナーになってもらえるでしょう」
会計事務所で構成される国際ネットワーク「International Accounting & Audit Network」(通称「I2AN」)にも加盟。2005年に先行してIFRSを導入したEU諸国の会計事務所と国際会計基準の知見、導入事例について情報収集、意見交換を行っている。
「国際基準に対応する先進事例はヨーロッパから吸収できていますが、将来的には会計ルール、会計新処理の先進国であるアメリカにも拠点を確保し、会計の新潮流をつかんでいければ」
中国、ヨーロッパとのパイプをベースに、アメリカへの拠点づくりを目指す。国内外の情報を高度に収集し、経営サポート力を弛めず磨き続けるアヴァンティア。そもそも、社名の「アヴァンティア」はイタリア語の「前進」に由来し、サッカーのフォワードの意味も持つ。
「私たちが社会のインフラとして必要とされ続けるためには、現状に安住せず常に前進し続けよう、業界で決定力を発揮しよう、という意味を込めました」
そんな少数精鋭集団は、変革期にある会計業界で、キラリと光る存在感を発揮している。
監査法人アヴァンティア小笠原 直
小笠原氏は第一勧業銀行(現みずほコーポレート銀行)に入行後、太陽監査法人(現太陽ASG有限責任監査法人)入所。代表社員を経て2008年アヴァンティアを設立。現場での業務に務めるかたわら、独立行政法人の監事や評価委員などの公的業務にも従事。元公認会計士修了考査試験委員。著書に『監査法人の原点』(幻冬舎)など
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