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経理の転職、20代・30代・40代で何が変わる?現役エージェントに本音を聞いてみた

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2026年10月8日 ジャスネットキャリア編集部

「経理に転職したいけれど、年齢で不利になるのでは?」「20代・30代・40代で、企業から求められることはどう違うの?」——経理への転職を考える方から、こうした年代にまつわる不安の声をよく耳にします。実際のところ、年代によって転職市場の景色はどのように変わるのでしょうか。

今回は、上場準備企業からグロース市場の企業まで幅広く担当するジャスネットの現役エージェントに取材。20代のポテンシャル採用の実態から、30代の即戦力としてのアピール方法、40代のキャリアの選択肢まで、現場で見えているリアルな市場感覚を本音で聞きました。

今回お話を伺ったのは

ジャスネットコミュニケーションズ
エージェント
K・I

会計事務所での勤務経験を経て、ジャスネットに入社し5年目。上場企業から中小企業まで、幅広い規模の正社員紹介を経験し、現在はIPO・グロース市場のクライアント企業を中心に担当。性別・年代を問わず、幅広い求職者から信頼を寄せられている。

経理の転職市場、年代でどう変わるのか

――まず総論として伺いたいのですが、経理の転職市場において、年代によって求められるものはどう変わってくるのでしょうか。

結論からお伝えすると、 年代にかかわらず「企業が期待する能力に応えられるかどうか」がすべて だと思っています。その能力は経験に裏付けられていくものなので、経験を積んだ40代の方が20代よりも需要が高い場面はよくありますし、「この業務ができる人であれば年齢は問いません」というオファーであれば、年代そのものが関係なくなることもあります。

一方で、「年齢に見合うだけの経験が積まれていない」という理由で選考が通らないケースがあるのも事実です。ただ、実感としては、求職者の方が想像しているほど40代中盤くらいまでは年齢そのものを気にする必要はないと感じています。

――年代を気にしすぎなくてもよい、というのは意外です。

はい。大切なのは ご自身がどんなキャリアを望んでいるか です。20代のうちでないと現実的に難しい働き方や役割などがあるのは事実ですが、逆に40代・50代になってからでも十分需要がある働き方もあります。年代という軸だけで自分の可能性を狭めてしまうのは、少しもったいないと思います。

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20代の経理転職のリアル

――まず20代についてです。未経験からでもポテンシャルで採用されることも可能というイメージがありますが、実際のところはいかがでしょうか。

そのイメージは実態に近いと思います。ただし、営業や販売などまったく異なる職種から経理に転職する場合には、 コミュニケーション能力と事務処理能力 は求められると思います。例えばエクセルにまったく触れたことがない、という状態だと厳しいかもしれません。会社で働くうえで必要な基本的なパソコンスキルと、多少なりとも数字に触れてきた経験があると安心です。

――資格については、どの程度重視されますか。

日商簿記3級はあくまで最低限、というのが正直な印象です。 日商簿記2級を取得して、やっとスタートラインに立てる という感覚に近いですね。というのも、「未経験から本当に経理をやりたいのであれば、簿記2級まで取得してから来るはずだ」と考える企業も多いからです。転職活動を始めるまでに、できれば2級までの取得を目指していただきたいです。

簿記以外にも、英語力や、公認会計士の短答式試験合格、税理士試験の科目合格などがあれば、アピール材料になります。ただし、資格の勉強をしていたものの合格には至っていない、という場合は、それ単体では強い売りにはなりにくいかもしれません。それでも、「なぜ挑戦したのか」「そこで何を得たのか」というエピソードとして語れれば、応募時点からの本気度を示す材料になります。 未経験の方は、そうした小さなエピソードを積み重ねて、経理への熱意を伝えていく必要があります。

――逆に、20代の転職で難しさを感じるのはどのような方ですか。

コミュニケーションに不安のある方は、やや苦戦しやすい印象です。「やる気があります」「経理をやりたいです」という気持ちだけで通用するのは、20代前半までだと思います。企業側が懸念しているのは、「本当にできるのか」「入社後に、思っていたのと違うと感じて辞めてしまわないか」という点です。ですから、経理に限らず、これまでの仕事でどんなことに工夫して取り組んできたか、 仕事に対する真摯な姿勢が、経理の経験以前に身についているかどうか、 が重要な判断材料になります。

――20代向けの求人には、どのような傾向があるのでしょうか。

新卒採用にも力を入れられる体力のある会社では、20代の若手そのものよりも、会計士を目指していたような専門性の高さを買って採用するケースがあります。一方、一般的な企業では、シンプルに「いい若手であれば採用したい」という温度感が多いです。

具体的には、大手企業であれば「会計士試験の短答式に合格していればOK」「〇年程度の経理経験があればOK」「金融機関出身であればOK」といった形で、一定の要件が設定されていることが多いです。まだ上場していないもののIPO準備を進めているようなフェーズの企業では、人員を増やしていきながら若手と一緒に育っていきたいという求人が目立ちます。逆に規模の小さい企業では、経験の少ない20代はあまり募集の対象にならない傾向がありますね。ある程度の経理経験のある人材に任せたい、という考え方が強いためです。

また、会計事務所では未経験OKの求人が実際に多い印象です。人手が増えるほど受けられる仕事が増え、売上にもつながりますし、先輩の姿を見て育つ社風があるためです。

――会計事務所が身近ではない一般の方も多いと思います。経理への転職と結びつかない方もいるのではないでしょうか。

そうですね。確かに経理と会計事務所は、仕事内容や違いなどが一般の方にはイメージがつきにくい部分があると思います。実際にご紹介しても、「未経験OKの求人は会計事務所が多いので、気になってはいたのですが…」と言いつつ、身近ではない分、少し抵抗感を持たれる方もいらっしゃいます。

そうした場合は一般事業会社との違いや魅力を丁寧に説明してから、どちらがご自身に合いそうか考えていただくようにお伝えしています。会計事務所で経験を積んで経理の基本や税務の知識を身につけたうえで、次に事業会社に転職するという道もありますし、会計事務所の仕事が合っていれば、そのまま税務の専門家としての道に進むこともできます。 未経験の方にとって、キャリアパスを広げられるポジティブな選択肢として提案するようにしています。

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30代の経理転職のリアル

――続いて30代です。この年代になると、転職市場での見られ方はどう変わりますか。

30代は、 「即戦力」としての採用がメイン になります。30代で経理未経験の場合、正直かなり厳しい戦いになります。31歳前後であれば20代後半に近い形で見てもらえるケースもありますが、前職での経験内容や人柄、資格などがよほど突出していない限り、未経験からの転職は難しいのが実情です。経理以外でもバックオフィス業務に関わっていた、金融機関で働いていた、といった経理に近しい経験があると評価されやすくなります。

――経理経験のある30代の方については、いかがでしょうか。

企業に求人のヒアリングに伺うと、 30代半ばから40代前半は「経験者として脂が乗っている年代」 というイメージを持たれていることが多いです。即戦力採用という文脈では、30代半ば〜40代半ばの方には「単体決算をひととおり実務でこなせる」ことが求められ、40代になると「できれば連結決算やマネジメントの経験もあってほしい」というように、求められる範囲が広がっていきます。

また、30代半ばからは、実務プラスアルファの経験が求められるようになってきます。社内プロジェクトへの参加経験、小規模でもチームリーダーを務めた経験、業務指導や進捗管理の経験などがあると、評価につながりやすいです。

――30代の方が決算経験をアピールする際、どのような点を意識するとよいでしょうか。

会社の規模や上場・非上場のフェーズ、経理組織の人員構成がわかれば、どの程度の決算経験を積んできたかは、経理の仕事をしている人であれば、ある程度想像がつくものです。ただ、必ずしも経理に詳しい採用担当者ばかりではないので、 「自分がその業務をどのくらい理解し、主導していたか」 を、具体的に伝えることが大切です。作業自体は担当していたけれど、最終的には上司がまとめていたので理屈や背景はわからない 、という状態のままでは、アピールとして弱くなってしまいます。

具体的には、 数字を交えて成果を語ること、業務改善によって会社にどのような良い影響を与えたのかというエピソードを掘り起こすこと をおすすめしています。自己PRとして、そのプロジェクトや業務の中で自分がどんな役割を果たしていたのかを明確に語れるかどうかが重要です。

――資格については、20代と評価のされ方が違うのでしょうか。

そうですね。20代との大きな違いは、 「資格よりも実務経験のほうが評価される」 という点です。例えば、建設業経理士の資格を持っているけれど建設業界で働いた経験がない、という方より、資格はなくても少しでも建設業界で経理の実務経験がある、という方のほうが評価されやすい年代に入ってきます。

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40代の経理転職のリアル

――一般的には「転職は35歳まで」と言われることもありますが、経理でもそれは当てはまりますか。

40代半ばまでは、当てはまらないと感じています。35歳を超えたら転職が難しくなる、という話は経理の世界でも耳にしますし、実際に超大手企業などでは明確には言われないまでも、ボーダーを定めているのではないかと感じるケースもあり、そうした企業への転職はほぼ難しくなります。ただ、そうした一部の企業を除けば、経理の場合、40代半ばまでは決して難しくないというのが実感です。

――40代に求められるスキルは、どのようなものになりますか。

マネジメント経験と決算実務の経験 は、多くの求人で重視されるポイントです。ただし40代の場合は、ご本人がどのようなキャリアを目指すかによって、求められるものが大きく変わってきます。

例えば、すでに上場企業の課長、部長など立場とスキルのある方で、そのキャリアを活かして別のフィールドを目指す場合は、上場企業の決算・開示・監査対応などを主導できるようなレベルが求められます。非上場企業の経理であれば、部下を含めて経理全体をとりまとめられる役割が期待されます。小規模な組織の経理担当であれば、ひとり経理として自走できる——決算を外注していたとしても、その外注先とのやり取りも含めてすべてをうまくこなせる、というレベル感が求められます。

つまり、40代では 「ある程度ひとりで自走できるスキル」 が共通して必要になってきます。今後どのような働き方をしたいか、どんな企業に転職したいかによって、求められるスキルの中身が大きく変わってくるのが、この年代の特徴です。40代でいちスタッフとして入社するのはかなり難しく、相応の役割を担う前提での転職になる傾向があります。

――40代向けの求人は、やはり管理職ポジションが中心なのでしょうか。

管理職ポジションしかない、というわけではありませんが、多くはなります。私が担当しているIPO・グロース市場の企業では、7割程度がマネージャークラス以上の募集である印象です。

――40代のキャリアの「広げ方」「畳み方」について、どう見ていますか。

40代は、ある意味で二極化しやすい年代だと感じています。これまで良い経験を積んでこられた方は、年収やポジションを維持しながら転職先を見つけられる可能性が高いです。一方で、十分なキャリアを積めていない方の場合は、年収や企業のフェーズなど何かを譲歩しながら、ご自身にとって譲れない条件を優先する方向にシフトしていく必要が出てきます。

例えば、経理スタッフのまま40代を迎えて転職を余儀なくされた場合、企業側としてはスタッフポジションであれば30代の人材を採用したいと考えるのが自然なので、40代の方はどうしても不利になりがちです。「わたしにマネジメントは難しいです」という場合には、「では、マネジメントが求められないポジションを探しましょう」となりますが、その環境がイメージと違って「それでは困る」となれば、ご自身に何ができて、何が譲れないのかを一緒に整理していく必要があります。

エージェントとしては、そういった方の場合でも、企業が求めている要件に合うポイントを見つけて、そこをアピールしていきます。例えば「営業部門とのコミュニケーションが得意」など、経理以外の強みが評価されることもあります。また、求職者の方ご自身の価値観を見直していただくことも大切な役割だと思っています。「その条件は、本当に譲れないものですか」「上場企業でなければいけない理由は何ですか」といった対話を重ねながら、少しでも可能性のある求人に目を向けていただけるよう、一緒に考えるようにしています。

一方で、しっかりとキャリアを積んでこられた方であれば、大手企業で役職が頭打ちになったタイミングで、あえて企業の規模感を落として職位を上げ、より経営に近いポジションを目指す、というキャリアアップの選択肢もあります。

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経理の転職市場、年代を超えて変わらない大切なこと

――「年代が上がるほど求人が減る」というのは、実感としてどうでしょうか。

実感としては、50代になるとかなりピンポイントで経験や業界知識などが求められることが多くなるため、応募要件を満たすような求人数は明らかに減ります。 40代までであれば、求められる中身は変わっていくものの、求人の「数」自体はそこまで大きく変わらない という印象です。

――求職者の方に「20代のうちにやっておくべきこと」のアドバイスはありますか?

転職するかどうかにかかわらず、 次につながることを意識して経験を積む という姿勢を、20代のうちから持っておいてほしいと思います。日々の業務はもちろん、資格の勉強でも構わないので、何か自分なりの強みを作っておくことが大切です。30代以降は、実務経験が第一に評価され、資格はそれを補強するものという位置づけになっていきます。

日々の業務にどう取り組んできたか、上司がどんな仕事をしているかを理解しようとしてきたかなど、目の前の作業だけでなく、少し広い視野を持って仕事に向き合ってきたかどうかが、後々の転職活動で大きな差になって表れてきます。経理の場合、20代の未経験の方を除けば、基本的には実務経験の積み重ねが評価されるので、この視点は年代を問わず大切にしていただきたいポイントです。

まとめ

20代・30代・40代——それぞれの年代で、企業が経理職に求めるものは確かに変化していきます。20代であれば経理への本気度を示すエピソードと最低限のスキル、30代であれば実務を主導してきた経験の具体的な語り方、40代であればひとりで自走できるスキルと、目指すキャリアに応じた戦略。それぞれの年代で戦い方は変わりますが、根底にあるのは 「年代にふさわしい経験を積んでいるかどうか」 という一点です。

年齢を理由に転職をあきらめてしまう前に、ご自身がこれまでどんな経験を積んできて、これからどんなキャリアを望むのかを、まず整理してみることが大切です。その整理は、一人で行うよりも、経理の転職市場を熟知したエージェントと一緒に進めるほうが、客観的な視点を得やすくなります。年代ごとのリアルな市場感覚を踏まえたうえで、無理のない、かつ納得感のあるキャリア選択をしていただければと思います。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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