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簿記3級で未経験から経理に転職できる?採用される人・落ちる人の違いと転職成功のステップを解説

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2026年4月10日 ジャスネットキャリア編集部

「簿記3級を取ったけれど、これだけで本当に経理の仕事に就けるのだろうか」と疑問を持っている方は多いはずです。結論からいえば、簿記3級は未経験転職において一定の効果を発揮しますが、それが有利に働くかどうかは年齢・職歴・応募先の職種によって大きく異なります。

この記事では、3級の実際の評価水準から、職種別の難易度、年代別の戦略、年収の現実的な水準、そして応募書類・面接での具体的な対策まで、転職活動の全体像を整理してお伝えします。

目次

■簿記3級は経理未経験の転職でどのくらい評価されるのか

簿記3級は、個人商店など比較的小規模な事業を対象とした商業簿記の基礎を問う資格です。仕訳の考え方、勘定科目の分類、貸借対照表と損益計算書の読み方など、会計の土台となる知識を体系的に学んだことを証明できます。未経験から経理職を目指す人にとって、この「学んだことの証明」は確かに意味を持ちます。

ただし、 注意してほしいのは、3級は「意欲と学習素地の証明」であって、「即戦力の証明」ではないという点 です。実際の経理業務では、月次決算の補助、売掛金・買掛金の管理、経費精算の処理、会計ソフトへの入力作業など、3級の試験範囲を超えた実務知識や操作スキルが日常的に求められます。採用担当者が3級保有の未経験者に期待するのは「会計の言葉がわかる人材」であり、「入社してすぐ動ける人材」ではありません。

とはいえ、この「言葉がわかる」という点は軽視できません。経理の仕事は専門用語が多く、まったく知識のない状態からでは日常的な業務会話や指示の理解にも時間がかかります。 3級取得者は、少なくとも最初のハードルを超えている状態として評価されます。 特に「未経験歓迎」と明記している求人においては、簿記3級が書類選考を通過するための最低ラインとなっているケースが多く、保有していると確実に有利です。

一方で、3級だけでは太刀打ちできない求人も相当数あります。一般企業の経理部門では、求人票に「簿記2級以上」を条件として掲げているところが多く、特に規模の大きな企業ほどこの傾向は強まります。3級が「有利」になる条件は、あくまでも「未経験者を育てる前提で採用している職場」に限られると理解した上で転職活動を進めることが重要です。

■未経験者が簿記3級で応募できる職種とは——それぞれの現実を比較する

簿記3級を持つ未経験者が現実的に狙える職種には、主に経理アシスタント・事務職、一般企業の中小規模経理、経理派遣、そして会計事務所(税理士事務所)の補助スタッフなどが挙げられます。それぞれに特徴と難易度の違いがあるため、整理して考えることが大切です。

(1)経理アシスタントや経理事務

最も間口が広いのは、経理アシスタントや経理事務のポジションです。伝票入力や経費精算のサポート、請求書の発行・管理補助といった定型業務が中心で、会計の全体像を把握するよりも、正確さと丁寧さが求められます。簿記3級の知識があれば業務内容の理解はしやすく、未経験スタートの入り口として現実的です。

(2)中小規模の一般企業経理

中小規模の一般企業経理は、最初から幅広い業務を任されやすい反面、採用後に即座に動けることを期待される場合もあります。ただし、社員数十人規模の企業では経理担当が1〜2名というケースも多く、「育てる余裕がある職場かどうか」は求人票だけでは判断しにくい点に注意が必要です。

(3)経理派遣

経理派遣は、未経験転職のルートとして見落とされがちですが、実態としては有効な選択肢のひとつです。 派遣先での実務経験を積みながら正社員を目指すという流れは、特に30代以降の転職では合理的な戦略になりえます。 派遣会社によっては、未経験者向けの会計ソフト研修を提供しているところもあり、スキルを補いながら職歴を積むことができます。

(4)会計事務所(税理士事務所)には注意が必要

会計事務所(税理士事務所)については、「未経験でも入りやすい」と思われることがありますが、実際にはやや注意が必要です。確かに求人数は一定数あり、未経験者を積極的に採用している事務所もありますが、確定申告期や決算期の繁忙度は高く、業務の習得速度を求められる環境であることも多いです。

また、税務の知識は経理実務とは異なる専門性を含むため、入所後に「思っていたものと違う」と感じる人もいます。入り口として否定するものではありませんが、事前に業務内容と労働環境をよく調べた上で応募することが大切です。

■年代によって変わる転職戦略——20代と30代以上では何が異なるのか

簿記3級で経理の未経験転職を目指すとき、年齢は戦略の前提条件を大きく変えます。一口に「未経験転職」といっても、採用企業側の期待は年代によって異なるからです。

(1)20代前半の場合

20代前半、特に 第二新卒(新卒入社後3年以内)の場合は、ポテンシャル採用が機能しやすい層です。 「経理の経験はないが、簿記3級を取って本気で転職を考えた」という姿勢そのものが評価され、入社後の成長に期待して採用されるケースがあります。この年代では、経理での実務未経験であることよりも、素直さ・吸収力・前向きな姿勢の方が採用の決め手になることが多く、簿記3級はその姿勢を補強する証拠として機能します。

(2)20代後半から30代前半

一方、20代後半から30代前半になると、企業側の見る目が変わってきます。「なぜ今まで経理をやっていなかったのか」「なぜこのタイミングで転職するのか」という問いに対して、説得力のある答えを持っておく必要があります。また、前職の経験を経理業務と結びつけて語れるかどうかも重要で、「まったくの白紙です」という状態では厳しくなっていきます。

(3)30代後半以降

30代後半以降になると、ポテンシャルだけで採用してもらうことはかなり難しくなります。この年代で未経験転職を目指す場合は、 派遣や契約社員として実務経験を積む期間を設ける 、もしくは 現職で経理に近い業務(費用管理、売上管理、予算策定補助など)があればそれを前面に出す 、といった現実的な戦略が求められます。簿記3級の取得は「本気度の証明」として有効ですが、それだけを武器に正社員採用を勝ち取るのはこの年代では難しく、簿記2級の取得や実務経験の積み上げを並行させることが重要です。

■簿記3級と組み合わせると強みになる「もう一つのスキル」とは

転職活動において、簿記3級は単独ではなくほかのスキルと組み合わせることで、はじめて採用担当者の目に留まりやすくなります。では、どのようなスキルが有効なのでしょうか。

(1)Excelの実務的な操作スキル

最も即効性が高いのは、Excelの実務的な操作スキルです。SUM・IF・VLOOKUPといった関数の実務応用はもちろん、ピボットテーブルの活用、データの整理・集計作業の経験があると、経理の実務補助においてすぐに力を発揮できます。「Excelが得意です」と伝えるだけでなく、具体的に「前職でVLOOKUPを使って月次の売上データを集計していた」といった実績を示せると説得力が増します。

(2)会計ソフトの操作経験

次に有効なのが、会計ソフトの操作経験です。freee・弥生会計・マネーフォワードクラウドなどの主要ソフトは、それぞれに操作の癖があります。未経験であっても、転職前に無料版や体験版を使ってある程度の操作感を身につけておくと、面接で「使ったことがある」と伝えられるようになります。こうした準備姿勢は採用担当者に好印象を与えます。

(3)前職での業務経験を経理と接続して語る

また、前職での業務経験を経理と接続して語れるかどうかも重要です。例えば営業職であれば受注・請求・入金管理の一端を担っていたかもしれませんし、販売職であれば日次精算や在庫管理の経験があるかもしれません。「まったくの未経験」ではなく「経理に近い接点があった」という語り方ができると、採用側の安心感につながります。

■経理未経験で入社した場合の年収は実際いくらくらいか

未経験・簿記3級保有者として経理職に転職した場合の年収がいくらくらいになるか、ジャスネットの求人を参考に見てみましょう。「経理 簿記3級 未経験OK」(正社員)で検索した場合に表示される一例です。

【求人例①】

【家庭との両立を実現!/経理スキルアップを目指す方へ】少人数の経理・事務代行会社にて経理事務スタッフの募集!(年収300万円~400万円/経理/正社員)

職種:経理(日常業務)、経理(月次決算業務)
雇用形態:正社員
給与:年収: 300万円 〜 400万円(賞与あり/交通費あり/昇給制度あり)

仕事内容:会計仕訳業務、振込作業、請求書の発行やファイリングなど。
応募条件:【必須要件】
・簿記3級以上または経理経験者の方 ※資格があれば業務未経験OK
・Googleスプレッドシートなど基本的なPC操作が出来る方

【求人例②】

経理スタッフ職【スタンダード上場/産休育休取得&復帰率100%】

職種:経理(日常業務)
雇用形態:正社員
給与:350万円 〜 450万円

仕事内容:
・伝票の確認、承認
・勘定科目の照合、債権債務残高管理
・四半期、年次決算での伝票処理
・習得スピードにより、税務の部分も順次担当可能性あり

応募条件
■必須条件:経理/会計に興味がある方
※経理未経験の方も数字に対するアレルギーがなければ応募歓迎です!
■歓迎条件:簿記3級以上の有資格者

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ジャスネットのエージェントの所感としては、現実的には300万円程度からのスタートが多いとみてよいでしょう。これは職種・企業規模・地域によってばらつきがあり、都市部の一般企業と地方の中小企業や会計事務所では大きな違いがあることも理解しておきましょう。

一方で、経理職はその後の年収の伸び方がある程度見通せる職種です。実務を2〜3年積んで簿記2級を取得し、月次決算の補助や固定資産管理などの経験を積むと、年収400万円〜程度が見えてきます。さらに連結決算や税務申告の実務経験を持つようになれば、より高い水準も狙えます。「低い水準からスタートしてどこまで伸ばせるか」というキャリア設計の観点でも、経理職は比較的明確なルートが描きやすい職種です。

■応募書類で簿記3級をどう伝えるか——職務経歴書・志望動機の書き方

簿記3級を保有していても、書類でその価値を正しく伝えられなければ選考を通過するのは難しくなります。「資格:日商簿記3級」と一行記載するだけでは、何千枚もある書類の中に埋もれてしまいます。

職務経歴書では、資格の記載にとどまらず、「なぜ取得したのか」「学習を通じて何を理解したのか」を具体的に書くことが重要です。例えば

【例文】
「経理職への転職を決意し、会計の基礎を体系的に学ぶためにXXXX年X月に日商簿記3級を取得。仕訳の考え方と財務諸表の読み方を理解しており、現在は2級の取得に向けて学習を継続中(XXXX年X月の試験を受験予定)」

といった形で記載すると、前向きな姿勢と学習の継続性が伝わります。

志望動機では、「安定している」「事務職に向いている」といった抽象的な理由ではなく、「なぜこの会社の経理なのか」という具体性を持たせることが求められます。企業の事業内容や規模感、業界特性と自分の関心を結びつけた動機を書くことで、他の候補者との差別化が生まれます。

【例文① 前職:一般事務(書類管理・データ入力中心)の場合】
前職では製造業の会社で一般事務として、受発注データの入力管理や請求書・納品書の処理補助を担当してまいりました。業務の中で経理担当者が行う仕訳入力や月次の数字の照合作業を間近で見る機会が多く、「数字の流れを正確に追う仕事」に強い関心を持つようになりました。その関心を専門性として深めるため、日商簿記3級を取得しました。

貴社を志望した理由は、製造業の現場を一般事務として経験してきた自分が、同じ製造業という文脈の中で経理というキャリアに踏み出せる環境だと考えたためです。受発注や請求書の流れは実務として理解しており、それが経理の仕訳業務とどう結びついているかのイメージも持っています。まずは日次の伝票入力や経費精算業務から確実にこなし、正確さを土台にして月次業務へとステップアップしていきたいと考えています。現在は簿記2級の取得に向けて学習を進めており、○月の試験受験を予定しています。

また、前職の経験を棚卸しして、数字・管理・正確さに関連するエピソードを一つでも盛り込めると、「まったく何もない未経験者」ではなく「活かせる素地がある人」として見てもらいやすくなります。

【例文② 前職:営業事務(売上管理・顧客対応中心)の場合】
前職では消費財メーカーの営業事務として、受注処理・売上集計・請求書の発行・入金確認までの一連の業務を担当してまいりました。毎月の売上データを集計する中で、「この数字が最終的にどのように財務諸表に反映されているのか」という疑問が積み重なり、会計の仕組みを体系的に学ぼうと日商簿記3級を取得しました。

貴社を志望した理由は、製品ラインナップと取引先の規模から、仕入・製造原価・売上という一連のお金の流れが比較的明確な事業構造であると感じたためです。前職で経験した売上管理や請求処理の知識を活かしながら、そこから一歩踏み込んで経理の視点で数字全体を把握する仕事に挑戦したいと考えました。入社後はまず仕訳業務と買掛・売掛の管理補助から着実に習得し、早期に戦力になれるよう努めてまいります。

■面接でよく聞かれる質問と、答える際の考え方

未経験での経理転職において、面接でほぼ必ず聞かれる質問があります。「なぜ未経験から経理を目指したのか」「簿記2級の取得予定はあるか」「経理のどんな業務に興味があるか」の3つです。

(1)「なぜ経理なのか」

「なぜ経理なのか」という問いには、できるだけ具体的な動機を用意しておく必要があります。「数字が好き」「安定していそう」という答えでは採用担当者の印象には残りません。

「前職で予算管理に関わる機会があり、数字で仕事の全体を把握する面白さを感じた」「正確さを求められる業務に向いていると気づき、会計の専門性を身につけたいと考えた」など、自分の経験や性格特性に根ざした理由を語れると説得力が増します。

(2)「簿記2級の取得予定」

「簿記2級の取得予定」については、「取得を目指している」という姿勢を伝えるだけでなく、「いつ受験する予定か」まで具体的に答えられると印象が変わります。「半年以内に受験します」と言える状態であれば、すでに学習を始めていることを示せると理想的です。採用側は「3級のまま止まってしまうのでは」という懸念を持っていることが多いため、2級へのロードマップを示すことが重要です。

(3)経理の業務への関心について

経理の業務への関心については、「何でも経験したい」という答えより「まず日常的な仕訳業務と経費精算の精度を高め、次に月次決算の補助に挑戦したい」といった段階的なイメージを持っていることを伝えると、地に足のついた印象を与えられます。

■簿記3級だけでは難しいケース——こういう状況には注意が必要

ここまで、簿記3級が有利に働く条件を整理してきましたが、正直に言えば3級だけでは難しい状況も存在します。この点を事前に把握しておくことが、転職活動を現実的に進める上で必要です。

まず、 大手企業の経理部門への直接応募は、3級のみでは書類選考で落とされるケースが多いです。 規模の大きな企業は年間応募者数も多く、2級以上を条件としている求人がほぼすべてを占めます。最初から大手を狙う場合は、先に2級を取得するか、中小企業で実務経験を積んでからステップアップするルートを選ぶ方が現実的です。

次に、40代以降での完全未経験転職は、3級の取得だけでは非常に厳しいというのが実態です。この年代になると 採用側は即戦力性を強く求めるため、資格の有無より実務経験の有無が問われます。 派遣や契約社員から段階的に経験を積む方法も視野に入れながら、長期的な戦略を立てることが重要です。

また、会計事務所への転職についても、「入りやすい」とは必ずしもいえません。特に確定申告期(1〜3月)や決算期に集中する業務量の多さや、税務知識の習得を求められる点は、未経験者にとってのハードルになります。業務内容や働き方が自分に合っているかを事前によく確認することが大切です。

もし3級取得後に転職活動を進めてみて思うように進まない場合は、 「2級の取得を優先する」「現職に在籍したまま経理業務に近い経験を積む機会を探す」「派遣や業務委託で実務経験を先に積む」という選択肢を柔軟に検討してみてください。

■最後に:転職成功に向けた具体的なステップ——まず何から始めるか

ここまでの内容を踏まえた上で、転職活動を実際に動かすためのステップを整理します。

ステップ①自分の状況の棚卸し

最初にすべきことは、自分の状況の棚卸しです。年齢・現職の業務内容・Excelスキルの水準・簿記の学習状況を整理することで、自分がどのポジションを現実的に狙えるかが見えてきます。

ステップ②簿記2級の学習の開始

次に、求人情報の収集を始めながら、並行して簿記2級の学習をスタートさせることをお勧めします。転職活動と資格学習を同時に進めることは決して矛盾しません。「現在2級取得に向けて学習中、○月に受験予定」という状態は、応募書類や面接での武器になります。

ステップ③転職エージェントの活用

求人探しの際は、転職エージェントの活用が有効です。特に経理・会計分野に特化したエージェントは、非公開求人の紹介や選考対策のサポートが受けられるため、一般の求人サイトに掲載されていない未経験歓迎ポジションへのアクセスが可能になります。

ジャスネットキャリアは、経理・会計・税務に特化した転職支援を行っており、未経験者を含む幅広い経歴の方の転職をサポートしています。簿記3級を取得して転職活動を始めたばかりの方も、ぜひ一度ご相談ください。あなたの状況に合った職場を一緒に考えます。

簿記3級は、経理という専門職への入口を開く最初の一歩です。現実を正確に把握した上で計画的に動けば、未経験からの転職は十分に実現できます。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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