■ 経理事務の求人市場の現状
(1)経理事務の需要と供給
経理事務の求人市場は堅調に推移しており、「未経験可」の募集は常に一定数存在します。
ジャスネットの調査によれば、未経験者を歓迎する経理求人は全国でおよそ30万件以上にのぼっており、これは人手不足を背景とした企業側の採用姿勢を反映したものです。
東京をはじめとする都市部では、新卒・第二新卒や社会人経験の浅い層に向けたポジションも豊富で、こうした年齢層にいる人たちにとっては経理職への第一歩を踏み出すには絶好のタイミングの年代といえます。
経理はどの業種にも必要とされる職種であり、景気に左右されにくい安定性があることが特徴です。特に中小企業やベンチャー企業では、実務を通じて管理部門全体の広範な業務を経験できるため、未経験からのスキルアップにも適した環境が整っています。
(2)経理事務の求人トレンド
未経験者にとって経理事務の求人を探すときに注目すべき点は、 派遣社員や紹介予定派遣といった働き方の中で「未経験OK」「ブランクOK」「学歴・英語不問」といった条件を掲げる求人が一定数あることです。
特にExcelの基本操作(SUM関数や表計算など)ができれば応募可能とする企業も多く見受けられ、資格よりも実務に近いPCスキルが評価される傾向にあります。
また、時給面でも以前より上昇傾向にあり、都心部では時給1,700円〜1,900円以上の求人が多数見られます。業務内容も仕訳入力や売上データ管理など、未経験でも挑戦しやすいものが中心です。こうした求人は未経験者でも対応可能な作業であり、実務を通じてキャリアを積み上げていきたい方にはチャンスとなります。
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■ まずは基本を確認!経理事務の仕事内容
(1)日常業務の流れ
まずは未経験の方が携わることの多い、基本的な経理の業務内容は以下になります。
伝票処理・仕訳入力
:
取引伝票を確認し、勘定科目を選んでシステムへ入力
請求書・入出金処理
:
売掛・買掛の消込処理、入金確認、請求書発行
支払・経費精算
:
取引先への支払い、社員の経費申請チェック
資料整理・ファイリング
:
紙と電子双方の帳票整理
経理実務の書籍を読めばこうした作業の詳しい内容を確認することができます。
(2)経理独自の業務とその重要性
仕事に慣れてきたあと、経理としてステップアップを考えるのであれば、以下のような業務にも携わっていく必要があります。
月次・年次決算補助
:
決算書類の作成支援や補助資料作成
税務申告補助
:
消費税・法人税の申告に関する資料準備
こうした業務は経理部門ならでは業務であり、専門性が高く、かつ汎用性があるので、身につけることでキャリアアップに直結します。
■ 経理事務に求められるスキル
(1)未経験者でも獲得できる資格
経理未経験から仕事を始めたいという場合でも、以下の資格の取得はおすすめします。
何か一つ始めるのであれば、 独学でも取得可能な日商簿記3級の取得をめざしましょう。
ジャスネットでも資格取得のための支援をしております。
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<その他のおすすめ資格>
簿記資格:日商簿記2級以上で月次決算対応も可能
OAスキル:Excel(SUM・IF・VLOOKUP・ピボットテーブル)、Word・PowerPointを標準
(2)経理業務に役立つスキル
経理未経験の場合でも、以前の仕事で身につけたスキルが役立つ可能性があります。以下のようなスキルは転職の際のアピールポイントになるでしょう。
英語力
:
英文メール・請求書などの処理が必要な企業では強みになります
ITスキル
:
業務自動化ツール(RPA)やITセキュリティの知識は重宝されます
人事労務の経験
:
社会保険事務などの経験は経理部門でも重宝されます。
また
コミュニケーション能力
は、経理部門でも必要です。仕訳に必要な情報や資料の作成について社内の他部署と折衝したり、関係者間で調整など必要な場面は多いからです。
■ 経理事務の求人情報の探し方
(1)求人サイトを活用する
まずは転職系ポータルサイトで検索をしてみましょう。「経理、未経験歓迎、研修あり」などのキーワードで探してみると、どのような求人が多いのかを理解することができると思います。
経理未経験の場合は、ジャスネットのような経理・会計専門のサイトも利用するといいでしょう。通常の転職支援サイトでは見つからないような、未経験者向けの求人も充実しています。
また働き方としてもバイトではなく、「派遣・紹介予定派遣」などを選択することで、キャリアップを考えた際にもスムーズに移行できる可能性があります。
(2)経理・会計専門のエージェントを利用するメリット
ジャスネットなど経理・会計の専門エージェントを利用することで、非公開求人などの独自案件にアクセスすることができます。また応募書類の添削や模擬面接、企業とのスケジュール調整を代行してもらえるなどのメリットもあります。
さらに、いずれ正社員にステップアップしたいと考えている場合は、長期視点のキャリア設計や転職時期の適切なアドバイスなどのキャリア相談も可能です。
■ 経理未経験で非常勤として応募する際の転職活動の進め方
(1)履歴書・職務経歴書の書き方
未経験から非常勤の経理職種に応募する際、履歴書と職務経歴書は自分の“ポテンシャル”をしっかり伝える重要な武器になります。
特に自己PR欄では、
これまでの実務経験で身につけた「正確に作業を進める力」や「責任感」を、具体的なエピソードを交えて記述すると好印象
です。たとえば、飲食店であればレジ締め作業での金額確認や、POSデータの入力を任されていた経験は、数字に強い印象を与えられます。また、事務的な業務に関わった経験があれば、伝票の整理や売上データの入力など、
経理の仕事と親和性がある業務は積極的に書きましょう。
加えて、すでに取得している資格があれば簿記3級でも積極的に書きましょう。逆に現在勉強中であることは記載することをお勧めしません。資格は獲得してこそ価値があるもの、「勉強中」など意欲と学習姿勢を伝えようとしてもかえって逆効果になりかねず、書類選考で落とされる原因にもなります。
経理の業務では細かな数字管理と正確性が求められるため、「地味な作業も丁寧にこなす力」や「細部に気づく力」「正直さ」が伝わるよう、言葉を選んで丁寧に表現しましょう。
(2)面接対策と注意点
未経験からの経理事務への応募では、面接での「志望動機」と「業務理解度」が選考の鍵となります。面接官は「なぜ経理なのか」という動機と、「なぜ未経験から挑戦しようと思ったのか」という意志をセットで見ています。
例えば、「経理職の安定性と、数字を扱う仕事への興味」「長く働ける専門職として成長したい」という視点に加え、常に学んでいく姿勢を伝えると好印象です。
想定質問としては、「仕事でミスを防ぐためにどんな工夫をしているか」「社内の人と円滑にコミュニケーションを取るために心がけていること」など、経理に必要なスキルの根底を問われることもあります。
経理・会計専門のエージェントに相談したい
■ 経理事務の給与と待遇で確認すべきこと
(1)業界別の給与水準
経理事務の給与は、雇用形態や所属する業界によって大きく異なります。
未経験者がバイトや派遣社員から始める場合、一般企業での時給はおおよそ1,600円〜1,700円程度が相場です。これに対して、大手メーカーや金融機関など、専門性の高い業界では1,750円〜1,800円と高時給になる傾向があります。
正社員を目指す場合、月給は25万円前後からスタートし、経験を積めば月給30万円を超えるケースもあります。ボーナスがある企業では、年収として350万円〜450万円程度が目安となりますが、残業代や決算賞与が加算されることで年収がさらに伸びることもあります。特に上場企業やグループ会社では、安定した昇給制度が整っていることが多く、長期的なキャリア形成においては見逃せないポイントです。
求人票を見る際は、給与の基本額だけでなく、残業代の支給方法や昇給の有無など、トータルの条件をしっかり確認することが重要です。
(2)福利厚生の重要性
経理事務の仕事を選ぶ際、給与だけでなく福利厚生も非常に重要な判断材料になります。
例えば、簿記やExcelスキルの取得を支援する制度や、会計ソフトの社内研修がある職場は、未経験者が安心してスキルアップできる環境といえます。また、交通費の支給や社会保険の完備は当然として、最近では「テレワーク制度」や「フレックスタイム制度」など、働き方の多様性に対応した制度を導入している企業も増えています。特にクラウド会計ソフトを活用しているDX推進企業では、週に2〜3日の在宅勤務が可能なケースも多く、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が実現できます。
自分のライフプランに合った福利厚生があるかを見極めることが、長く働き続けられる企業選びのポイントです。
(3)リモートワークの可能性
コロナ禍を経て、経理部門でもリモートワーク可能な職場は増えました。ただ、ここ最近は、逆に出社を促す傾向が多く見受けられます。一方の求職者にはフルリモートの要望は強く、そのあたりのミスマッチは今後広がっていくと考えられます。
経理未経験のうちは、リモートが可能かどうかにはこだわらず、まずは経理業務の基礎を覚えることに注力した方がよいでしょう。
■ 経理事務のキャリアパスの可能性
(1)経理事務からのステップアップ
経理事務の仕事は実務を重ねることで着実なキャリアアップが可能です。
実務経験を積みながら簿記2級を取得すれば、単純な仕訳入力から月次決算業務、税務申告書の補助といった専門的な領域が見えるようになります。さらに数年の経験を経てスキルを認められれば、チームリーダーや課長補佐といった役職に就くことも珍しくありません。こうしたポジションではスタッフ管理や業務フローの改善、部署内の予算管理といったマネジメント寄りの仕事が求められます。
財務部門や経営企画部門へとキャリアを広げることで、決算データを基にした分析や経営支援、将来予測に基づいた意思決定への関与など、会社の中核を担う業務へと進む道も開かれます。
(2)専門職への転職
経理事務の経験は、将来的に会計・税務の専門職へとキャリアを移行するための土台になり得ます。実務をこなしながら夜間学校や通信教育で資格取得を目指す方もいます。
資格取得できれば、会計事務所や税理士法人での実務経験を経ることで、独立や法人化も視野に入ります。また、企業の経理部門からさらにスキルを磨けば、企業の財務分析や会計システムの導入支援、監査対応といったより戦略的な業務を担うことが可能です。経理から始まる専門職の道は、学びと成長を重ねることで大きな飛躍へとつながるのです。
■ 経理事務の仕事の魅力
(1)安定した職業
経理事務の最大の魅力のひとつは、その安定性にあります。どの企業にも経理部門は必要であり、景気が悪化してもなくならない職種の代表格です。特に、
会計や財務といった数字を扱う業務は、自動化が進んでも人の目と判断が求められる部分が多く、AI時代においてもニーズが継続することが想定されます。
また、未経験者の経理人員を採用する企業の多くは社会保険の完備、交通費の支給、研修制度など福利厚生が整っている比較的大きな企業が多く、ライフイベントに応じて柔軟に働き続けられるのも魅力です。
結婚や育児などでライフスタイルが変わっても、パートや派遣といった形でキャリアを継続しやすく、再就職もしやすい職種の一つです
。経理職は、安定した働き方とキャリアの継続性の両方を実現できる魅力ある選択肢です。
(2)多様な業務に関わる楽しさ
一見、ルーティンの多い業務に見える経理事務ですが、実はその範囲は非常に広く、企業の経営に直接関わる多彩な仕事が詰まっています。
たとえば、月次の予算管理、部門ごとのコスト分析、財務資料の作成、税務の確認など、数値を通じてビジネス全体を見渡せる機会があるのが経理の醍醐味です。数字は企業の“健康状態”を表す鏡ともいえるもので、適切な処理や分析が経営判断を支えることにもつながります。
また、自分が作成した資料や集計データが経営会議で使われるなど、成果が目に見えやすく、達成感を感じやすい仕事でもあります。さらに、最新の会計ソフトやクラウドツールを使うことで業務効率化にも関われ、ITとの親和性も高い分野です。単なる裏方ではなく、企業活動を支える重要なポジションとしてのやりがいがあります。
■ 未経験でも経理に転職できた成功事例
以下は、実際にジャスネットが手掛けた経理未経験から転職された方の転職事例です。派遣・アルバイトではなく、いきなり正社員採用となったケースになりますが、参考にご覧ください。
Sさん 20代 男性
日商簿記2級を活かし、経理未経験かつ離職中にも関わらず、上場企業経理に内定
https://career.jusnet.co.jp/case/detail.php?cid=317&casedtl_mc=3
Cさん 20代男性
20代後半未経験から経理職へキャリアチェンジ
https://career.jusnet.co.jp/case/detail.php?cid=300&casedtl_mc=3
Aさん 30代男性
30代未経験から、年収を下げずに経理正社員の内定獲得
https://career.jusnet.co.jp/case/detail.php?cid=315&casedtl_mc=3
【これ以外の経理の転職事例はこちら】
経理の転職成功事例
https://career.jusnet.co.jp/case/list.php?mc=3&ag=0
■ まとめ
未経験から経理事務の世界に飛び込むのは不安もあるかもしれませんが、バイトや派遣から経験を積み、資格取得とともに段階的にステップアップしていく道があります。ジャスネットでは、あなたの「これから」に寄り添う転職支援を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
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