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経理の転職理由を徹底解説!志望動機事例と面接対策も紹介

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ジャスネットキャリア編集部

経理職として働く中で、転職を考える瞬間は誰にでも訪れるものです。現在の職場に何らかの不満を感じていたり、さらなるステップアップを望んでいたりする経理担当者の方も多いのではないでしょうか。経理という専門性の高い職種だからこそ、転職理由を明確にし、適切に伝えることが成功への鍵となります。

本記事では、経理職への転職を検討している方に向けて、よくある転職理由から面接での伝え方、志望動機の書き方まで、転職活動を成功に導くための実践的な情報を詳しく解説していきます。

目次

■経理職における一般的な転職理由

(1)給与や待遇の不満

経理職の転職理由として最も多く挙げられるのが、現在の給与や待遇に対する不満です。経理は企業の経営を支える重要な役割を担っているにも関わらず、その責任の重さに見合った評価を受けられていないと感じる方が少なくありません。

特に中小企業の経理担当者の場合、月次決算から年次決算、税務申告といった経理業務だけではなく、総務業務や果ては人事労務関係の業務まで幅広い業務を一人で担当することが多く、業務量と責任の大きさに対して給与が見合わないと感じるケースが目立ちます。また、昇進や昇格の機会が限られ、長期間同じポジションに留まることで将来への不安を抱く経理担当者も多くいます。

さらに、有給休暇の取得しにくさ、福利厚生の希薄さなども、転職を決意する重要な要因となっています。経理業務は月末月初や決算期に業務が集中する特性があるため、働き方改革が進む中でもワークライフバランスの改善が遅れがちな役回りになります。

(2)キャリアアップの希望

経理職としてのスキルアップやキャリアアップを求める転職は非常に多く見られます。現在の職場では経験できない業務領域への挑戦や、より高度な専門知識を獲得できる環境を求めて転職を検討する経理担当者が多くいます。

例えば、小規模企業で基本的な経理業務のみを担当していた方が、上場企業での連結決算や開示業務、内部統制の構築といったより専門性の高い業務に携わりたいと考えるケースがあります。また、経理から財務や経営企画への職種転換を希望する方や、将来的にはCFOなどの経営陣への道筋を描いている方も少なくありません。
資格取得によってスキルアップを実現させた経理担当者が、その知識を十分に活かせる環境を求めて転職することも一般的です。
その他に、簿記1級や税理士科目合格、公認会計士試験合格といった高度な資格を持ちながら、現在の職場ではその専門性を発揮できないもどかしさを感じている方が、より挑戦的な環境を求めて転職を決意するパターンも多く見受けられます。

(3)職場環境や人間関係の問題

経理職は他部署との連携が不可欠な職種であるため、職場の人間関係や組織風土が業務に大きく影響します。上司や同僚との人間関係に問題がある場合や、他部署の経理部門への理解が不足している職場環境では、業務遂行にストレスを感じることが多くなります。

特に経理業務は迅速性や正確性が求められるにもかかわらず、他部署からは「経理は細かすぎる」「融通が利かない」といった評価を受けやすく、そうした環境での業務継続に限界を感じる経理担当者も存在します。また、経理部門が一人体制の企業では、そもそも相談する相手がおらず孤独感を抱え、専門的な知識を共有できる同僚の存在を求めて転職を考えるようになります。

さらに、経営陣の経理業務に対する理解不足や、コンプライアンス意識の低い企業風土に疑問を感じることも転職理由となります。適切な内部統制の構築や法令遵守を重視する経理担当者にとっては、そうした価値観を共有できない職場環境は大きなストレス要因となります。

■経理職に必要なスキルと資格

(1)経理職に必要とされるスキル

経理職として転職を成功させるためには、現在求められているスキルを正確に把握することが重要です。基本的な簿記知識はもちろんのこと、会計ソフトの操作スキルは必須となります。近年では、従来の会計ソフトに加えて、クラウド型の会計システムやRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)ツールの操作経験も重視されるようです。

Excel等の表計算ソフトの高度な活用スキルも経理職には欠かせません。関数の使いこなしやピボットテーブルの作成、マクロの活用といったスキルをマスターすることは、業務効率化に直結するため多くの企業で重宝されます。また、PowerBIやTableauといったBIツールの知識があると、財務分析や管理会計の分野で高く評価される可能性があります。

コミュニケーション能力も経理職には重要なスキルです。他部署への説明や経営陣への報告、同一部署内の進捗共有、監査法人や税理士への対応など、様々な立場の人々と適切にコミュニケーションを取る能力が求められます。特に、複雑な会計処理や税務処理を分かりやすく説明できると、経理職として高く評価されるようになります。

(2)経理の転職に役立つ資格

経理職の転職において最も基本となるのが日商簿記検定です。簿記2級は経理職の最低限の要件として位置づけられることが多く、簿記1級を取得していると大企業や上場企業への転職でも有利に働きます。簿記1級は商業簿記だけでなく工業簿記や原価計算も含む包括的な内容であり、上場企業での予算統制などにも活用することができるので経理職を目指す場合には特に重要な資格となります。

税理士資格や公認会計士資格は、経理職としてのキャリアを大きく向上させる資格です。税理士資格については科目合格制度があるため、働きながら段階的に取得を目指すことができます。特に法人税法や消費税法の科目合格は、経理実務に直結するため転職市場でも高く評価されます。公認会計士資格は、上場準備企業のCFOを目指すにあたっては大きなアドバンテージを得ることができます。

また、近年注目を集めているのがFASS検定や経理・財務スキル検定といった実務に特化した資格です。これらの資格は実際の経理業務に即した内容で構成されており、実務経験と併せて取得することで自身の業務の理解を深め、転職活動において差別化を図ることができます。

■転職理由の伝え方と面接対策

(1)面接官に好印象を与える転職理由の伝え方

経理職の面接において転職理由を伝える際は、現職への不満を述べるのではなく、将来に向けた前向きな動機を伝達することが重要です。面接官は候補者が自社でも同様の理由で退職してしまう可能性を懸念するため、建設的で具体的な転職理由を求めています。

効果的な転職理由の伝え方として、現在の経験と今後のキャリア目標を明確に結びつける方法があります。例えば「現在は中小企業で幅広い経理業務を経験させていただきましたが、今後はより専門性の高い連結決算や開示業務に携わることで、経理のプロフェッショナルとしてさらに成長したいと考えております」といった表現は、経験を活かしつつ新たな挑戦を求める姿勢を示すことができます。

また、応募企業の特徴や強み、事業戦略と自分の志向を関連付けることも重要です。「御社の○○事業への展開において、経理の立場から新規事業の収益性分析や予算管理を通じて貢献したい」といったように、具体的な貢献方法を示すことで説得力のある転職理由となります。

(2)転職理由をポジティブに変換する方法

ネガティブな転職理由をポジティブに変換するテクニックは、経理職の面接において特に重要です。給与面での不満がある場合は、「現在の経験とスキルを正当に評価していただける環境で、より高いパフォーマンスを発揮したい」と表現することで、向上心と自信をアピールできます。

人間関係の問題を理由とする場合は、「チームワークを重視する環境で、同僚と連携しながら経理業務の品質向上に貢献したい」といった表現に変換することで、協調性と建設的な姿勢を示すことができます。職場環境への不満は「より良い内部統制が整備された環境で、コンプライアンスを重視した経理業務に取り組みたい」と表現することで、責任感と専門性の高さをアピールできます。

業務内容への不満については、たとえば「現在の業務で培った基礎的なスキルを活かしながら、より幅広い経理業務に挑戦することで専門性を高めたい」と表現することで、現在の経験を肯定的に捉えつつ成長意欲を示すことができます。

(3)経理の面接で気を付けるべきポイント

経理職の面接では、数字に対する正確性や論理的思考力が重視されるため、具体的な数値や事例を用いて回答することが効果的です。例えば、業務改善の経験について話す際は「月次決算の作業時間を〇〇を行ったので○時間短縮した」「売掛金の回収率を〇〇したことで○%改善した」といった具体的な成果を示すことで、実務能力の高さをアピールできます。

また、経理職では継続性と安定性が重要視されるため、長期的なキャリアビジョンを明確に示すことが大切です。転職を繰り返している場合は、それぞれの転職で得られた経験やスキルがどのように現在の応募に活かされるかを論理的に説明する準備が必要です。

面接では会計基準や税法の基本的な知識について質問される場合もあるため、最新の改正情報や業界動向についても把握しておくことが重要です。特に応募企業の業界特有の会計処理や税務事項について事前に調査し、関連する質問に対応できる準備をしておくと良いでしょう。

■経理職の志望動機とその書き方

(1)経理職の志望動機で押さえるべき要素

経理職の志望動機を作成する際は、なぜ経理職種を選んだのか、なぜその企業を選んだのかという二つの観点を明確に示すことがポイントです。経理職へのこだわりについては、自身が経理業務で重視する姿勢、自身のスキルで企業の経営に貢献したいという意欲などを具体的なエピソードとともに表現することが効果的でしょう。過去の実務経験で培った知識やスキル、取得した資格などが、応募企業の経理業務においてどのような価値を提供できるかを具体的に示すことで、採用担当者に対する説得力を高めることができます。

企業選択の理由については、応募企業の事業内容や経営方針、経理部門の役割などを詳しく調査し、自分のキャリア目標との一致点を明確に示すことが大切です。単に「安定している企業だから」「福利厚生が充実しているから」といった一般的な理由ではなく、その企業ならではの魅力と自分の価値観やキャリア上の目標との関連性を具体的に表現することが求められます。

(2)経理職の志望動機事例(未経験者の場合)

ここでは、未経験から経理に転職した志望動機事例を見てみましょう。

未経験から経理に転職した志望動機&転職理由事例

学生時代に簿記2級を取得して以来、数字を扱う業務への関心を持ち続けてまいりました。前職では営業職として顧客との関係構築に取り組んでおりましたが、業績管理や予算策定に関わる機会を通じて、企業の財務面から経営をサポートする経理職の重要性を実感いたしました。御社は○○業界でのリーディングカンパニーとして安定した成長を続けておられ、経理職として企業の発展を財務面から支えるやりがいを感じられると考えております。営業職で培ったコミュニケーション能力を活かし、他部署との連携を大切にしながら正確で迅速な経理業務に取り組みたいと思います。

前職では人事総務として3年間勤務し、給与計算や社会保険手続きを担当する中で、数字を扱う業務への興味を深めました。業務の傍ら簿記2級を取得し、会計の基礎知識を身につけてまいりました。人事として様々な部署の方々と接する中で、経理が企業運営の根幹を支える重要な役割を担っていることを実感し、経理職としてより直接的に企業の成長に貢献したいと考えるようになりました。前職で培ったコミュニケーション能力と几帳面な性格を活かし、正確で迅速な経理業務に取り組みたいと思います。

(3)経理職の志望動機と転職理由事例(経験者の場合)

ここでは、経理経験者のキャリアアップ志望動機事例を見てみましょう。

経理経験者のキャリアアップ志望動機&転職理由事例

現職では3年間にわたり月次決算から年次決算まで一連の経理業務を担当し、簿記1級も取得して専門性を高めてまいりました。現在の職場では基本的な経理業務を一通り経験させていただきましたが、今後はより高度な業務である連結決算や開示業務、管理会計の分野でスキルアップを図りたいと考えております。御社は上場企業として厳格な内部統制と高度な経理業務が求められる環境であり、これまでの経験を活かしながら新たな挑戦ができると確信しております。将来的には経理のスペシャリストとして企業価値向上に貢献したいと考えており、御社でのキャリアアップを通じてその目標を実現したいと思います。

現在、従業員数50名の製造業で経理担当として3年間勤務しております。月次決算から年次決算、税務申告まで幅広い業務を経験し、簿記1級も取得いたしました。現職では経理業務の基礎を固めることができましたが、今後はより専門性の高い連結決算や開示業務に携わることで、経理のプロフェッショナルとしてさらに成長したいと考えております。御社のような上場企業での経験を通じて、より高度な会計知識と実務スキルを身につけ、将来的には経理部門のリーダーとして組織運営にも貢献したいと思います。

(4)経理職の志望動機で気を付けたいNG例

経理職の志望動機でよく見られるNG例として、抽象的で具体性に欠ける内容があります。「数字が好きだから」「安定した職種だから」といった表面的な理由だけでは、真剣度や具体的な職業理解が伝わりません。また、「勉強したいから」「スキルアップしたいから」という学習意欲だけを前面に出した志望動機も、企業への貢献性が見えないため好ましくありません。

現職への不満を前面に出した志望動機も避けるべきです。「現在の職場は残業が多いから」「給与が安いから」といったネガティブな理由は、面接官に悪い印象を与える可能性があります。転職理由と志望動機は分けて考え、志望動機では前向きな動機を中心に構成することが重要です。

また、応募企業について十分に調査せずに作成した志望動機も問題があります。どの企業にも当てはまるような一般的な内容では、本気度が疑われてしまいます。応募企業の事業内容や特徴を具体的に調査し、その企業ならではの魅力と自分の目標との一致点を明確に示すことが必要です。

■転職エージェントの活用法

(1)経理職に特化したエージェントの選び方

経理職の転職を成功させるためには、経理・会計分野に特化した転職エージェントの活用が非常に効果的です。一般的な総合転職エージェントも有用ですが、経理職特有の業務内容やキャリアパスを深く理解している専門エージェントの方が、より適切なアドバイスと求人紹介を受けることができます。

経理特化型エージェントを選ぶ際のポイントとして、コンサルタントの経理・会計分野での実務経験や専門知識の深さを確認することが重要です。経理業務の実態を理解していないコンサルタントでは、適切なマッチングは困難です。また、取り扱う求人の質と量、特に希望する業界や企業規模での実績があるかどうかも重要な判断基準となります。

さらに、面接対策や職務経歴書の添削といったサポート体制の充実度も確認すべきポイントです。経理職特有の面接質問への対策や、経理業務の経験を効果的にアピールする方法について具体的なアドバイスを提供できるエージェントを選ぶことが転職成功の鍵となります。

(2)転職エージェントを利用するメリット

経理・財務・会計分野に特化した転職エージェントの代表例として、ジャスネットキャリア(ジャスネットコミュニケーションズ)があります。同社は会計専門の人材紹介会社として長年の実績を持ち、経理職の転職市場に精通したコンサルタントが在籍しています。

ジャスネットキャリアの特徴として、公認会計士や税理士といった有資格者や実務経験豊富な経理担当者~未経験の経理職希望者まで、幅広いレベルの転職支援に対応していることが挙げられます。また、上場企業から中小企業まで様々な規模の企業との強いネットワークを持っており、求職者の希望に応じた多様な選択肢を提供することができます。

転職活動においては、単に求人紹介を受けるだけでなく、キャリアカウンセリングを通じて自分の強みや適性を客観的に把握することも重要です。専門エージェントであれば、経理職としてのキャリアプランについて具体的で実用的なアドバイスを受けることができ、より戦略的な転職活動を展開することが可能になります。

■まとめ

経理職の転職を成功させるためには、明確な転職理由と将来のキャリアビジョンを持つことが最も重要です。単に現職への不満だけでなく、自分が目指すキャリアパスと転職先企業での具体的な貢献方法を明確にすることで、説得力のある転職活動を展開することができます。
転職理由を伝える際は、ネガティブな要素をポジティブに変換し、建設的で前向きな動機として表現することが大切です。また、経理職として必要なスキルや資格を継続的に向上させ、転職市場での競争力を高める努力も欠かせません。

経理職としてのキャリアアップを目指す皆様が、本記事の内容を参考にして理想の転職を実現されることを心より願っております。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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