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経理シェアードサービス会社に転職したい!求人情報と業界の全貌を今すぐチェック

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2025年7月29日ジャスネットキャリア編集部

経理職として数年の経験を積んできた方の中には、「もっと専門性を高めたい」「年収アップを実現したい」と感じている方もいらっしゃいますよね。
そんな経理職の新たなキャリア選択肢として注目されているのが「経理シェアードサービス会社」への転職です。

経理シェアードサービス会社とは、企業グループの経理機能を集約し、効率的に運営する専門組織での経理職のこと。従来の単独企業での経理業務とは異なり、複数の企業の経理業務を担当することで、幅広い業界経験と高度な専門性を同時に身につけることができる魅力的な働き方です。

このガイドでは、経理シェアードサービス会社への転職を検討している方に向けて、実際の求人情報から業務の実態、転職のメリット、必要なスキル、成功のための戦略まで、転職活動に必要な情報を網羅的にお伝えします。経理職としてのキャリアを次のステージに進めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

■まずは経理シェアードサービス会社の求人を見てみましょう!

転職を検討する際、実際の求人情報を確認することで具体的なイメージを掴むことができます。経理シェアードサービス会社の求人にはどのような特徴があるのか、実際の求人例をもとに見ていきましょう。

【求人例1】大手商社グループのシェアードサービス経理職

想定年収 450万円~650万円
業務内容 グループ10社の月次・四半期決算業務、連結決算サポート、税務申告業務
必要スキル 簿記2級以上、月次決算経験3年以上、Excel上級レベル
勤務地 東京都内(リモートワーク併用可)
福利厚生 住宅手当、退職金制度、カフェテリアプラン

【求人例2】外資系製造業のファイナンス・シェアードサービス

想定年収 550万円~700万円
業務内容 アジア太平洋地域の経理業務統括、IFRS対応、システム導入プロジェクト参画
必要スキル 経理実務5年以上、TOEIC700点以上、SAP使用経験歓迎
勤務地 横浜市(フレックスタイム制)
福利厚生 社会保険完備、株式購入制度、海外研修制度

【求人例3】IT企業グループのビジネスサービス部門

想定年収 400万円~550万円(未経験者歓迎)
業務内容 売掛・買掛管理、月次決算補助、システムを活用した業務効率化
必要スキル 簿記2級、基本的なPC操作、学習意欲の高い方
勤務地 大阪市(週2日在宅勤務可)
福利厚生 教育研修制度充実、資格取得支援

これらの求人例を見ると、シェアードサービス経理職の特徴として以下の点が挙げられます。

年収レンジは400万円台から700万円台と幅があり、経験年数や語学力、専門スキルに応じて決定されます。未経験者を歓迎する企業もあれば、高度な専門性を求める企業もあり、自身のスキルレベルに応じて選択肢を見つけることができます。

業務内容では、複数の企業を担当することが一般的で、月次決算や税務業務に加えて、システム関連業務やプロジェクト参画の機会も豊富です。

働き方の面では、多くの企業でリモートワークやフレックスタイム制度が導入されており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能です。また、教育研修制度や資格取得支援など、スキルアップをサポートする制度も充実しています。

■どうしていま経理シェアードサービス会社が注目されているの?

経理職の転職市場において、「シェアードサービス」という働き方が注目を集めています。企業グループの経理機能を集約し、専門組織として運営するこの仕組みは、経理職のキャリア形成に新たな可能性をもたらしているからです。

経理担当者として数年の経験を積んできた方にとって、次のステップを考える際の重要な選択肢となるのがシェアードサービスへの転職です。従来の単独企業での経理業務とは異なる環境で、より広範囲な経験と専門性を身につけることができる魅力的な働き方といえるでしょう。

■経理シェアードサービス会社の仕組みとは

経理シェアードサービス会社とは、企業グループ内の各社が個別に行っていた経理業務を、専門の組織に集約して効率的に運営する仕組みです。この組織は、グループ全体の経理機能を担う専門チームとして位置づけられ、高度な標準化とシステム化により業務を遂行します。

従来の経理業務では、各会社が独自の方法で帳簿管理や決算処理を行っていました。しかし、シェアードサービスでは統一されたルールとシステムを使用し、複数の会社の経理業務を一元的に処理します。これにより、業務品質の向上とコスト効率の最適化を同時に実現しています。

この仕組みの最大の特徴は、経理業務の「工業化」ともいえる標準化プロセスです。個別対応が必要な業務を除き、多くの定型業務は効率的なワークフローで処理され、経理担当者はより高度な判断を要する業務に集中できる環境が整備されています。

経理シェアードサービス会社で働く職員は、単一企業の経理では経験できない多様な業界や事業形態の会計処理に携わることができ、経理職としての専門性を飛躍的に高めることが可能です。

■従来企業の経理職との違いは?

シェアードサービスの経理と従来企業の経理職では、業務の性質や働き方において根本的な違いが存在します。

(1)従来企業の経理職

従来企業の経理職では、自社の事業活動に密着した業務が中心となります。営業担当者からの売上報告を受けて売掛金を計上したり、購買部門と連携して仕入れの処理を行ったりするなど、社内の様々な部門との協働が日常的に発生します。また、月次の業績報告では経営陣に直接説明を行う機会もあり、経営に近い立場での業務経験を積むことができます。

(2)シェアードサービス経理職

これに対して経理シェアードサービス会社では、複数の企業の経理業務を効率的に処理することが主要なミッションとなります。各企業からの依頼に基づいて正確かつ迅速に業務を完了させることが求められ、業務プロセスの改善や効率化に対する高い意識が必要です。

処理する業務の規模についても大きな差があります。シェアードサービスでは、月次で数万件から数十万件という大量の取引データを処理することが一般的で、システムを駆使した効率的な業務運営が不可欠です。このため、ITスキルや業務改善に対する感度が特に重要視されます。

また、働く環境についても、シェアードサービスでは専門性の高いチーム体制で業務に取り組むため、同じ分野に携わる担当者同士での知識共有や切磋琢磨の機会が豊富にあります。

一方で、業務の標準化と分業が進んでいるため、ルーティンワークの比重が高くなる職場もあります。キャリア志向に応じた企業選びが重要です。

■どんな仕事をするの?経理シェアードサービス会社の一日

経理シェアードサービス会社の業務内容は、効率性と正確性を両立させた高度に組織化されたプロセスで構成されています。

(1)売上管理業務

売上管理業務では、複数のグループ企業からの売上データを統合システムで一括処理します。各企業の売上計上基準に従って適切な会計処理を行い、請求書の発行から入金確認まで一連の流れを管理します。月末には売掛金の残高照合を行い、各企業に対して詳細な売掛金レポートを提供します。

(2)購買・支払管理業務

購買・支払管理業務では、グループ各社の購買データを基に、仕入計上から支払処理まで一元的に管理します。大量の取引データを効率的に処理するため、システムの自動化機能を最大限活用し、例外処理や確認が必要な案件のみ人的対応を行います。

(3)月次決算業務

月次決算業務では、各企業の月次業績を正確に把握するための資料を作成します。統一された決算スケジュールに従って、勘定残高の確認、部門別損益の集計、予算対比分析などを実施し、経営判断に必要な情報を適切なタイミングで提供します。

(4)年次決算業務

経理シェアードサービス会社では主に年次決算データの整備や補助を担い、税務申告書の作成や監査対応は本社経理部門が担当する場合もあります。

このほか、予算管理業務や管理会計業務、内部統制対応など、企業経営をサポートする幅広い業務に携わる機会があります。

■経理シェアードサービス会社への転職で得られるメリット5つ

経理シェアードサービス会社への転職は、経理職としてのキャリアに多面的なメリットをもたらします。

(1)多くの業界経験が獲得できる

様々な業界経験の獲得が最も大きなメリットの一つです。
製造業、小売業、IT業界、金融業など、グループ内の多様な事業の経理業務に携わることで、業界特有の会計処理や商慣行を理解することができます。この経験は、将来的にどの業界に転職する際にも強力な武器となります。

(2)最新のシステム活用能力の向上

システム活用能力の飛躍的向上も重要なメリットです。
シェアードサービスでは最新の会計システム、ERPシステム、業務自動化ツールが積極的に導入されており、これらを日常的に使用することで高度なITスキルが身につきます。RPAやAIツールの活用経験も、将来のキャリアにおいて大きな差別化要因となります。

(3)大量のデータ処理スキルの習得

大規模データ処理のスキル習得も見逃せないポイントです。
従来の経理業務では扱うことのない大量のデータを効率的に処理する経験により、データ分析能力や業務効率化のセンスが大幅に向上します。

(4)品質管理とプロセス改善の専門性

品質管理とプロセス改善の専門性も身につきます。
シェアードサービスでは業務品質の維持と継続的な改善が重要なテーマとなっており、品質管理手法やプロセス改善のノウハウを実践的に学ぶことができます。

(5)グローバル環境での業務経験

外資系やグローバル企業では英語を使う機会が多い一方、国内企業の経理シェアードサービス会社では日本語中心の業務が多く、配属先による違いがあります。

■どうやってキャリアを積み重ねていくの?

経理シェアードサービス会社でのキャリアパスは、従来の経理職とは異なる独特な発展性を持っています。

ステップ①

初期段階では、基本的な業務処理能力の習得からスタートします。システムの操作方法、業務フローの理解、品質基準の習得など、シェアードサービス特有の働き方に慣れることが重要です。この段階では正確性と効率性が主要な評価基準となります。

ステップ②

中堅レベルでは、より複雑な業務や責任のあるプロジェクトを担当するようになります。複数企業の月次決算を統括したり、システム導入プロジェクトのメンバーとして参加したりする機会があります。また、新人教育や業務改善提案なども重要な役割となります。

ステップ③

上級レベルでは、チームリーダーやマネージャーとして組織運営に関わります。業務戦略の立案、品質管理の推進、顧客企業との関係構築など、マネジメント能力が求められる業務が中心となります。

ステップ④:その後のキャリアパス

シェアードサービスでの経験は、その後のキャリアにおいても高く評価されます。各グループへの転籍や出向といったキャリアがあります。また、事業会社の経理マネージャーや財務部長への転職では、効率的な業務運営や大規模データ処理の経験が強みとなります。

コンサルティング業界への転職も有力な選択肢です。実際に、BPR(業務改革)やSSC構築支援などを行うコンサル企業では、シェアードサービスの経理経験者を積極採用する例が見られます。シェアードサービスの構築や運営に関するコンサルティング需要は高まっており、実務経験者は非常に重宝されます。

実際のところ、経理シェアードサービス会社の経験者はBPRや業務改善に強みがありますが、経営企画や事業企画など非会計系部門への転身には意識的なスキル転換が必要な場合もあります。

近年では、デジタル化推進担当やDX(デジタルトランスフォーメーション)責任者としてキャリアを発展させる人材も増えており、シェアードサービスでのIT活用経験が新たなキャリアの扉を開いています。

■どんなスキルを身につければいい?転職成功の準備

経理シェアードサービス会社への転職を成功させるためには、基本的な経理知識に加えて、特有のスキルセットが求められます。

(1)基礎知識

会計・税務の基礎知識については、簿記2級以上の資格と実務経験が最低限必要です。
月次決算業務の経験、年次決算での監査対応経験があると評価が高くなります。税務申告書の作成経験や会計基準の理解も重要な要素です。

(2)ITスキル

ITスキルについては、Excel の高度な活用能力が必須となります。
関数の組み合わせ、ピボットテーブルの作成、マクロの作成・編集など、大量データを効率的に処理するための技術が求められます。また、会計システムやERPシステムの使用経験があると大きなアドバンテージとなります。

(3)業務改善の経験

業務改善に対する意識と経験は必須ではありませんが、高く評価されるでしょう。
現状の業務プロセスを分析し、より効率的な方法を提案・実行した経験があればアピールの材料となります。品質管理の手法や改善活動の経験も有用です。

(4)コミュニケーション能力

コミュニケーション能力については、多様なステークホルダーとの調整能力が重視されます。社内の各部門はもちろん、グループ企業の担当者、外部の監査法人など、様々な関係者と円滑にコミュニケーションを取る能力が必要です。

(5)語学力

語学力、特に英語力は今後ますます重要になっています。必須ではありませんがTOEIC700点以上の英語力があると、グローバル案件を担当できる機会が増え、キャリアの選択肢が大幅に広がります。

■どうすれば転職活動を成功させられる?

経理シェアードサービス会社への転職を実現するためには、戦略的なアプローチが不可欠です。

(1)経験とスキルの棚卸し

まず、自身の経験とスキルの棚卸しを行い、シェアードサービス業務にどのように貢献できるかを明確にします。従来の経理経験の中でも、大量データの処理経験、システム活用経験、業務改善の取り組みなど、シェアードサービスに関連する要素を具体的に整理します。

(2)応募書類の作成

応募書類の作成では、数値を用いた具体的な実績を記載することが重要です。
「月次決算業務を担当」ではなく「月間2,000件の仕訳処理を担当し、業務効率化により処理時間を30%短縮」といった具体的な表現を心がけます。

(3)面接対策

面接対策では、シェアードサービスの仕組みや効果について基本的な理解を深めておくことが必要です。また、志望動機については、なぜシェアードサービスを選ぶのか、どのような貢献ができるのかを論理的に説明できるよう準備します。

(4)転職エージェントの活用

転職エージェントの活用も効果的な戦略です。
シェアードサービスの求人は公開されることが少なく、専門的な転職エージェントとのネットワークが重要となります。経理・財務専門のエージェントや、大手企業・外資系企業に強いエージェントとの関係構築が転職成功の鍵となります。

情報収集も重要な要素です。業界動向、各企業のシェアードサービス導入状況、求人動向などを継続的に収集し、転職市場の動きを把握することで、適切なタイミングでの応募が可能となります。専門のエージェントであれば、そういった情報にも精通しています。

タイミングについても戦略的に考える必要があります。多くの企業で決算期後の人材募集が活発になるため、4月から7月、10月から12月の時期を狙って活動することが効果的です。

■どのくらいの年収が期待できるの?

経理シェアードサービス会社の年収水準は、一般的な経理職と比較して競争力のある水準に設定されています。

(1)初級レベル

初級レベル(経験3年程度)では、年収400万円から550万円程度が一般的な水準です。基本的な経理業務を正確に遂行できる能力があれば、この水準からスタートすることができます。

(2)中級レベル以上

中級レベル(経験5年から8年程度)では、年収は経験や地域、企業規模により大きく異なります。中堅規模の経理シェアードサービス会社では500~600万円が主流のレンジとなる場合もあります。複数企業の担当や月次決算のリーダー業務を任される段階で、業務の責任範囲に応じて年収も上昇します。

(3)年収以外の待遇面

年収以外の待遇面でも充実した条件が提供されることが多く、住宅手当、交通費全額支給、社会保険完備は標準的な条件となっています。また、企業型確定拠出年金、ストックオプション、カフェテリアプランなど、多様な福利厚生制度が整備されている企業が多いのも特徴です。

働き方改革への取り組みも積極的で、フレックスタイム制度、リモートワーク制度、育児・介護支援制度など、ワークライフバランスを重視した制度が充実しています。

昇進・昇格の機会も豊富で、成果に応じた適正な評価システムが整備されています。業務改善による貢献、品質向上への取り組み、顧客満足度の向上など、多角的な評価基準により公正な人事評価が行われます。

■これからどうなる?経理職の未来を考える

経理シェアードサービス会社を取り巻く環境は、テクノロジーの進歩とビジネス環境の変化により大きく変わりつつあります。

(1)デジタル化の進展

デジタル化の進展により、従来の定型業務の多くが自動化されています。AIによる仕訳の自動生成、RPAによる繰り返し業務の自動実行、OCRによる帳票読み取りの自動化など、テクノロジーを活用した業務効率化が急速に進んでいます。

この変化により、シェアードサービス経理職には、より高度な判断を要する業務や戦略的な業務への集中が求められています。例外処理の対応、データ分析による経営支援、内部統制の強化、リスク管理の推進など、人間の判断力や創造性が必要な業務の比重が高まっています。

(2)グローバル化

グローバル化の進展も重要なトレンドです。日本企業の海外展開拡大に伴い、グローバル・シェアードサービスの需要が増加しています。多国籍企業での経理業務経験、国際会計基準への対応能力、多言語でのコミュニケーション能力などが、今後ますます重要になってきます。

(3)サステナビリティ経営

サステナビリティ経営の重要性の高まりも、経理職に新たな専門領域をもたらしています。一部の企業では、将来的にESG会計や非財務情報開示対応が求められる可能性もあり、注目分野となっています。ESG(環境・社会・ガバナンス)関連の会計処理、サステナビリティレポートの作成、炭素会計などの新しい分野での専門性が求められています。

■まとめ

参考になりましたでしょうか。
これからの変化を踏まえると、シェアードサービス経理職は、従来の業務処理専門家から、企業価値創造に貢献する戦略的パートナーへと役割が進化していくことが予想されます。この変化に対応し、継続的にスキルアップを図ることで、長期的なキャリア成功を実現することができるでしょう。

経理職を取り巻く環境の変化は加速していますが、シェアードサービスでの経験は、これらの変化に適応し、新時代の経理職として活躍するための重要な基盤となります。転職を検討している経理経験者にとって、経理シェアードサービス会社は、キャリアの新たな可能性を切り開く魅力的な選択肢といえるでしょう。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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