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未経験から経理へ転職は難しい?成功の秘訣を徹底解説【2025年版】

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ジャスネットキャリア編集部

「経理職に興味はあるけれど、未経験からでは難しいのでは?」そう感じる方は少なくありません。実際に経理は専門性の高い職種であり、簿記や会計知識などのスキルが求められることが多いため、ハードルが高く感じられがちです。しかし、未経験でもしっかりと準備を重ねれば、経理職への転職は十分に可能です。

本記事では、経理職の魅力から、未経験者が取るべき具体的なステップ、転職市場の実情やキャリアアップの可能性にも触れながら、転職成功のコツを解説します。

目次

■未経験から経理に転職する難しさとは?

経理職は専門性が高く、未経験からの転職に不安を感じる方も多いでしょう。実際、簿記の知識や正確な事務処理能力が求められ、即戦力が重視される傾向もあります。ここでは、未経験者が知っておくべきポイントを整理します。

(1)経理職の求められるスキルと知識

経理では、簿記の知識とExcelスキルが基本となります。取引の仕訳や帳簿の作成、会計ソフトの操作が主な業務になるため、日商簿記3級以上の理解は必須です。また、関数を使ったデータ処理や表の作成など、パソコン操作にも慣れておく必要があります。

(2)未経験者が直面する具体的な課題

未経験者は以下のような壁に直面しがちです。

  1. 「経験者優遇」の求人が多いため、書類選考で不利になる可能性がある
  2. 業務内容の理解が浅く、志望動機が弱くなりがち
  3. 前職での経験をどう経理に結びつけるかが難しい

しかし、数字を扱う業務経験や正確さを求められる作業に携わっていた実績は、経理に活かせる強みとなります。これらを上手にアピールすることで、未経験でもチャンスを掴むことは十分に可能です。

■経理職の仕事内容とその魅力

(1)経理の基本業務とは

経理とは、企業活動に伴うお金の流れを記録・管理する職種です。具体的には、日々の取引を帳簿に記録する仕訳入力から始まり、売上や仕入れの管理、請求書の発行、支払業務、月次や年次の決算、さらには税金の申告資料の作成補助など、多岐にわたる業務を担います。

経理の仕事は、企業の財務状態を正確に把握し、経営判断の基礎データを提供する役割も果たすため、非常に重要です。地道で細かい作業が多い反面、会社を数字の面から支える実感が得られるやりがいのある職種です。

(2)経理職が持つキャリアの可能性

経理職には、長期的なキャリア形成が見込める魅力があります。初期は補助的な業務からスタートし、経験を積むことで、月次や年次決、連結決算を任されたり、管理会計を担当したりと、より高度な業務に携わるようになります。将来的には経理マネージャーや部門のリーダーとして活躍することも可能です。

また、経理で得たスキルは、会計事務所や税理士法人への転職、さらには独立開業などにも活かせます。企業内だけでなく、フリーランスや士業との連携など、働き方の選択肢が広がるのも魅力のひとつです。

■経理職の求人市場の現状

(1)未経験者向けの求人動向

近年、経理職の求人には「未経験OK」と記載されているものが増えてきました。特に人手不足が続く中小企業や、経理の内製化を進めるベンチャー企業では、ポテンシャル採用を行うケースも目立ちます。

クラウド会計ソフトの普及により、従来よりも業務が効率化され、経理未経験者でも対応できる業務が増えている点も背景にあります。事務や営業職からの社内異動によって経理業務を担うケースもあり、柔軟なキャリアチェンジのひとつとして注目されています。

(2)経理職の競争率とその背景

一方で、大手企業や待遇の良い求人には応募が集中する傾向があります。特に正社員での採用や在宅勤務可能な求人は人気が高く、競争率が激しくなります。
このような求人に応募するには、資格の取得だけでなく、実務経験やPCスキル、職務経歴書の質が問われるため、事前の準備が不可欠です。

■未経験者が経理に転職するためのステップ

(1)必要な資格やスキルの取得

経理職に未経験から転職を目指す場合、まずは基本的な会計知識を身につけることが重要です。その第一歩として、日商簿記3級の取得が推奨されます。これは仕訳や帳簿の構造といった基本を理解する上で欠かせない資格です。

あわせてExcelの操作スキルも重要です。関数の活用や表計算処理は日常業務に頻出します。

さらに、より実務に直結する知識を証明するために日商簿記2級を目指すのも有効です。特に中小企業やベンチャー企業では、簿記2級を持っていることで実務即戦力とみなされることもあります。有効と書きましたが、未経験の方の場合はまず取得されることをお勧めします。

(2)実務経験を積むための方法

資格だけでは実務経験に勝るアピールポイントにはなりづらいため、可能であれば実務に触れる機会を設けましょう。

たとえば、会計事務所や中小企業の経理補助としての派遣社員、アルバイトなどで経験を積む方法があります。中でも会計事務所は、経験を積むという側面ではお勧めです。まずは、どのような形でも実務に携わり「経験者」となることを考えましょう。

ジャスネットでは、隔月で刊行する『税界タイムス』をきっかけに多くの会計事務所との繋がりがあります。あなたに適切な会計事務所をご紹介することが可能です。

また、職業訓練校の経理講座も、座学と実習を組み合わせた実践的な内容で、実務の雰囲気を知るには最適です。

ジャスネットでは、東京都からの委託を受け、育児や介護などしながら転職を目指す方を応援する公共職業訓練の講座を行っています。定期的に募集を行っていますので、下記のリンクをご覧ください。

■未経験でも評価される転職活動における自己PRのポイント

(1)経理に関連する経験をアピールする方法

自己PRでは、経理と直接関係がなくても、数字を扱う業務経験を具体的に説明することが効果的です。たとえば、「店舗での売上管理を行っていた」「在庫数の集計と報告を担当していた」「現金の取り扱いに責任を持っていた」といったエピソードは評価されやすくなります。

また、業務マニュアルを整備した経験や、複数のタスクを同時に管理していた実績なども、経理の仕事に通じるスキルと評価されることがあります。

加えて、ExcelやWordを使った資料作成の経験や、正確さを求められる事務作業を任されていたことなども、アピール材料になります。

(2)志望動機の作成ポイント

志望動機を作成する際は、まず企業の魅力を具体的に述べることが重要です。どのような点が魅力的であるかを明確にし、あなたがその企業で働きたい理由を示しましょう。

次に、「なぜ経理職を志望するのか」と「自分の経験がどう活かせるのか」を明確に伝えることが大切です。未経験であっても、「日商簿記の勉強を通じて、数字を扱う仕事の面白さに目覚めた」「今後は専門性のある仕事に就きたい」という意欲をしっかりと示すことで、好印象を与えられます。

さらに、自分が転職先企業にどう貢献できるかを具体的に伝えると、より説得力のある志望動機になります。

【関連リンク】

  1. 書類選考の壁を突破!職務経歴書の書き方

■経理未経験者の転職成功事例

【ケース1】アパレル販売員から経理にチャレンジ

転職成功事例(Aさん・20代・女性)

Aさんは、大学卒業後にアパレルショップで販売員として働いていました。売上管理やレジ締め、在庫の発注管理など店舗運営に関わる業務を任されていたことから、「数字に強い」「正確な処理ができる」という点を評価されました。 転職活動では、職務経歴書に具体的な業務内容とエピソードを詳しく記載し、加えて日商簿記3級を取得していたことも後押しとなり、中小企業の経理アシスタント職として採用されました。現在は、仕訳や伝票処理、会計ソフトへの入力業務を中心に、経理実務を積んでいます。

【ケース2】店舗運営スタッフから経理にチャレンジ

転職成功事例(Tさん、30代、男性)

Tさんは、飲食チェーンの店舗運営スタッフとして勤務していました。店舗責任者として、在庫管理や発注、スタッフの勤怠管理などを一括して担当。特に複数店舗を同時に管轄していた時期には、タスクを並行管理しながら、効率的な店舗運営を実現していました。
さらに、業務マニュアルの改善を自ら提案し、全社展開された経験もあります。これらの取り組みが「業務を正確かつ効率的に管理できる力」として評価されました。
転職活動では、面接で経理未経験である点をカバーするため、責任感のある仕事ぶりと数字への意識の高さをアピールしました。その結果、製造業の経理担当職に転職が決定。入社後は伝票処理、請求書管理、経費精算業務を中心に、現在は月次決算の補助まで任されています。

このように、未経験であっても異業種で培ったスキルが評価され、経理への転職を実現している人は少なくありません。

■転職活動での注意点

(1)経理職の実態を理解する

転職を成功させるには、理想だけでなく経理職の現実も理解しておく必要があります。たとえば、月末や決算時期は業務が集中し、残業が発生しやすくなります。また、正確性が求められる分、プレッシャーを感じる場面もあります。

その一方で、ルーティン業務が安定しているため、慣れてしまえば働きやすく、ワークライフバランスを保ちやすい職場も多いのが特徴です。

(2)転職エージェントの活用法

自分のキャリアに合った求人を見つけるためには、転職エージェントの活用が効果的です。経理職に特化したエージェントでは、実務未経験でも応募可能な求人や、簿記資格を評価してくれる企業の情報など、ネットでは得られないリアルな情報を提供してくれます。履歴書・職務経歴書の添削や面接対策なども受けられるため、初めての転職活動でも安心して進めることができます。

エージェントとのコミュニケーションでは、自分の希望や不安をしっかり伝えることを心がけましょう。

経理職への転職を成功させるには、資格やスキルの取得だけでなく、「戦略的な行動」が欠かせません。その鍵となるのが、ネットワークの活用と多角的な情報収集です。

ネットワークづくりは、単なるコネ探しではなく、自分の可能性を広げるための活動です。たとえば、資格講座やセミナーに参加することで、同じ目標を持つ仲間や、現役の経理担当者と出会うことができます。

こうした交流から、求人情報や実際の職場の雰囲気、企業ごとの採用傾向といった「ネットには載っていないリアルな情報」を得ることができます。また、XなどのSNSでは、会計士や経理職の方々が日々の業務やキャリアについて発信しており、最新トレンドや勉強方法、転職成功談などを手軽に収集できます。

加えて、転職活動で失敗しないためには、求人票の条件面だけで企業を選ばず、自分がその企業で長く働けそうかどうかという視点を持つことが大切です。企業のIR情報や決算書から経営状態を把握したり、社員インタビューや口コミを通じて社風や働き方を調べることで、ミスマッチを防ぐことができます。特に経理職は「一度入社したら長く勤めたい」と考える方が多いため、事前の情報収集がその後の満足度に直結します。

成功の秘訣は「つながりを持ち、裏側まで調べる姿勢」です。信頼できる情報をいかに集め、どう活用するかが、転職成功の分かれ道となります。

■経理職の年収とキャリアアップの可能性

(1)経理職の平均年収

経理職の年収は、業界、地域、企業規模によって大きく異なりますが、未経験者がスタートする場合は300万円台が一般的です。その後、実務経験を重ねていくことで400〜500万円、マネジメント職や専門性の高い職務に就けば600万円以上を目指すことも可能です。

経験年数 年収の目安
1〜3年 約300〜400万円
4〜6年 約400〜500万円
7年以上 約500〜700万円

安定した職種である一方で、成長に応じて収入アップも見込める点は大きな魅力です。

(2)キャリアアップのための戦略

将来的にキャリアアップを目指すには、資格のステップアップが効果的です。簿記2級から1級、さらには税理士試験科目の受験などで、専門性を高めていくことができます。
英語力を活かせば、外資系企業やグローバル企業で国際会計基準(IFRS)に関わる業務への道も開けます。

また、経理と財務を兼務するポジションや、経営企画を行う部署への異動など、社内でのキャリアチェンジも視野に入れると選択肢が広がります。

■まとめ

経理職への転職は、専門性が高く未経験者には難しいと思われがちです。しかし、実際には多くの人が異業種からの転職を成功させています。その背景には、しっかりとした準備と戦略的な転職活動があります。

資格取得や実務経験の積み上げ、自己PRの明確化、そして求人の増える時期を見極めるタイミング戦略など、どれも小さな努力の積み重ねです。しかし、それらが着実に結果を生み出すのが経理職というキャリアです。

経理職は、「難しい」のではなく、「正しい方法で準備すれば、誰にでもチャンスがある職種」です。ぜひ今回の記事をきっかけに、あなたの新しいキャリアへの一歩を踏み出してください。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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