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会計事務所の転職面接対策|よく聞かれる質問と準備方法を徹底解説

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2025年9月22日 ジャスネットキャリア編集部

会計事務所への転職を検討している方にとって、面接は最も重要な関門の一つです。会計事務所の面接では、一般的な企業面接とは異なる特徴的な質問や評価基準があるため、事前の準備が成功の鍵を握ります。この記事では、会計事務所の面接で実際によく聞かれる質問から、面接官に好印象を与えるための準備方法まで、転職成功に向けた実践的なアドバイスを詳しく解説していきます。

目次

■会計事務所の面接対策を徹底解説

(1)面接準備の重要性と基本的な流れ

会計事務所の面接準備は、単に質問への回答を考えるだけでは不十分です。 会計事務所という業界の特性を理解し、求められる人物像を把握することが大切になります

会計事務所では、クライアントとの信頼関係が事業の根幹となるため、面接官は応募者の人柄やコミュニケーション能力を重視します。また、正確性と責任感も重要な評価ポイントとなるため、面接での受け答えにも細心の注意を払う必要があります。

基本的な面接の流れとしては、まず自己紹介、志望動機、これまでの経験や実績についての質問が続きます。その後、会計や税務に関する専門的な知識を問う質問や、実際の業務場面を想定したケーススタディが行われることもあります。最後に、応募者からの逆質問の時間が設けられ、面接が終了するという流れが一般的です。

準備期間は最低でも面接の1週間前から始めることをおすすめします。この期間中に、応募先の事務所について詳しく調べ、自分の経験やスキルを整理し、想定される質問への回答を準備しておきましょう。

(2)面接当日の心構えと注意点

面接当日は、時間に余裕を持って到着することが基本です。会計事務所は時間管理が特に重視される職場であるため、遅刻は致命的なマイナス評価につながります。面接開始時刻の10分前には受付を済ませておくのが理想的です。

面接中の心構えとして最も大切なのは、誠実さを心がけることです。会計事務所では、クライアントの大切な財務情報を扱うため、信頼できる人物であることを示す必要があります。知らないことを知ったふりをしたり、経験を誇張したりするのではなく、正直に答えることが重要です。

また、面接官の質問には簡潔で的確に答えるよう心がけましょう。会計の仕事では、複雑な情報を整理して分かりやすく伝える能力が求められるため、面接での受け答えもその能力を示す機会となります。

緊張してしまうのは自然なことですが、適度な緊張感は面接への真剣な取り組みを示すものでもあります。深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、自分らしさを大切にして面接に臨みましょう。

■面接前に準備しておくべきこと

(1)業界研究と企業研究の重要性

会計事務所業界の現状や動向を理解することは、面接で自分の志望動機を説得力のあるものにするために欠かせません。近年の会計業界では、DX化の進展により従来の記帳代行業務から、より付加価値の高いコンサルティング業務へのシフトが進んでいます。このような業界の変化について理解を示すことで、面接官に対して業界への真剣な関心をアピールできます。

応募先の事務所について詳しく調べることも同様に重要です。事務所のウェブサイトを隅々まで確認し、代表者の経歴や事業内容、クライアントの業種、事務所の理念や強みなどを把握しておきましょう。可能であれば、その事務所が発信するブログやSNSもチェックし、事務所の雰囲気や価値観を理解することをおすすめします。

また、応募先が個人の会計事務所なのか、大手の税理士法人なのかによって、求められる人物像や働き方も大きく異なります。個人事務所では、幅広い業務に対応できる柔軟性と、クライアントと密接な関係を築けるコミュニケーション力が重視されます。一方、大手法人では、専門性の高さや組織の一員としてチームワークを発揮できる能力が評価されることが多いです。

(2)自己分析と実績の整理

面接で自分をアピールするためには、これまでの経験や実績を整理し、応募先の事務所で活かせる要素を明確にしておく必要があります。会計事務所の仕事は多岐にわたるため、一見関係ないと思える経験でも、切り口を変えることで大きなアピールポイントになることがあります。

例えば、営業職の経験がある場合は、クライアントとの関係構築能力やコミュニケーションスキルをアピールできます。また、事務職の経験であれば、正確性やスピードを求められる環境での経験として評価される可能性があります。重要なのは、その経験を通じて身につけたスキルや考え方が、会計事務所の仕事にどのように活かせるかを具体的に説明できることです。

資格についても整理しておきましょう。簿記検定や税理士試験の科目合格、その他の関連資格があれば、取得時期や勉強方法、その資格を活かした経験について説明できるようにしておきます。資格を持っていない場合でも、現在勉強中であることや、今後の取得予定について前向きに伝えることで、学習意欲をアピールできます。

■面接時の印象を良くするためのポイント

(1)服装や身だしなみのチェック

会計事務所の面接では、清潔感のあるビジネススーツが基本となります。男性の場合は、濃紺やダークグレーのスーツに白いシャツ、派手すぎないネクタイを選びましょう。女性の場合も、落ち着いた色合いのスーツやジャケットスタイルが適しています。

靴や鞄などの小物にも気を配ることが大切です。靴は汚れや傷がないか確認し、必要であれば事前に手入れをしておきましょう。鞄は書類がきちんと入るサイズのビジネスバッグを選び、面接資料を整理して持参します。

髪型や爪なども身だしなみの重要な要素です。清潔感があり、業務に支障のない範囲で整えておきましょう。アクセサリーは控えめにし、香水なども強すぎないよう注意が必要です。

会計事務所では、クライアントとの信頼関係が重要であるため、面接官は応募者がクライアントの前に出ても問題ないかという視点で服装をチェックしています。派手すぎず、かといって地味すぎない、バランスの取れた身だしなみを心がけましょう。

(2)第一印象を良くするための態度

面接室に入る瞬間から面接は始まっています。扉をノックする音量や入室時の挨拶、着席する際の所作など、すべてが評価の対象となります。背筋を伸ばし、相手の目を見て明るく挨拶することで、好印象を与えることができます。

話し方についても意識しましょう。会計事務所では、クライアントに複雑な税務や会計の内容を分かりやすく説明する機会が多いため、聞き取りやすい声の大きさやスピード、適切な敬語の使用が重要です。早口になりすぎないよう注意し、相手が理解しやすいよう間を取りながら話すことを心がけてください。

質問に答える際は、結論から先に述べる習慣をつけるといいでしょう。会計の仕事では、要点を整理して分かりやすく伝える能力が求められるため、面接での受け答えもその能力を示す機会となります。

■会計事務所の面接でよく聞かれる質問一覧

(1)自己紹介や経歴について

「簡潔に自己紹介をお願いします」 という質問は、ほぼ確実に聞かれる基本的な質問です。ここでは、名前、これまでの職歴、保有資格、そして会計事務所への転職を希望する理由を1~2分程度でまとめて話します。

経歴については、時系列に沿って説明するのが基本ですが、単に職歴を羅列するのではなく、それぞれの経験で身につけたスキルや学んだことを交えながら話すことが大切です。特に、会計事務所の業務に活かせそうな経験については、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。

「なぜ会計の道を選んだのですか」 という質問もよく聞かれます。この質問に対しては、会計という仕事の魅力や、自分が会計分野で成し遂げたいことを具体的に語ることが重要です。単に「安定しているから」や「資格があるから」といった表面的な理由ではなく、会計の仕事に対する真剣な想いを伝えましょう。

(2)志望動機やキャリアプランについて

「なぜ当事務所を志望されたのですか」 という質問では、応募先の事務所について事前に調べた内容を踏まえて答える必要があります。事務所の特徴や強み、理念などに触れながら、自分がその環境で働きたい理由を具体的に説明しましょう。

志望動機を話す際は、自分にとってのメリットだけでなく、自分がその事務所に貢献できることについても言及することが重要です。これまでの経験や保有スキルが、どのように事務所の発展に寄与できるかを具体的に示すことで、説得力のある志望動機になります。

「5年後、10年後のキャリアプランを教えてください」 という質問では、会計分野でのキャリア形成に対する真剣度が問われます。税理士資格の取得を目指している場合は、その計画と現在の進捗状況を具体的に説明しましょう。また、将来的に独立を考えている場合でも、まずはその事務所でしっかりと経験を積みたいという意欲を示すことが大切です。

【参考記事】

【目的別】経理の志望動機例文集|転職でそのまま使える高評価テンプレート
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_76_01.php

(3)これまでやってきた業務について

「前職ではどのような業務を担当していましたか」 という質問では、単に業務内容を説明するだけでなく、その業務を通じて身につけたスキルや、困難だった点とその解決方法についても触れることが重要です。

会計事務所未経験の場合は、これまでの業務経験の中から、会計事務所の仕事に活かせる要素を見つけて説明しましょう。例えば、データ入力の経験があれば正確性やスピード、接客業の経験があればコミュニケーション能力といった具合に、転用可能なスキルをアピールします。

「最も印象に残っている仕事について教えてください」という質問では、成功体験だけでなく、失敗から学んだ経験についても話せるように準備しておきましょう。失敗から何を学び、どのように改善したかを説明することで、成長意欲や課題解決能力をアピールできます。

(4)転職・退職理由について

転職理由について聞かれた際は、前職での不満をそのまま伝えるのではなく、前向きな理由として説明することが重要 です。例えば、「より専門性を高めたい」「クライアントともっと密接に関わりたい」「会計の知識を深めたい」など、成長への意欲を示す理由に変換して説明しましょう。

退職理由についても同様で、前の職場の悪口や批判は避け、新しい環境でチャレンジしたいという前向きな気持ちを伝えることが大切です。人間関係が理由で退職した場合でも、それを直接的に言うのではなく、「新しい環境で自分の可能性を試したい」といった表現に置き換えることをおすすめします。

「短期間での転職が多いようですが」と指摘された場合は、それぞれの転職に明確な理由があったことを説明し、今回の転職では長期的に働く意欲があることを強調しましょう。

【参考記事】

【元面接官が教える】経理転職の面接、こんなステレオタイプの回答はダメ!
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_95_01.php

■逆質問で差をつけるためのポイント

(1)具体的な質問を用意する

面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれた際の逆質問は、あなたの意欲や興味の深さを示す重要な機会です。 「特にありません」と答えるのは、その事務所への関心が低いと受け取られる可能性があるため避けましょう。

逆質問では、事前に調べただけでは分からない、実際に働く人だからこそ答えられる質問を用意することが大切です。業務の具体的な内容や、事務所の雰囲気、成長できる環境があるかどうかなど、働く上で重要な要素について質問しましょう。

ただし、給与や休日などの待遇面についての質問は、初回の面接では避けた方が無難です。これらの条件面については、内定が近づいた段階で確認するのが適切です。

(2)評価されやすい逆質問の具体例

・入社後はどのような業務から担当することになりますか

→実際の業務への関心と準備意欲を示す良い質問です。

・一人前になるまでには、どのくらいの期間が必要でしょうか

→成長への意欲をアピールできます。

・御事務所で活躍している方に共通する特徴はありますか

→その事務所が求める人物像を詳しく知ることができます。面接官の回答を踏まえて、自分がその特徴を持っていることをアピールすることも可能です。

・業界の変化に対して、御事務所ではどのような取り組みをされていますか

→業界動向への関心と、将来性のある事務所で働きたいという意欲を示すことができます。

・研修制度や資格取得のサポートはありますか

→成長意欲をアピールできる良い質問です。特に、税理士試験の科目合格を目指している場合は、勉強時間の確保について質問することも重要です。

【参考記事】

経理職転職の面接で使える「逆質問」と成功のためのポイント
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_107_01.php

■転職サポートサービスの活用法

(1)会計事務所に強い転職エージェントの選び方

会計事務所への転職を成功させるためには、この分野に特化した転職エージェントを選ぶことが重要です。会計・税務分野に精通したエージェントは、業界の動向や各事務所の特徴を詳しく把握しているため、より適切なアドバイスを受けることができます。

転職エージェントを選ぶ際は、会計事務所の求人数だけでなく、担当者の業界知識や対応の質も重要な判断基準となります。初回の面談で、担当者が会計業界について詳しい知識を持っているか、あなたの経験や希望を理解してくれるかを確認しましょう。

また、これまでの転職成功実績や、サポート体制についても確認することをおすすめします。面接対策や履歴書の添削サービスがあるか、内定後のフォローアップはどうかなど、総合的なサポート内容を比較検討しましょう。

(2)転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントを利用する最大のメリットは、自分では見つけにくい求人情報にアクセスできることです 特に会計事務所の場合、非公開求人が多く、エージェント経由でないと応募できない案件も少なくありません。

また、履歴書や職務経歴書の作成サポートを受けることで、より効果的な自己アピールが可能になります。会計事務所の採用担当者が重視するポイントを押さえた書類作成のアドバイスは、書類選考の通過率向上に大きく貢献します。

面接対策についても、その事務所特有の質問傾向や面接官の特徴などの情報を事前に教えてもらえることがあります。このような内部情報は、面接の成功率を高めるために非常に有効です。

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社は、経理・会計分野に特化した転職エージェントとして、業界でも高い評価を受けています。経験豊富なエージェントが、それぞれの会計事務所と密なやりとりを経て、各事務所の求人要望を把握。会計事務所の希望を理解しているからこそ、応募先事務所の特徴や強みに適した面接対策のアドバイスも可能です。

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■面接に関するよくある疑問

(1)面接は何回行われるのか?

会計事務所の面接回数は、事務所の規模や採用方針によって大きく異なります。個人の会計事務所では、代表者との1回の面接のみで採用が決まることも珍しくありません。一方、規模の大きな税理士法人では、人事担当者による一次面接、部門長による二次面接、代表者による最終面接という3段階の選考過程を設けている場合もあります。

中規模の事務所では、2回の面接が一般的です。1回目は人事担当者や事務長との面接で基本的な適性を確認し、2回目に代表者や部門長との面接で最終的な採用判断を行うというパターンが多く見られます。

面接回数が多い場合は、それぞれの段階で評価されるポイントが異なることが多いため、各回の面接に応じた準備をすることが重要です。1回目では基本的な職務経験や人柄、2回目では専門性や将来性といった具合に、段階的に深い部分まで評価される傾向があります。

(2)リモート面接の注意点は?

近年、コロナ禍の影響もあり、リモート面接を実施する会計事務所も増えています。リモート面接では、対面とは異なる準備と注意点があります。

まず、技術面の準備が重要です。インターネット接続の安定性、カメラやマイクの動作確認、使用するツール(Zoom、Teams等)の操作方法を事前に確認しておきましょう。面接中に技術的なトラブルが発生すると、印象が悪くなる可能性があります。

環境面では、静かで明るい場所を選び、背景にも気を配りましょう。可能であれば、シンプルな壁を背景にするか、バーチャル背景を使用することをおすすめします。また、家族やペットによる中断がないよう、事前に周囲に協力をお願いしておくことも大切です。

画面越しでは表情や仕草が伝わりにくいため、普段よりも大きめの動作やはっきりとした話し方を心がけましょう。カメラの位置は目線の高さに調整し、画面ではなくカメラを見て話すことで、アイコンタクトを保つことができます。

■まとめ

会計事務所への転職面接を成功させるためには、業界特有の特徴を理解した上で、綿密な準備を行うことが欠かせません。面接官は単に会計の知識だけでなく、クライアントとの信頼関係を築ける人物かどうかを見極めようとしています。

自己分析と企業研究を通じて自分の強みを明確にし、それを会計事務所の業務にどう活かせるかを具体的に説明できるよう準備しましょう。また、よく聞かれる質問への回答を用意するだけでなく、逆質問を通じて積極的な姿勢をアピールすることも重要です。

面接は緊張するものですが、十分な準備があれば必ず良い結果につながります。会計事務所での新しいキャリアに向けて、自信を持って面接に臨んでください。転職エージェントなどの専門サービスも上手に活用しながら、理想の職場への転職を実現させましょう。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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