東京都内で経理職への転職を検討している方にとって、現在の労働市場は多様な機会に満ちています。企業のデジタル化が進む中、経理職に求められるスキルセットは変化を続けており、従来の計算業務から戦略的な財務分析まで、その役割は大きく拡大しています。本記事では、東京都内での経理職転職について包括的に解説し、成功へのヒントをご紹介します。
東京都内の経理職転職ガイド~働き方とキャリアパス~

2025年9月26日 ジャスネットキャリア編集部
目次
■東京都の経理転職市場の概要
(1)東京都における経理職の需要と供給
東京都内の経理職求人市場は、日本全体の中でも最も活発な地域の一つです。本社機能を東京に置く大手企業、成長著しいスタートアップ企業、そして多数の中小企業が混在する環境において、経理職への需要は継続的に高い水準を維持しています。
現在の市場では、
単純な仕訳入力や伝票処理に従事する人材よりも、財務分析や管理会計の知識を持つ人材への需要が高まっています
。これは、企業が競争力を維持するために、より戦略的な財務管理を求めているからです。特に、月次決算の早期化、予算管理の精度向上、そして経営陣への迅速な情報提供ができる人材は、多くの企業で高く評価されています。
一方で、経験豊富な経理職の絶対数は限られており、企業間での人材獲得競争は激しくなっています。この状況は、転職を希望する経理職にとってはチャンスでもあり、適切なスキルと経験を持つ方であれば、より良い待遇やキャリアアップの機会を得やすい環境といえるでしょう。
(2)経理職の労働市場の変化
デジタル技術の進歩により、経理職の働き方は大きな変革期を迎えています。RPAやAIの導入により、定型業務の自動化が進む一方で、人間にしかできない判断業務や戦略的思考が求められる場面が増加しています。
この変化は、経理職のキャリア形成にも影響を与えており、技術的なスキルアップと並行して、ビジネス全体を俯瞰できる視点を養うことが重要になってきています。そのため、転職市場においても、単純な経理業務の経験だけでなく、プロジェクトマネジメント能力やコミュニケーション能力を重視する企業が増加しています。
■経理職の求人情報の探し方
(1)求人サイトの利用法
効率的な転職活動を行うためには、求人情報の収集方法を戦略的に考える必要があります。
『
ジャスネットキャリア
』などの求人サイトでは、幅広い業界の経理職求人を一度に確認できる利点があります。まずは、正社員、契約社員、派遣社員、そしてパートタイムなど、自身のライフスタイルや今後のキャリアプランに合わせて雇用形態を決定することが重要です。東京都内では、特に正社員の経理職求人が多く、安定したキャリアを築きたい方にとって豊富な選択肢があります。
こだわり条件のピックアップでは、給与水準、勤務地、企業規模、業界などの基本条件に加えて、研修制度の充実度、キャリアアップの機会、ワークライフバランスの実現可能性など、自身の価値観に合致する条件を明確にしましょう。
エリアについては、東京23区内であっても、丸の内・大手町などのビジネス中心地と、郊外エリアでは企業の特色や働き方に違いがあります。通勤時間や生活環境を考慮して、最適なエリアを選択することが長期的な満足度につながります。
(2)SNSを活用した求人探し
現代の転職活動において、SNSの活用は無視できない要素となっています。特にLinkedInでは企業が直接求人情報を発信することが増えており、求人サイトには掲載されていない情報を得られる可能性があります。
Xは、実際に働いている人からの生の声を拾ったり、ざっくりとした求人のトレンドなどをつかむにはよいでしょう。また、受けたい企業が決まったら、Xもしくはインスタグラムにおいて、公式アカウントがないかをチェックしましょう。
下記のXアカウントで、経理のお役立ち情報をポストしていますので、フォローをお願いします。
【参考リンク】
経理の薬@ジャスネットコミュニケーションズ【公式】
@kusuri_jusnet
(3)企業の公式サイトでの情報収集
応募を検討している企業については、 必ず公式サイトで詳細な情報収集 を行いましょう。採用ページでは、求人情報だけでなく、企業の理念や文化、実際に働いている社員のインタビューなど、転職後の働き方をイメージするための重要な情報が掲載されています。
特に、経理部門の組織体制や、経理職のキャリアパスについて詳しく説明している企業は、人材育成に力を入れている可能性が高く、長期的なキャリア形成を考える上で魅力的な選択肢となります。
(4)転職エージェントの活用法
転職エージェントは、個人では得られない企業の内部情報や、市場価値の客観的な評価を提供してくれる貴重なパートナーです。経理職に特化したエージェントであれば、業界特有の転職事情や、スキルアップのためのアドバイスも受けられます。
ジャスネットは、人材紹介以外に人材派遣業も行っています。これにより、通常の人事部の窓口以外に、経理現場の採用担当者とも直接のパイプがあります 。
エージェントとの面談では、自身の経験やスキルを正確に伝えることはもちろん、今後のキャリアビジョンや希望する働き方についても詳しく相談しましょう。これにより、表面的な条件だけでなく、あなた自身に本当に合う企業をみつけられる可能性が高まります。
■経理職のキャリアパス
(1)担当者から管理職への道
経理職でのキャリアアップにおいて、最も一般的なルートは担当者から管理職への昇進です。東京都内の多くの企業では、経理担当者から主任、係長、課長へと段階的にキャリアを積むことができます。
管理職への道のりでは、単純な実務経験だけでなく、部下の指導能力、プロジェクト管理能力、そして経営陣との連携能力が求められます。特に、月次決算の早期化プロジェクトや、新しい会計システムの導入などを成功に導いた経験は、管理職候補としての評価を大きく高めます。
(2)専門職への転向
経理職から財務や監査、税務などの専門職への転向も、魅力的なキャリアパスの一つです。財務部門では、資金調達や投資判断、リスク管理など、より戦略的な業務に携わることができます。
監査法人や税理士法人への転職も選択肢として考えられます。これらの職場では、多様な業界の会計処理に触れることで、幅広い専門知識を身につけることが可能です。ただし、これらの専門職への転職には、公認会計士や税理士などの資格取得が必要な場合が多く、長期的な学習計画が必要になります。
また、コンサルティングファームの財務・会計部門への転職も、近年注目されているキャリアパスです。クライアント企業の課題解決に直接関わることで、より広い視野でのビジネススキルを養うことができます。
■東京都の経理職の求人例
(1)大手企業の経理職
東京都内に本社を置く大手企業の経理職は、安定性と充実した福利厚生が魅力です。上場企業では、連結決算業務、開示業務、内部統制の整備・運用など、高度な専門知識を要する業務に携わることができます。
これらの企業では、ジョブローテーションによって様々な部署を経験できる制度や、海外子会社への出向機会なども用意されており、幅広いキャリア形成が可能です。また、資格取得支援制度や研修制度も充実しており、継続的なスキルアップを図ることができます。
給与水準も相対的に高く、基本給に加えて賞与や各種手当も充実している場合が多いです。ただし、繁忙期の長時間労働や、厳格な業務品質が求められるなど、相応の責任とプレッシャーがあることも理解しておく必要があります。
(2)中小企業の経理職
中小企業の経理職は、少数精鋭の環境で幅広い業務を担当できることが特徴です。一人で複数の業務分野を担当することで、総合的なスキルを身につけることができ、将来的な転職活動においても有利に働く場合があります。
また、経営陣との距離が近いため、経営数字の動向を直接感じられ、自分の業務が会社の業績に与える影響を実感しやすい環境です。提案制度が活発な企業では、業務効率化や新しいシステム導入などの提案を通じて、組織運営に積極的に関わることもできます。
給与水準は企業によって大きく異なりますが、成長企業では業績向上とともに処遇改善が期待できる場合もあります。また、大手企業と比較して、個人の成果が評価されやすい環境でもあります。
(3)スタートアップ企業の経理職
東京都内では、多くのスタートアップ企業が新しいビジネスモデルに挑戦しており、これらの企業での経理職は非常に実践的な経験を積むことができます。創業期から成長期にかけて、経理制度の構築や資金調達対応などを一から手がけることができ、大きなやりがいを感じられます。
スタートアップ企業では、IPOに向けた準備業務や、資金調達に関わる業務など、通常の経理業務とは異なる経験を積むことも可能です。また、少人数の組織であることから、経理以外の業務にも関わる機会が多く、総合的なビジネススキルを身につけることができます。
ストックオプションなどのインセンティブ制度が用意されている場合もあり、会社の成長とともに大きなリターンを得られる可能性があります。ただし、経営が不安定なリスクもあるため、企業選択には慎重な判断が必要です。
■経理職の働き方の変化
(1)リモートワークの普及
コロナ禍の期間に、経理職においてもリモートワークが急速に普及しました。クラウド会計システムにより、自宅からでも多くの経理業務を行えるようになっています。
ただし、コロナ禍が過ぎてしばらく経っている現在、 完全リモートを採用する企業は当時より減っている印象です。多くは週数日の出社を組み合わせたハイブリッド型を採用 しています。監査対応や現金管理、押印作業などの性質上、一定の出社は避けられないのが実情です。
(2)フレックスタイム制度の導入
経理職の業務は月末月初に集中する傾向があるため、フレックスタイム制度を導入する企業も増えています。ただし、 繁忙期には就業時間が制約される場合も多く、実際の運用は工夫が求められます 。
フレックスタイム制度が充実している企業では、子育てや介護などのライフイベントがある従業員も継続して勤務しやすい環境が整っており、人材の定着率向上にもつながっています。
(3)ワークライフバランスの重要性
現代の経理職において、ワークライフバランスの実現は転職における重要な判断基準の一つとなっています。有給休暇の取得率、残業時間の実態、育児・介護支援制度の充実度など、数値で測定できる指標を事前に確認することが重要です。
また、経理職特有の繁忙期における働き方についても、事前に詳しく確認しておく必要があります。決算期の残業時間や、休日出勤の頻度、繁忙期後の代休取得の実態などを把握することで、転職後のギャップを防ぐことができます。
企業によっては、繁忙期の業務負荷を軽減するために、業務の標準化や自動化を積極的に進めているところもあります。このような取り組みを行っている企業は、従業員の働き方改善に真摯に取り組んでいる証拠でもあり、長期的なキャリア形成を考える上で魅力的な選択肢となります。
■まとめ
東京都内での経理職の転職は、多様な選択肢と成長機会に恵まれた魅力的な分野です。デジタル化の進展により業務内容は変化していますが、それは同時に新しいキャリアパスの創出も意味しています。
成功する転職のためには、自身のスキルと経験を正確に把握し、目指すキャリアビジョンを明確にすることが重要です。また、求人情報の収集方法を増やし、企業研究を十分に行うことで、最適な転職先を見つけることができるでしょう。
働き方の多様化が進む中で、ワークライフバランスを重視した転職活動も重要な視点となっています。自分にとって理想的な働き方を実現できる企業を選択することで、長期的に満足できるキャリアを構築することが可能です。
継続的な学習と成長意欲を持ち続けることで、経理職の将来性は明るく、充実したキャリアを築くことができるでしょう。東京都内という恵まれた環境を活かし、理想的な転職を実現してください。
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ジャスネットキャリア編集部
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