全くの未経験からでも、経理の正社員になれる道はあるのでしょうか。

専門性の高いイメージのある経理ですが、いくつかの条件をクリアしていただければ、決して難しい道ではありません。

その条件とは、下記の３つ。

ただし例外として、「税理士・公認会計士の試験勉強をしていたので社会人経験がない」というのは問題視されることはありません。以上の条件をクリアしたうえで、どのような方法で転職すればいいのか、具体的な例をお伝えいたします。

■パート・アルバイトとして転職

税理士試験の勉強をしている方が、試験勉強と並行して業務を学ぶために税理士事務所・会計事務所などにパート・アルバイトとして就職するパターンが多いです。試験に合格したあと、正社員に昇格します。時間や働き方に融通が利くのが最大のメリットです。

ただし、エージェントを通しての求人の場合、パートやアルバイトでも採用側から経験者を、という条件を提示されることが多いです。

そのため資格試験を受ける予定はなく、日商簿記2級は持っているものの経理未経験という方は、エージェントを通じてではなく、採用広告やホームページなどから直接応募した方が、パート・アルバイトの場合の採用確率はあがるのではないでしょうか。

■正社員として転職

最終的に目指している正社員にいきなり採用されることはゼロではありませんが、かなり難しいと思ってください。その場合は、事業会社ではなく税理士事務所、会計事務所などの正社員に応募することをおすすめいたします。

理由としては、事業会社に比べて会計事務所は一般の方になじみがないため、応募の総数が少ないというのがあります。

残業が多い、在宅勤務ができない、などのネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、実際はそんなことはありません。ワークライフバランスがとりやすく、在宅勤務などにも対応し、安定して働ける会計事務所も数多くありますので、どんなご希望があるのか、まずはエージェントにご相談ください。

また正社員採用の場合、面接の回数も多く、筆記試験などが課される場合もあり、採用のハードルは高くなります。

■紹介予定派遣として転職

紹介予定派遣とは、派遣期間（1～6カ月）終了後、本人と派遣先企業の両方の合意のもとに正社員となる働き方です。

最大のメリットは実際の就業環境と業務内容を見たうえで直接雇用に切り替えるか判断ができることで、経理未経験の方には最もおすすめの働き方です。

実際に経理の仕事をしてみることで「実は経理にむいていなかった」なども判断できますし、職場環境や人間関係も納得した上で転職することができます。

デメリットとしては、先方からお断りされて直接雇用に切り替わらないリスクがあることでしょうか。しかし、経理の場合は職歴が多い人も珍しくないため、そこまで気にする必要はないかもしれません。

■まとめ

今は経理として、会計事務所から事業会社への転職もとても多くなっています。最低でも3年間、会計事務所の経理を経験することで、大手企業の経理部に正社員として転職できる可能性もあります。

また事業会社の経理部（特に大企業）では、業務の一部を担当するのみという場合が多くあります。税理士事務所・会計事務所で経験を積んだ場合は、決算などの一連の業務に携わるので、将来の選択肢として、事業会社、税理士事務所・会計事務所の双方を選ぶことができます。30代、40代になっても、経理としての専門性があれば、転職先に困ることもありません。

経験者と比べてしまうと、経理未経験者はどうしても不利な立場であるという事実は動かしようがありません。ただ、思い悩んでいても何も状況は変わりませんし、何も始まりません。

まずは、未経験から経験者への一歩を踏み出すこと。いずれは企業の経理部で正社員として働きたいと考えている方も、まずは「ステップを踏む」ということを検討してはいかがでしょうかというご提案でした。

これから経理のプロフェッショナルとして仕事をしていきたいという未経験の方は、ぜひ税理士事務所・会計事務所への転職を考えてみてはいかがでしょうか。