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経理職の正社員転職の成功事例とキャリアパスを探る

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2025年7月28日ジャスネットキャリア編集部

経理職で正社員への転職を成功させたいとお考えですか?経理職の転職市場も活況を呈しており、適切な準備とアプローチがあれば理想的な正社員転職を実現することができます。

この記事では、経理職での正社員転職を成功させるための具体的な方法と、実際の転職成功事例をご紹介します。派遣社員から正社員を目指す方、未経験から経理職にチャレンジしたい方、さらなるキャリアアップを図りたい方まで、それぞれの状況に応じた転職戦略を詳しく解説いたします。

目次

■経理職の転職市場の現状

(1)経理職の需要と供給

経理職の求人市場は、業界や企業規模によって大きく異なる様相を呈しています。特に中小企業では慢性的な人材不足に悩んでおり、経験者はもちろん、意欲ある未経験者にも門戸を開く企業が増加傾向にあります。

一方で、大手企業や上場企業では、より専門性の高いスキルを求める傾向が強まっています。企業とポジションにもよりますが、IFRSの対応や、M&A関連業務、税務戦略の立案など、従来の記帳業務を超えた幅広い知識と経験が重視されるようになっています。

興味深いのは、経理職の求人倍率が地域によって大きく差があることです。東京や大阪といった大都市圏では選択肢が豊富である反面、競争も激しくなっています。地方都市では求人数こそ限られるものの、じっくりと腰を据えて働ける環境を提供する企業が多く見受けられます。

(2)経理職の給与水準

経理・会計分野に特化した転職エージェント「ジャスネットコミュニケーションズ」の最新データによると、経理職(正社員)の平均年収は529万円です。ただし、経理職の給与は、保有資格や経験年数、企業規模によって大きく左右されます。

未経験者の場合、年収350万円程度からスタートするケースが一般的ですが、日商簿記2級以上の資格保有者であれば、初年度からさらに高い年収を期待できる場合もあります。

経験を積んだ経理担当者の平均年収は400万円から500万円台となっており、管理職クラスになると600万円を超えるケースも珍しくありません。特に上場企業や外資系企業では、より高い水準の給与が期待できる傾向にあります。

■経理職の正社員になる方法

経理職で正社員を目指すには、いくつかの代表的なルートがあります。それぞれに特徴があり、自分の現状と将来の目標に合わせて選択することが重要です。

(1)派遣社員から正社員へ

派遣社員として経理業務に従事しながら正社員を目指すルートは、実務経験を積みながら転職活動を進められる点で魅力的です。派遣先企業での業務ぶりが評価されれば、そのまま正社員として採用されるケースも少なくありません。

このルートの利点は、実際の職場環境や業務内容を十分に理解した上で正社員になれることです。企業側も候補者の人柄や能力を把握できているため、ミスマッチのリスクが軽減されます。

(2)会計事務所で経験を積み正社員へ

会計事務所での勤務経験は、経理職への転職において非常に高く評価されます。複数のクライアント企業の経理業務に携わることで、業界や規模の異なる企業の会計処理を学べるからです。

会計事務所では、月次決算から年次決算、税務申告まで、経理業務の全体像を把握できます。また、クライアントとのやり取りを通じて、経理部門と他部署との連携方法も身につけられます。

会計事務所での経験を積んだ後は、より良い労働条件や安定した雇用を求めて一般企業の経理職へ転職するケースが多く見られます。この際、会計事務所で培った幅広い知識と経験は大きなアドバンテージとなります。

(3)アウトソーシング企業から正社員へ

経理業務のアウトソーシングを手がける企業で経験を積むことも、正社員への有効なステップとなります。アウトソーシング企業では、効率的な業務処理方法を学べたり、会計ソフトの操作経験を積めます。

特に、クラウド会計ソフトの操作や、業務の自動化・効率化に関するノウハウは、多くの企業で重宝されるスキルです。アウトソーシング企業での経験は、デジタル化が進む現代の経理業務において大きな強みとなります。

アウトソーシング企業から一般企業へ転職する際は、培った効率化のノウハウを活かして、転職先企業の経理業務改善に貢献できることをアピールすることが重要です。

■企業の選び方

経理職での転職を成功させるためには、給与や待遇だけでなく、長期的な視点で企業を選ぶことが大切です。自分のキャリアビジョンと企業の方向性が合致するかどうかを慎重に見極める必要があります。

(1)企業文化と職場環境

どこも同じかもしれませんが、経理部門は特に職場の雰囲気や上司との関係性が業務の質に直結します。面接時には、経理部門の体制や業務分担、チームワークの状況について詳しく質問することをおすすめします。

また、経理業務は月末月初に業務が集中しがちですが、企業によってその対応方法は大きく異なります。残業時間の実態や、繁忙期のサポート体制について事前に確認しておくことで、入社後のギャップを避けられます。

カルチャーフィットを確かめるべく、職場見学や働く人と接する機会があれば積極的に活用し、実際の働く環境を自分の目で確かめることも重要です。経理部門のメンバーとの短時間の面談が可能であれば、より具体的な職場の様子を知ることができます。

(2)福利厚生と労働条件

経理職は専門性が高い職種であるため、スキルアップを支援する制度が充実している企業を選ぶことが長期的なキャリア形成において有利です。資格取得支援制度や外部研修への参加機会などは、自己成長の大きな助けとなります。

また、近年重視されているワークライフバランスの観点から、有給休暇の取得率や産休育休制度の実際の運用状況についても確認が必要です。経理職は責任重大な業務が多いため、適切な休息を取れる環境かどうかは重要なポイントです。

退職金制度や企業年金の有無も、長期的な生活設計を考える上で見逃せない要素です。特に正社員として安定した雇用を求めている場合は、これらの制度が整備されているかどうかを重点的にチェックしましょう。

■経理職の求人情報の探し方

効果的な転職活動を行うためには、自分に適した求人情報の探し方を身につけることが重要です。経理職特有の求人の特徴を理解し、効率的に情報収集を行いましょう。

(1)転職サイトの活用法

一般的な転職サイトでは「経理」「会計」といったキーワードで検索することから始まりますが、より効果的な活用方法があります。例えば、「管理会計」「財務」「予算管理」「原価計算」といった関連キーワードでも検索することで、経理職の求人を幅広く発見できます。

また、業界や企業規模を絞り込んで検索することも重要です。製造業であれば原価計算の経験、サービス業であれば売上管理の経験といったように、業界特有のスキルが求められる場合があります。

転職サイトを利用する際は、複数のサイトに登録することをおすすめします。サイトごとに掲載される求人が異なるため、一つのサイトだけでは見逃してしまう機会があるかもしれません。定期的にサイトをチェックし、新着求人の情報をいち早く入手することが転職成功の秘訣です。

(2)人材紹介サービスの利用

経理職の転職においては、専門性の高い人材紹介サービスの活用が特に有効です。経理・財務職に特化したエージェントは、業界の動向や企業のニーズを深く理解しており、求職者のスキルと企業の要求をマッチングする能力に長けています。

人材紹介サービスを利用する最大のメリットは、公開されていない求人情報にアクセスできることです。多くの企業が重要なポジションについては、信頼できるエージェント経由でのみ募集を行っているためです。

ジャスネットは経理・会計分野を中心とした経理に特化した転職エージェントです。
経験10年以上のベテランが多数在籍するほか、公認会計士資格を持つエージェント、税理士資格を持つエージェント、日商簿記1級とキャリアコンサルタントの資格を持ったエージェントも。人材紹介だけでなく、人材派遣、アウトソーシングなどを行ってきた取引先企業との密な関係から、常に現場のニーズを把握しています。

エージェントが、あなたのやりたい業務と強みを鑑みた上で個別に企業にアピールし、転職成功への道を後押しすることができます。無料で利用できるので、気軽に相談してみてください。

■経理職の転職成功事例

実際の転職成功事例を通じて、経理職への転職がどのように実現されているかを具体的に見ていきましょう。

(1)パートからの転職成功例

出産を機に前職を退職し、約6年間パートとして地元の商社で経理補助を続けていたAさん。
子どもが小学校に上がったことをきっかけに、正社員への復帰を目指しました。パート勤務中も仕訳・月次処理・請求書発行など幅広く業務をこなしており、さらにスキル向上のために日商簿記1級の勉強にも励んでいました。
転職活動では、限られた時間の中でも成果を上げてきた姿勢や、子育てを通じて培った段取り力・時間管理能力を強くアピール。結果として、従業員約100名規模の製造業に経理職として採用され、現在は月次決算の取りまとめを任される主任職として活躍中です。
ブランクに不安を抱えていたAさんですが、継続した努力が自信となり、キャリア再構築を実現しました。

(2)未経験からの転職成功例

IT企業で約10年間、システムエンジニアとして勤めていたBさんは、30代半ばで「安定した専門職に就きたい」との思いから経理職への転職を決意。
業務後や週末の時間を使って日商簿記2級を取得し、経理の基礎を独学で習得しました。未経験というハンデを補うため、前職で培ったデータ管理力や業務フロー改善の実績をアピールし、バックオフィス業務のIT化に貢献できる人材として評価を得ました。
転職先は社員数50名ほどのベンチャー企業で、現在は仕訳・請求処理のほか、経理システム導入にも携わっています。
未経験でも、自身の強みを活かせる方向性を見極めることで、新たなキャリアの扉を開くことができた好例です。

(3)キャリアアップを果たした事例

Cさんは、地方の製造業で経理担当として10年間勤務。
仕訳から決算、税務申告、資金繰りまで一手に担い、経営会議への資料作成や社長への直接報告も日常的に行ってきました。40歳を前に「より専門性を高めたい」「大規模な経理に携わりたい」との思いから、東京の上場企業への転職を決意。
面接では、限られた人員の中で幅広い業務をこなしてきた実績や、実務で培った判断力・責任感を具体的にアピールしました。
その結果、グループ全体の連結決算を担当するポジションで内定を獲得。
現在は海外子会社との調整業務もこなしており、「地方で積んだ経験が、大企業でも活きている」と実感しているそうです。年収も100万円以上アップし、大きなキャリアの節目を迎えました。

■経理職の転職に関するよくある質問

転職を検討する際によく寄せられる疑問について、実践的な観点からお答えします。

(1)転職活動にかかる期間は?

経理職の転職活動期間は、現在のスキルレベルや希望条件によって大きく変わります。経験豊富で資格も充実している方であれば、2~3か月程度で内定を得られるケースが多く見られます。

一方、未経験者や転職回数が多い方の場合は、6か月程度の期間を見込んでおくことが現実的です。この間に資格取得や業界研究を並行して進めることで、より良い条件での転職が期待できます。

重要なのは、急いで転職先を決めることよりも、自分のキャリアプランに合致した企業を見つけることです。現職を続けながら転職活動を行う場合は、面接の調整に時間がかかることも考慮に入れて、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

(2)転職エージェント利用は必要?

転職エージェントの利用は必須ではありませんが、特に初めての転職や異業界への転職を考えている方にとっては大きなメリットがあります。経理・会計職に特化したエージェントであれば、業界特有の転職事情や企業のニーズを熟知しており、的確なアドバイスを受けられます。

また、面接対策や職務経歴書の添削といったサポートも受けられます。経理職の転職では、具体的な業務経験や保有資格を効果的にアピールする必要があるため、専門家のアドバイスは非常に価値があります。

ただし、エージェントとの相性や提案内容の質は会社や担当者によって差があります。複数のエージェントと面談を行い、自分のキャリア志向を理解してくれるパートナーを選ぶことが重要です。最終的な判断は自分で行うという意識を持ちながら、エージェントのサポートを上手に活用しましょう。

■まとめ

経理職での正社員転職は、適切な準備と戦略があれば十分に実現可能な目標です。現在の雇用形態や経験レベルに関わらず、継続的なスキルアップと明確なキャリアビジョンを持つことが成功への第一歩となります。

転職市場では経理職への需要が安定しており、特に実務経験と適切な資格を組み合わせた人材は高く評価される傾向にあります。派遣社員から正社員へ、未経験から経理職へ、さらなるキャリアアップを目指す方まで、それぞれの状況に応じた転職ルートが存在します。

経理職は企業経営の根幹を支える重要な職種であり、専門性を活かして長期にわたって安定したキャリアを築くことができます。今回ご紹介した成功事例や活用方法を参考に、あなたの理想的な転職を実現してください。継続的な学習と前向きな姿勢があれば、きっと素晴らしいキャリアが待っています。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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