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税理士法人とは?会計事務所との違いと仕事内容を徹底解説

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2026年7月17日 ジャスネットキャリア編集部

「税理士法人と会計事務所、何が違うのだろう」「税理士法人では具体的にどんな仕事をするの?」「簿記を取得したので税理士業界で働いてみたいが、どこから始めればいいかわからない」…こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

税理士業界への転職や就職を考えるとき、まず知っておくべきなのが「税理士法人とは何か」という基本です。名称は広く知られていても、その法的な位置づけや、一般企業の経理・個人の会計事務所との違いを正確に理解している方は意外と少ないのが実情です。

本記事では、税理士法人の定義からはじまり、仕事内容・会計事務所との違い・繁忙期の実態・働き方のパターン・転職の入口まで、ひとつの記事で体系的に解説します。

目次

■税理士法人とは?その定義と法的位置づけ

税理士法人とは、税理士法(第48条の2)に基づいて設立された法人格を持つ専門家集団です。2001年の税理士法改正によって制度が創設され、それまで個人事業として運営されていた税理士事務所が、法人として組織化・永続化できるようになりました。

税理士法人の主な特徴は以下の3点です。

特徴①複数の税理士による共同経営である

税理士法人を設立するには、税理士資格を持つ社員が2名以上必要とされています。

特徴②法人格による業務の継続性

個人事務所の場合、所長税理士が死亡または廃業すると事務所自体が消滅しますが、税理士法人では社員が変わっても法人として業務を継続できます。これはクライアント企業にとっても大きな安心材料となります。

特徴③無限責任社員制度

税理士法人の社員(出資者)は、法人の業務上の債務に対して無限の責任を負います。これは税理士業務の専門性と信頼性を担保するための制度設計です。

なお、「会計事務所」という名称は法律上の定義を持たない通称であり、個人の税理士事務所を指すことが多い一方、税理士法人を含む広い意味で使われることもあります。求人情報などで「会計事務所勤務」と記載されている場合は、個人事務所と法人の両方が含まれると考えてください。

■税理士法人と個人事務所(会計事務所)の違い

税理士業界を理解するうえで、税理士法人と個人の税理士事務所の違いを把握することは重要です。

(1)規模

規模という観点では、税理士法人は組織として複数の税理士・スタッフを抱えており、大手では数百名規模のものもあります。一方、個人事務所は所長一人に対してスタッフが数名という小規模構成が一般的です。

(2)業務内容

業務の幅という点では、大規模な税理士法人ほど、税務顧問・国際税務・M&Aアドバイザリー・相続対策・事業承継と専門分野を分業化しており、スタッフが特定の領域に深く関与できます。個人事務所では所長が全業務を統括し、スタッフは幅広い業務を経験できる傾向があります。

(3)働く環境

働く環境という面では、 税理士法人のほうが就業規則・給与体系・育児休業制度などが整備されていることが多く、 長期的なキャリア形成を考える方には安定した基盤になります。個人事務所は規模が小さいぶん、所長との距離が近く、裁量を持って働けるケースも少なくありません。

ジャスネットのエージェントが日頃の転職支援のなかで感じるのは、「最初から専門性を深めたいのか、まず幅広い実務を経験したいのか」によって、税理士法人と個人事務所のどちらが向いているかが変わるということです。どちらが優れているというわけではなく、ご自身のキャリア目標との照合が大切です。

■税理士法人の規模別分類——大手・中堅・中小でキャリアはどう変わるか

税理士法人といっても、スタッフ数名の小規模なものから、全国に拠点を持つ数百名規模のものまで、その規模は幅広く異なります。日本税理士会連合会の統計によると、令和8年6月末日時点で全国の税理士法人届出数は約5,300法人を超えています。どの規模の事務所を選ぶかは、キャリアの方向性に直結するため、転職・就職活動の前に把握しておくことが重要です。

<参考>
日本税理士会連合会「税理士登録者・税理士法人届出数(令和8年6月末日現在)」
https://www.nichizeiren.or.jp/cpta/about/enrollment/

(1)大手税理士法人(BIG4・準大手)

国内の大手税理士法人として広く知られているのが、いわゆる 「BIG4」と呼ばれるデロイト トーマツ税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人、KPMG税理士法人 です。いずれも世界的な会計ファームの日本法人であり、外資系企業・上場企業・大型M&Aなど高度案件を中心に扱います。スタッフ数は数百名規模で、分業体制が整っており、国際税務・移転価格・連結税務申告といった専門領域にも深く携わることができます。

準大手と呼ばれる層には、 辻・本郷税理士法人、税理士法人山田&パートナーズ などが該当し、中堅上場企業や大型事業承継案件を多く手がけます。

大手・準大手での勤務は、高い専門性と組織的な教育体制が魅力である一方、公認会計士・税理士資格保有者や英語力を求める求人が多く、入職のハードルは相応に高くなります。

(2)中堅税理士法人

スタッフ数が20〜100名程度の中堅税理士法人は、 地域の有力企業を顧客基盤に持ち、税務顧問から事業承継・相続対策まで幅広い業務を手がけます。 大手ほど分業化されていないため、1人のスタッフが複数の業務領域を横断して経験できるのが特徴です。

教育体制も整いつつあり、税理士試験の受験支援制度(試験休暇・受験費用補助)を設けているところも多く、資格取得を目指しながら実務を積みたい方には適した環境といえます。転職市場においても求人数が多く、経理実務経験者や簿記2級保有者が応募しやすい入口となっています。

(3)中小・特化型税理士法人

スタッフ数が20名以下の小規模な税理士法人は、 地域密着型のサービスを提供するところが多く、経営者との距離が近いのが最大の特徴 です。担当者が顧問先の経営者と直接やりとりし、税務だけにとどまらない幅広い経営相談に対応します。記帳代行から決算申告・税務調査まで、一気通貫で業務を経験できるため、短期間で実務能力を高めたい方に向いています。

また、相続・資産税に特化した事務所、医療法人・歯科専門の事務所、不動産オーナー向けに特化した事務所など、特定の領域に強みを持つ「特化型」の税理士法人も存在します。専門性を軸にしたキャリアを描きたい方には、こうした特化型事務所でのキャリアスタートも有力な選択肢です。

■税理士法人の仕事内容

税理士法人の業務は多岐にわたります。中心となる業務から、より専門性の高い領域まで、順を追って説明します。

(1)税務顧問・記帳代行

税理士法人の基盤となる業務です。担当者はクライアント企業を複数社受け持ち、定期的に訪問して帳簿の確認・記帳指導・月次試算表の作成を行います。月次顧問を受ける企業に対しては、毎月または隔月に訪問し、数字の動きを経営者に報告します。

クライアントの規模は中小企業・個人事業主が中心ですが、税理士法人の規模によっては上場企業や外資系企業を担当することもあります。担当者は平均して10〜20社を掛け持ちするため、さまざまな業種・規模の会計処理を経験できるのが大きな特徴です。これは一般企業の経理では得られない経験であり、会計知識を幅広く実践的に積む環境として優れています。

使用する会計ソフトは、弥生・ミロク(MJS)・ICS・勘定奉行・freee・マネーフォワード・A-SaaSなど多岐にわたります。複数のソフトを扱えることが、会計事務所スタッフとしての市場価値を高めます。

(2)決算申告業務

クライアント企業の事業年度が終了するたびに、決算書の作成と税務申告書の作成・提出を行います。法人税・消費税・地方税(法人事業税、法人住民税)それぞれの申告書を作成し、税務署・都道府県・市区町村に期限内に提出します。

申告書の作成は高度な税務知識を要する業務であり、税制改正への対応も不可欠です。毎年行われる税制改正を正確に把握し、クライアントに有利な選択をアドバイスする力が求められます。

(3)税務調査への立会い

税務調査は、税務署の調査官がクライアント企業を訪れ、帳簿・領収書・契約書などを調べる手続きです。この調査に税理士が同席し、クライアントの利益を守る役割を担います。

経営者にとって税務調査は精神的な負担が大きいものですが、税理士が同行することで、正確な帳簿処理の根拠を示し、不必要な追徴課税を防ぐことができます。税務調査への対応は、税理士の専門性が最もリアルに問われる場面のひとつです。

(4)M&A・事業承継支援

税理士法人の規模や専門性によっては、企業の合併・買収(M&A)や経営者の引退に伴う事業承継について、税務・財務の観点からアドバイスを行うことがあります。

事業承継では、後継者への自社株式の移転にかかる相続税・贈与税の対策、持株会社の設立、種類株式の活用など、複雑な税務スキームを設計します。M&Aにおいては、企業価値評価(バリュエーション)への関与、デューデリジェンス(財務調査)のサポート、スキーム選択に伴う税務コストのシミュレーションなど、高度な専門知識が求められる業務です。

(5)経営コンサルティング

税務・会計業務にとどまらず、経営全般の相談に乗るのも現代の税理士法人の重要な役割です。「来期の売上目標を達成するために何が必要か」「新規事業への投資は財務的に適切か」「資金繰りをどう改善するか」といった経営の根幹に関わる相談を受けることも少なくありません。

数字をベースに経営課題を読み解き、具体的な解決策を提案するこの役割は、単なる「会計処理の代行」を超えた、クライアントの経営パートナーとしての立場を意味します。

■一般企業経理との仕事内容の違い

税理士法人の仕事と一般企業の経理は、どちらも会計・税務に携わるという点では共通していますが、その性質は大きく異なります。

最も根本的な違いは、「誰のために仕事をするか」という点です。

一般企業の経理は、自社の財務情報を正確に記録・報告することが主な役割 です。経費精算・給与計算・月次決算・年次決算・税務申告はすべて自社のためであり、業務の対象は基本的に1社(自社)に限られます。

これに対して 税理士法人のスタッフは、複数のクライアント企業を担当し、それぞれに会計・税務のサービスを提供します。 業務の幅は一般経理と重なる部分が多いものの、「外部の専門家」として経営者と直接対話しながら問題を解決するという点が本質的に異なります。

以下の表で両者の主な違いをまとめます。

税理士法人

一般企業経理

業務の対象

複数のクライアント企業

自社のみ

経営者との関係

直接対話する機会が多い

所属部門の上司を通じることが多い

業務の幅

多様な業種・規模を横断的に経験

所属企業の業種・業態に特化

外出頻度

顧客訪問が定期的に発生

基本的に社内業務が中心


一般企業経理の経験者が税理士法人に転職した場合、自社の仕訳を切ることから、複数社の財務状況を同時管理する仕事へとシフトします。業務量はクライアント数に比例して増減するため、繁忙期の波に対応する柔軟性が必要です。

逆に税理士法人から一般企業経理へ転じる場合は、特定の会社の業務を深く理解し、管理会計や経営企画との連携に携わるキャリアが開けます。

■税理士法人の繁忙期と年間スケジュール

「税理士法人は忙しい」というイメージは、一定程度事実です。ただし繁忙期は業種ごとに異なり、通年でピークが続くわけではありません。

繁忙期のメインは12月から翌年3月にかけて です。多くの企業が3月を決算月としているため、4〜5月は申告ラッシュとなります。また個人事業主の確定申告期限が3月15日であることから、2〜3月は個人の申告対応が集中します。

それ以外の時期では、6月の住民税関連業務、9月の3月決算法人の中間申告、11月の個人事業主の予定納税なども繁忙のピークとなります。クライアントに12月決算法人が多い場合は、1〜2月にさらに業務が集中します。

一方、3月決算法人の申告が完了する6月以降は、比較的落ち着いた時期が訪れます。この閑散期に合わせて夏休みを取得したり、税理士試験(例年8月実施)の準備期間に充てたりする方も多くいます。繁忙・閑散のメリハリをうまく使うことで、勉強と仕事の両立が図れるのも、この業界ならではの特徴です。

また近年は、クラウド会計の普及による業務効率化の進展と、働き方改革への意識の高まりから、以前に比べて残業時間が改善されている事務所が増えています。採用時には月間残業の実態を確認することをおすすめします。

■税理士法人での働き方

(1)税理士を目指しながら働く

税理士法人には、税理士資格を持つスタッフだけでなく、科目合格者や試験勉強中のスタッフも多く在籍しています。業務を通じて実務経験を積みながら資格取得を目指せるのが、この業界で働く大きなメリットのひとつです。

税理士試験は例年8月に実施されます。閑散期のタイミングと重なることから、事務所によっては「試験休暇」制度を設けているところもあります。

(2)在宅スタッフとして働く

クラウド会計ソフトの普及により、会計データをリアルタイムで共有しながら遠隔で業務を進めることが実現しやすくなりました。コロナ禍以降、在宅勤務・テレワーク対応の事務所は着実に増加しており、正社員でありながらリモートで働く「在宅スタッフ」という選択肢が現実的になっています。

育児・介護などの事情から会計事務所への復職を希望しつつも、通勤の難しさがネックになっていた方にとって、在宅ポジションは有力な選択肢です。ジャスネットには会計事務所での実務経験を持ちながらも職場復帰のタイミングを探っている登録者が多数おり、在宅可の求人に対するニーズは引き続き高い状況です。

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■税理士法人で働くには

税理士法人で働くことに対して「資格がないと難しい」というイメージを持つ方もいますが、実際には資格よりも実務経験を重視する事務所が多くあります。

採用でよく求められる条件としては、 日商簿記2級以上の取得、会計ソフトの操作経験、記帳・月次処理の実務経験 などが挙げられます。税理士試験の科目合格者は特に歓迎される傾向がありますが、簿記2級と若干の経理実務経験があれば応募できる求人も多数あります。

転職活動の時期としては、繁忙期にあたる12〜3月は採用が減少します。 繁忙期明けの6〜11月は求人が増加傾向 にあり、税理士試験直後の採用が落ち着く10〜11月も求人が出やすい時期です。この時期を狙って転職活動を進めることで、希望に合った求人に出会いやすくなります。

転職を具体的に検討する段階では、会計・税務分野に特化したエージェントへの相談をおすすめします。一般の転職サービスでは把握しにくい非公開求人や、事務所の内部情報(残業の実態・教育体制・試験休暇の有無など)を踏まえたアドバイスを受けることができます。

税理士法人への転職を具体的に検討している方は 【2026年最新版】税理士事務所への転職で経理キャリアを飛躍!成功のポイントとリアルな事例紹介 も合わせてご覧ください。

すでに税理士法人で勤務しており、一般企業への転職を考えている方は 【税理士法人から転職するには?一般企業への転職メリットと成功法則】 が参考になります。

■まとめ

税理士法人は、税理士法に基づいて設立された法人格を持つ専門家集団であり、複数の税理士が協力しながらクライアント企業の税務・会計を支える組織です。個人の税理士事務所とは規模・継続性・業務の幅の点で異なりますが、どちらに向いているかはご自身のキャリア目標次第です。

仕事内容は、税務顧問・決算申告・税務調査への立会いという基本業務を軸に、M&A・事業承継・経営コンサルティングといった高度な専門領域まで幅広く広がっています。一般企業の経理と本質的に異なるのは、複数のクライアントを担当することで多様な業種・規模の実務経験を同時に積めるという点です。

繁忙期の波はありますが、閑散期を資格取得の時間に充てることができ、最近ではリモートワーク対応の事務所も増えてきました。資格がなくても応募できる求人は多く、税理士業界へのキャリアの入口は思っているより広いといえます。

簿記の資格を取得した方、経理実務の経験がある方、税理士を目指して勉強中の方。それぞれの出発点は異なっていても、税理士法人という舞台で活躍するチャンスは開かれています。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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