新規登録 求人検索
新規登録

経理×ITの求人例も掲載!転職成功をサポートする日商簿記2級・基本情報技術者の資格を徹底解剖

写真1

ジャスネットキャリア編集部

日商簿記2級と基本情報技術者試験、この2つの資格は、現在の転職市場において非常に高い評価を受けています。特に「経理×IT」という新しいキャリアの形において、この両資格を保有していることは、大きな武器となるでしょう。すでにどちらか一方を取得している方は、もう一方を取得することで、年収アップやキャリアの幅が広がる可能性があります。

本記事では、日商簿記2級と基本情報技術者の資格内容、相互の関連性、転職市場での活用方法、そして求人例までを徹底解説します。

目次

■ 日商簿記2級と基本情報技術者の関連性と転職市場の需要

(1)日商簿記2級と基本情報技術者の資格比較

<日商簿記2級とは>

日商簿記2級は、日本商工会議所が主催する簿記検定の中級レベルの資格で、主に企業会計における帳簿記録、仕訳、財務諸表の作成・分析など、経理業務に不可欠な知識とスキルを証明します。

主な内容:仕訳、帳簿、試算表、精算表、財務諸表作成など
難易度:中級(合格率30〜40%前後)
対象者:経理職希望者、企業の財務担当者、会計知識を活かしたい人

<基本情報技術者とは>

基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の一つで、情報システム開発やITインフラの基本的な知識・スキルを評価する国家試験です。IT職に限らず、業務にITを取り入れたいビジネスパーソンにもおすすめです。

主な内容:アルゴリズム、プログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティなど
難易度:中級(合格率25〜30%前後)
対象者:ITエンジニア、システム担当者、ITリテラシーを高めたい人

(2)2つの資格の相乗効果は?

経理業務でもIT化が進む今、日商簿記2級の会計知識と基本情報技術者のITスキルを組み合わせることで、経理システムの導入・運用や、財務データの自動化を推進など、ハイブリッドな人材として高い価値が生まれます。

■ 転職市場における経理職の需要と動向

経理職はかつて「定型的でアナログな業務」の代表格とされていましたが、近年ではそのイメージが大きく変化しています。背景にあるのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速です。多くの企業が業務効率化、コスト削減、人的ミスの防止を目的に、経理部門にもIT技術の導入を進めているのです。

とくに導入が進んでいるのは以下のようなツール・技術です。

  • ERP(統合基幹業務システム):SAP、Oracleなどを活用し、会計・人事・生産や販売などを一元管理
  • クラウド会計ソフト:freee、マネーフォワード、弥生会計など
  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション):繰り返しの仕訳入力や帳票作成を自動化
  • BIツール:財務データをもとに経営指標を可視化し、意思決定を支援

こうしたツールの運用・改善には、会計の知識だけでなく、ITリテラシーが必要不可欠です。このときに評価されるのが、日商簿記2級と基本情報技術者の資格を併せ持つ人材です。

■ 日商簿記2級×基本情報技術者の人材が有利な理由4つ

(1)業務内容の変化に即応できる「両利きの経理」

経理職は単に仕訳を行うのではなく、ツールを使いこなし、「どう業務を改善するか」まで問われる職種に変化しています。例えば、クラウド会計ソフトに対して仕訳のカスタマイズやデータ連携機能を設定する場面では、会計の構造(日商簿記2級)とシステムの構造理解(基本情報技術者)の両方が求められます。

(2)RPAやデータベース管理で差がつく

RPAツールの活用や、Excelマクロ・Pythonによる定型業務の自動化が進んでいます。

これらは基本情報技術者試験で扱うプログラミング・アルゴリズム・データ構造の知識が役立ちます。さらに、帳票出力のためのSQLやデータベース操作でも技術力が問われます。

(3)DX推進に貢献できる中核人材として評価される

企業のDXプロジェクトにおいては、「現場業務を理解している人材」が重宝されます。

単なるエンジニアや経理担当ではなく、業務内容を理解しつつ、ITで変革できる人材が非常に貴重です。両資格を保有していれば、そのような役割を担える素養があると見なされ、プロジェクト推進ポジションへの登用も期待できます。

(4)採用側にとっての「教育コスト削減」が可能

企業が中途採用者に期待するのは、即戦力としての活躍です。

日商簿記2級と基本情報技術者の両方を持っている場合、業務に必要な知識があらかじめ備わっているため、教育・育成の時間やコストを抑えることができます。これは採用企業にとって非常に大きなメリットであり、面接通過率や採用率が上がる要因となります。

■ 経理職における実務経験と資格の重要性

(1)実務経験が求められる理由

注意しなければならないのは、どんな資格を持っていても、実際の経理現場では実務経験が重視される傾向があるということです。理由としては以下のような点が挙げられます。

  • 短期間で業務に慣れる即戦力が求められる
  • 複雑な会計処理に対応できる柔軟性
  • システム運用や他部署との連携のスキル

したがって、資格は「入口」であり、入社後にどれだけ早く戦力になれるかが、評価の分かれ目となるのです。

(2)経理未経験の場合は?

経理未経験者でも、資格を保有していれば「ポテンシャル採用」を狙うことは可能です。

「志望動機で、資格取得の過程で得た知識を具体的に語る」「日商簿記2級の学習内容をポートフォリオ化」「Excelや会計ソフトの操作スキルを身につける」などの工夫をすることで、採用率は高まるでしょう。

また日商簿記2級、基本情報技術者ともに、決して簡単な試験ではありません。一定の学習時間(各150〜300時間程度)を必要とするため、取得者は「努力できる人材」として評価されやすいのも特徴です。

■ 日商簿記2級と基本情報技術者を活かした求人例

現在の転職市場では、「日商簿記2級×基本情報技術者」の組み合わせを評価する求人が増加しています。これは、経理業務のIT化や、バックオフィス部門の効率化が急速に進んでいる背景があるためです。以下に、実際の求人例を紹介します。

求人例①:SaaS系スタートアップ企業|経理・業務プロセス改善(年収550万円〜)

勤務地:東京都
必須資格:日商簿記2級
歓迎資格:基本情報技術者

求めるスキル:会計ソフト導入、業務フロー自動化(RPA経験歓迎)
特徴:IPO準備中、DX推進中のためITスキルを評価

求人例②:大手IT企業|財務企画部門(年収600〜750万円)

勤務地:東京都
必須資格:基本情報技術者
歓迎資格:日商簿記2級

業務内容:財務レポート自動生成、データベースを使った管理会計の構築
特徴:社内のIT・経理部門と連携し、全社の業務効率化を担うポジション

求人例③:地方中堅製造業|経理・システム担当(年収400〜500万円)

必須資格:日商簿記2級
求める人物像:地元志向で、かつITを活用して業務改革を行える人材
特徴:基幹業務のシステム刷新に関わるチャンスあり

このように、「日商簿記2級×基本情報技術者」は、求人の選択肢を広げ、条件の良いポジションに応募できる大きな武器になります。

■ 日商簿記2級と基本情報技術者を活かした転職成功事例

転職成功事例1:IT業界での転職(29歳・男性)

小売業の販売職として働いていた29歳の男性は、職場のITシステム不具合への対応をきっかけに、IT分野への関心を抱くようになりました。
将来的にIT業界で働くことを目指し、まずは独学で基本情報技術者試験に合格。その後、ITスキルだけでなく経営や業務理解の幅を広げるために日商簿記2級も取得しました。

転職活動では、「ITコンサル × 業務改善支援」を掲げる企業に応募。面接では、現場業務を経験してきたことと、ITと会計両面の知識を持っていることが評価され、「現場目線を持ったIT人材」として内定を獲得しました。

結果として、年収は前職よりも100万円アップ。システムと業務の橋渡しができる人材として、資格の組み合わせが大きな武器となりました。さらに、前職での経験を活かして職務経歴書に「業務改善への関心」を明確に打ち出したことも、転職成功の決め手となりました。

転職成功事例2:経理職への転職(33歳・女性)

飲食業界でマネージャー職として勤務していた33歳の女性は、日々の売上管理や会計ソフトへの入力業務を通じて、経理という職種に興味を持つようになりました。本格的に経理職を目指すため、夜間スクールに通いながら6か月で日商簿記2級を取得。さらに、ITに強い経理人材を目指して基本情報技術者試験にも合格しました。

転職活動では、地元の製造業メーカーの経理部門に応募。経理実務の経験はなかったものの、資格取得への努力と、ExcelマクロなどのITスキルが評価され、見事採用が決定しました。職歴に直接的な経理経験がなくても、「資格+前向きな姿勢」によってポテンシャル採用を実現した好例です。自己PRでは、「業務効率化への関心」と「IT活用の意欲」を具体的に伝えたことが、面接官の印象に強く残った転職成功のポイントでした。

■ 転職活動における日商簿記2級と基本情報技術者の活用法

(1)履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書や職務経歴書では、単に資格取得を記載するだけでなく、「どのような意図で取得したか」「転職後にどう活かせるか」を具体的に記述することが重要です。

このように「組み合わせの意図」を示すことで、採用担当者の印象に残りやすくなります。

書き方例①(業務効率化志向を強調)

「基本情報技術者試験を通じて、ITインフラ、セキュリティ、データベースの基礎知識を習得し、現場業務における課題解決や業務効率化への関心が高まりました。加えて日商簿記2級を取得し、財務諸表の構造や会計処理の理解を深めたことで、業務の全体像を把握しながら、ITと会計の両面から改善提案ができる力を身につけました。これらの知識を活かし、貴社の業務最適化やDX推進に貢献したいと考えております。」

書き方例②(現場理解とシステム導入支援を強調)

「日商簿記2級を通じて、仕訳や決算業務の基礎を学び、企業経営における数値の重要性を実感しました。その上で基本情報技術者試験にも合格し、業務システムやRPA、データ活用への理解を深めました。
これにより、現場視点とシステム思考を両立できる人材として、経理・IT部門の橋渡し役を担うことが可能です。将来的には、業務フローの見直しやシステム導入支援など、効率化と付加価値創出に貢献していきたいと考えています。」

(2)経理職における自己PRのポイント

経理職への転職を目指す際、履歴書や職務経歴書、面接での「自己PR」は選考結果を大きく左右する重要な要素です。単に資格を持っているだけでなく、「どう活かせるか」「どう組織に貢献できるか」を具体的に示すことで、企業側からの信頼度が大きく高まります。

① 業務改善への意欲を明確に伝える

企業が今、経理人材に求めているのは「単に数字を処理できる人」ではなく、「効率化や改善に主体的に関われる人材」です。たとえば、「RPAやExcelマクロなどのツールを活用して、定型業務を自動化し、チームの生産性を高めたい」といった意欲を表現することで、現場課題に向き合える人物として評価されます。こうしたIT活用の視点は、基本情報技術者の知識を持つあなたの強みと直結します。

② 部門間の橋渡し役になれることをアピール

経理とITの知識を持っていることで、システム部門と経理部門の間で「通訳」のような役割を果たすことが可能です。例えば、「会計ソフトの仕様変更時に、業務側とIT側の要望を調整できる」など、両者のニーズを理解し、調整・実行に移せる力を持つ点を伝えましょう。これは、現場との連携力やコミュニケーション能力の証明にもなります。

③ 資格取得の背景にある「主体性・学習意欲」を伝える

日商簿記2級や基本情報技術者を、仕事や家庭と両立しながら取得した場合は、その「努力や計画性」も立派なPR材料になります。「未経験ながらも、自主的に知識を深め、実務に備えた」という姿勢は、学ぶ力や柔軟性のある人材として企業から高く評価されます。

これら3点を組み合わせることで、企業にとっての「即戦力」ではなくとも、「将来性のある伸びしろのある人材」として採用される可能性が高まります。自己PRは、「資格の羅列」ではなく「どう使うか」のビジョンを明確に示すことが成功のカギとなります。

■ 転職成功のためには転職エージェントを活用

(1)非公開求人へのアクセスが可能

日商簿記2級や基本情報技術者の資格を活かして転職を目指すなら、転職エージェントの活用は非常に効果的です。特に、経理・会計に特化した転職エージェントを利用することで、自力では見つけにくい「非公開求人」へのアクセスが可能になり、自分に合った職場を見つけやすくなります。

経理・会計専門のエージェントは、会計事務所、一般企業の経理部門、財務・経営企画職など、業種や企業規模に応じた多様な求人を抱えています。また、求人企業側との強固なネットワークを活かし、求職者の強みや将来性を直接アピールしてくれることも少なくありません。

(2)履歴書や職務経歴書の添削などの豊富な転職サポート

さらに、エージェントは履歴書や職務経歴書の添削に加え、面接対策のサポートやキャリアの棚卸し面談なども実施してくれるため、未経験職種へのチャレンジやキャリアチェンジを希望する人にとっても心強い味方となります。

たとえば、日商簿記2級を持っているが実務未経験の方が、「業務効率化に興味があり、基本情報技術者の知識もある」と伝えることで、「ITに強い経理人材」としてポテンシャルを評価されやすくなります。キャリアアドバイザーにその意欲や背景を正しく伝えることで、紹介される求人の精度も向上し、自分に合った企業とのマッチングが実現しやすくなるのです。

また、エージェントによっては、資格取得支援制度を持つ企業の紹介や、未経験者向けの研修付き求人も扱っており、転職後のスムーズな立ち上がりも見込めます。資格を取得しただけでは不安という方でも、安心して転職活動を進められるでしょう。

■ まとめ:複合資格を活かし、価値あるキャリアへ

日商簿記2級と基本情報技術者を活かすことで、経理やIT、さらにはその両方を横断する「業務改善型人材」としてのキャリアが拓けます。資格取得はゴールではなく、「キャリアの可能性を広げるスタート地点」です。

転職エージェントや支援制度を活用し、自分の強みを明確に伝えれば、未経験からでも理想の職場への転職は十分可能です。

2025年以降、経理職の大きな役割は「記録から分析へ」、そして「定型業務から戦略的業務へ」と変わっていくと予想されます。AIの導入により、単純作業は機械に任せる時代が到来します。その中で、人間に求められるのは「ITを活用し、企業経営に貢献できる力」です。

そのためにも、日商簿記2級+基本情報技術者という資格セットは、経理×IT人材としての将来性を支える非常に強力な武器となるでしょう。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

新着記事一覧

経理のためのコラム集

経理転職に関するカテゴリーごとにまとめたページです。

会計人の人生観・仕事観を紹介「Accountant's Magazine」最新号

「Accountant's Magazine」は、著名な会計プロフェッションにスポットをあて、その人生観・仕事観を紹介。会計・経理分野に従事する人と仕事の将来像を提示する、読者と共に考えるヒューマンドキュメント誌です。今なら新規登録していただくと、「Accountant's Magazine」(WEB版)の全記事を無料で閲覧することができます。

新規登録をしてWEBマガジンを読む(無料)

関連コンテンツ